加熱する配達ロボット
2019年1月、アマゾンは自動配達ロボットのScoutをワシントンでテストすると発表しました。人が歩く程度のスピードながら、人や障害物を避けて近場の目的地まで運んでくれるこのロボットが、配達の再配達問題を解決するだけでなく、実店舗のスーパーからキッチンまで買い物袋を運ぶことになると話題になりました。
この配達ロボットはもともとアマゾンが初めてではありません。欧米では配達ロボットを手がけるベンチャー企業が、地域限定ながら、既に配達ロボットのビジネスを始めています。
スターシップテクノロジーズは2014年に創業してから、2017年10月の時点で既に約10万kmの自律走行ロボットの走行実績があります。配達のピザなどを家に届けるだけでなく、オンラインショッピングで買った商品をスターシップテクノロジーズの拠点で一時的に預かり、ユーザが家にいる時間に配達ロボットで届けるサービスも行っています。
その他、サンフランシスコのベンチャー企業マーブルによる、オンラインの出前サービスの「Yelp Eat24」で注文を受けた食事配達や、Kiwiによるカリフォルニア大学バークレー校のキャンパスで食事配達など、多くの企業が先行してやっているところに、後発組としてアマゾンの配達ロボットScoutが参入しました。
フェデックス陣営の配達ロボット参戦
アマゾンの配達ロボットの発表から約1ヶ月後、2019年2月27日にアマゾンを追いかけるようにして、今後はフェデックスが自動配達ロボットSame Day botを発表しました。
注目に値するのは、このフェデックスの配達ロボットの提携先です。プレスリリースに記載されている提携先を見ると、フェデックスの配達ロボットの熱意が伝わってきます。アマゾンのライバルであるウォールマートをはじめ、ディスカウントショップのターゲット、薬局のウォールグリーン、ピザハット、車部品を扱うオートゾーン, ホームセンターのロウズと、アメリカを代表する企業が並びます。
Amazonのオンラインショッピングの影響を受ける実店舗の企業や、医薬品通販参入したことによりライバルになったウォールグリーンなど反アマゾン陣営が集結している印象すら与えます。
このフェデックスの配達ロボットを使うことで、ネットで注文を受けた近所のスーパーや薬局は、届け先の家までの当日直接品物を届けることができるようになります。
フェデックスは2019年夏にいくつかの都市でテストが行われる予定です。