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景気後退を警戒するいくつかの市場、アメリカ長期金利は低下へ。

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5月の末にアメリカの長期金利はもうピークを超えて低下に向かうという記事を書きました。

>>米長期金利はピークを超えたかなと思っています。(22年5月30日記事)

それから1ヶ月、アメリカの長期金利が上昇する場面もありましたが、ようやく下落に転じてきたように思います。

長期金利がピークを超えたら、次の景気後退が来るまでゴールドや長期米国債はいくらか保有をしておいても良いかも知れません。また今進んでいる円安ドル高もまもなく一段落するはずです。

一方で、昨日の記事でも書いたように米国株も一時的には買われるかも知れませんが、その後に控える景気後退を考えると米国株はまだ手を出さなくて良さそうです。

この記事のポイント

  • 市場が景気後退を織り込むような動きが見られる、その中で、アメリカの長期金利は6月後半からピークをつけて下がりそう。
  • 長期金利と似た動きをする銅÷ゴールドの比率も低下しているため、これからの長期金利も低下する可能性が高い。
  • この動きが本格化するなら円安ドル高は歯止めがかかり、ゴールドや長期米国債は買いのチャンス。一方で、米国株は景気悪化懸念があるのでまだ買わなくていい。

景気後退に身構えるような市場の動き


最近では株式市場を除くさまざまな市場で、景気後退に備えるような動きが見られます。まず、景気に敏感な銅の価格はすっかりと勢いをなくして、直近1年で最も安くなっています。

景気が鈍化するならエネルギー需要も落ち着くので、原油価格は銅ほどではないものの価格に落ち着きが見られます。

景気が鈍化する前に見られるもう一つの典型的な動きとして、長期金利(10年国債利回り)の低下がありますが、その兆候も見られています。

長期金利低下の影響


今後の長期金利についてはインフレが伸びれば上昇、景気後退が近づけば低下するはずです。

しかし、これからのアメリカの長期金利は低下する可能性のほうが高いと私は思っています。

その理由はいくつかあるのですが、まず今のアメリカには景気後退のシグナルがいくつも出ているからです。

最近見られたアメリカの景気後退のシグナル

  • 逆イールド現象の発生(1年から2年以内にほぼ確実に景気後退)
  • 消費者景況感の悪化(既に景気後退時と同じレベル)
  • 株の弱気相場入り(過去100年の弱気相場では14回中10回が景気後退)
  • 景気先行指数が2ヶ月連続マイナス(3ヶ月連続なら半年以内に67%で景気後退)

これらに加えて、長期金利と同じ動きをしやすい銅÷ゴールド比率は最近になって低下している動きも見られます。

上のグラフで見るように、アメリカの長期金利は銅÷ゴールドの動きと同じように動いているのですが、最近では銅÷ゴールドがハッキリと低下しています。なので、恐らくこれから長期金利もこの動きを追いかけて下落するのだろうと思います。

長期金利の影響

長期金利は様々な投資に影響を与えるので、もしもこのまま長期金利の低下が続くなら次のようなことが起こると思います。

  • アメリカの長期国債の価格が上昇する
  • ゴールドの価格が上昇しやすくなる(ゴールドにとっては低金利・高インフレが理想)
  • (景気後退懸念があるなら利上げにもブレーキがかかるはずなので)ドル高に歯止めがかかりやすくなる。

また、昨日の記事でも書いたように、長期金利上昇の悪影響を受けていた米国株も上昇に転じるタイミングが来るかも知れません。

ただし、景気後退がいつか来るなら、どこかで企業の予想利益が減少して株価が下がることも十分にあるので、株ではなくゴールドや長期国債のほうが投資のチャンスが広がっているように思います。


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