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やはりかなり高く見えるアメリカの2022年末の政策金利見通し

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ほんの半年くらい前まで、2022年末に1.50%や1.75%程度まで利上げをすればアメリカ経済や米国株が大きな低迷を迎えるといっている人は多くいました。

しかし、最近では1.50%や1.75%どころか、2022年末に3%近い水準まで政策金利を引き上げるとの予想もあります。

今の市場の投資家やFOMCメンバーの政策金利予想が、やはりどうしても高すぎると思っています。

この記事のポイント

  • 6月のFOMCで参加者の政策金利見通しの最新版が発表される。
  • 恐らく2022年末の政策金利見通しは市場予想と同じ2.50-2.75%が提示される。
  • しかし、前回の2018年の利上げ時のピークの2.25-2.50%を超える利上げは米国株か経済へのダメージなしには無理だと私は思っている。

FOMCメンバーと市場の政策金利予想


あと2週間もすると6月15日にFOMC(アメリカの金融政策を決める会議)が行われます。

次のFOMCでは会議の参加者が今後の政策金利の見通しを発表することになっているはずなのですが、そこで恐らく2022年12月の政策金利は「2.50〜2.75%」くらいまで引き上げるという見通しが発表されるはずです。

というのも、現時点での投資家の年末の政策金利予想が「2.50〜2.75%」となっており、FOMCの見通しも近い値が出てくると予想されるからです。

かなり高く見える2022年末の政策金利

あらためて2.50%〜2.75%という数字を見てみると、これはかなり高いのではないかと私は考えてしまいます。

前回FOMCで金利見通しが発表されたのは2022年3月だったのですが、このときFOMCメンバーの政策金利見通しはまだ22年末で1.90%というものでした。

この数字なら、かなり楽観的になればギリギリでアメリカの景気や株価も耐えられるかも知れないと思えましたが、今やFOMCメンバーや市場が予想している年末の政策金利は2.50%〜2.75%です。

私よりも賢いはずのFOMメンバーや投資家たちはがこの高さになるまで政策金利を引き上げる未来がくると言っているので、あまり大声では言いにくいのですが、私個人の意見としては未だにこの高い政策金利にアメリカの経済や米国株が耐えられるとは思いません。

以前にもいくつかの記事で書きましたが、アメリカ経済や米国株が「2.50〜2.75%」の金利に耐えられない理由をまとめてあげていきたいと思います。

2.50〜2.75%の政策金利に耐えられない理由


アメリカは長期的トレンドとして金融政策ありきの弱い経済へと変化していて、前回の利上げ時の政策金利をピークを超えられてないという傾向が長く続いています。

前回の利上げは2018年に「2.25-2.50%」まで引き上げたところで株価が崩れて止まりましたが、上のグラフの傾向が続いているなら、2022年は「2.25-2.50%」よりも低い利上げしかできずにアメリカ経済や米国株が崩れるという予想が立ちます。(上の図のトレンドでは1.8%付近までしか上げられないです。)

2022年のほうが2018年よりも大規模な金融政策に慣れてしまった弱い経済状態にあると私は思っているので、当然「2.25-2.50%」の政策金利は耐えられないと思っています。

そうなると何が起こるかです。予想では次の3つが起こります。

  • (1)アメリカの景気が年内まだ持ちこたえ、FOMCが利上げを突き進めば、年内に株価が弱気相場入して崩れる。(米国株売りが有利)
  • (2)アメリカの景気が早々に崩れ、FOMCが慌てて利上げを止めて景気後退を回避できた場合、インフレ率が上昇し米ドルが下落(コモディティ買いが有利)。
  • (3)アメリカの景気が早々に崩れ、FOMCが慌てて利上げを止めたが景気後退になってしまう場合、米国株もコモディティも下落、米国債上昇(米国株売り、米国債買いが有利)

それぞれの展開でどれに投資をしたら良いかが変わりそうです。

というわけで、相変わらず2022年はアメリカの景気がどこまで持つか(経済指標)、そのために景気を左右するインフレ(消費者)と金利(FOMC)がどう動くかに目が離せない年になりそうです。

今の段階で私は(1)、(3)、(2)の順に起こる確率が高いと思っています。


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