今週15-16日で、アメリカの金融政策を決める会議(FOMC)が開催される予定です。
この会議後の会見では金融政策の変更は何もなく変更する予定もないと伝えられるはずですが、念のため今の政策のスタンスに変更がないかを確認したいと思っています。
先日の記事でも書いたように「そろそろ金融緩和の一部でやっている債権購入を縮小する議論をしたほうが良いのでは」というFOMCメンバーも出始めてきたので、FOMCの声明文や議事録が公開されたら、目を通すつもりです。
しかし、もしも緩和縮小に前向きな発言や声明文が出たらスタンスが変わったことになるので、インフレを期待して投資している銘柄は一部だけでも少し早めに売却をしても良いかなと考えています。
この記事のポイント
- 6月15-16日には、アメリカの金融政策を決めるFOMCが開催予定。
- 金融緩和の縮小について声明文で何か発表されれば株価には逆風になるが、事前の予想では金融緩和の縮小のシグナルは何も出さないと見られている。
- 基本的にはFOMC前後で株の売買をする予定はない。ただ、万が一6月のFOMCで緩和縮小に関するメッセージが発表されたら、インフレで恩恵を受ける一部の銘柄は売却しようか検討中。
今週のFOMCを前に
2021年も米国株は、大規模な金融緩和のおかげで高値を更新しています。
でも、アメリカでは2021年3月から不況からの本格的な回復が始まったので、株高を支えた金融緩和がいつ縮小に向かうのか、緩和縮小が始まると株価に悪影響なのではないかと、投資家は早めの心配を始めています。
ただ、以下のブルームバーグの記事を見ると事前の予想では、今回のFOMCでは金融政策の変更はないどころか、緩和の縮小の予定についても特にメッセージは出されないと思われているようです。
>>FOMCの金利予測分布図、23年の利上げ開始にシフトへ-調査(ブルームバーグ)
私も緩和縮小については気になっていますが、6月のFOMCでは政策変更もなく、変更予定のメッセージすらないのが基本路線だとドッシリ構えて良さそうです。
その上で、万が一、予想に反して金融緩和の縮小が近いとのメッセージが発せられたら、その時はアメリカの中央銀行もインフレを警戒して対策に乗り出そうという気配を感じるので、インフレを見越した投資の一部は早めに回収しても良いかなと考えています。
インフレに強い銘柄の売却を検討している背景
実は、FOMCがこのタイミングで無かったとしても、インフレの上昇を期待した投資の一部は一旦売却して、利益確定しようかと検討していました。
たしかに、今のところは2021年5月までにアメリカはインフレ率が勢いよく上昇しています。
しかし、より詳しいデータを眺めてみると【一時的に見られると予想されるモノの値段の上昇】と【じわじわと長続きしそうなモノの値段の上昇】が見られています。
そのうち、一時的と見られるインフレの要因は恐らく2021年後半には状況が改善されると思うので、一時的にインフレ率は下がりやすくなるはずです。
インフレの一時的な要因と一時的ではない要因
- 一時的なインフレの要因:半導体不足で中古車・レンタカーの値上がり、航空チケットとホテル価格の上昇。
- 長続きしそうなインフレの要因:(原油価格などの)原材料の上昇と減少する在庫、住宅価格の上昇、予想よりも大きく上昇する平均時給
上に書いたインフレの一時的な要因のうち、車の半導体不足については7月以降も厳しいものの状況はやや改善され、2022年は供給が安定すると言われています(ガートナー調べ)。
また、アメリカでのホテルや航空チケットの価格の価格上昇は、明らかにコロナの反動なので長続きはせずに、しばらくすれば価格は安定するはずです。
これらの短期的な要因が消えれば、少なくとも一時的にはインフレ率は下がるので、今のタイミングでインフレを期待した投資の利益確定を一度するのはどうかと考えていたとことでした。
その上で、その後に長続きするインフレ要因が脅威となれば、インフレを見越した投資は再開するのも有りだと思っています。
私の場合、もしも売却するならコモディティETFになると思います。原油価格はまだ上昇を続けているので、石油大手のエクソンモービルとシェブロン、石油業界ETF(VDE)はまだ保有しておこうと思っています。
ただ、FOMCで金融緩和の縮小について何も触れられなかったら、そこまで売り急ぐ必要もないので、コモディティETFの売却タイミングはまた再検討します。