フェイスブックの2021年4-6月期の決算が発表されました。
結果は予想以上に良かったです。前期も好調でしたが、売上も利益もさらに成長が加速している点も好印象でした。
しかし、2021年後半からは成長率が鈍化するとのコメントが発表されたため、決算発表後に株価は売られています。
この記事のポイント
- フェイスブックの2021年4-6月期の業績は、予想を上回る好決算だった。
- しかし、2021年後半から成長が大きく鈍化する見通しを示したことを受けて、決算発表後に株価は大きく下げた。
- 成長鈍化が気になる短期投資家は売っても良いタイミング。一方で、利益を上げ続ける良い企業なので長期投資家なら保有を続けて問題なさそう。
大きな成長を見せた4-6月期
今期のフェイスブックはかなり好調でした。売上も一株利益も事前のアナリスト予想を上回っています。
- 売上:290.8億ドル(予想278.9億ドル)
- 一株利益:3.61ドル(予想3.03ドル)
前年比の成長率を確認してみると収益は+56%、一株利益は2倍の+101%と大きな成長を見せています。
単位B:10億ドル | 21Q1 | 前年比 |
---|---|---|
収益 | $29.1B | +56% |
営業収益 | $12.4B | +107% |
一株利益 | $3.61 | +101% |
実は前回の決算もフェイスブックはかなり業績がよかったのですが、売上や利益の成長率は加速しています。
その他の重要な指標もだいたい良好
フェイスブックが重視視しているその他の数字も、おおむね良い結果でした。
マンスリー・アクティブ・ユーザ(毎月フェイスブックのアプリを利用しているユーザ数)こそ予想を下回りましたが、それ以外は予想通りか予想を超える結果を残しています。
- ユーザあたりの平均収益:10.12ドル(予想9.66ドル)
- デイリー・アクティブ・ユーザ数:19.1億人(予想19.1億人)
- マンスリー・アクティブ・ユーザ数:29.0億人(予想29.1億人)
成長鈍化の見通しで株価下落
さて、予想されていることではあったのですが、今期をピークに著しかった売上成長率もピークをつけて減少していくという発表がフェイスブックからありました。
力強い成長の時期が一段落して、フェイスブックは2021年第3四半期(7-9月期)と第4四半期(10-12月期)で立て続けに前年比で売上成長率が大幅に低下すると予想しています。新型コロナウイルス影響を除外するために2020年だけでなく2019年からの2年間で成長率を眺めた場合には、2021年4-6月期から下半期にかけての成長率鈍化は緩やかになります。
フェイスブックは控えめな見通しを発表することで有名な企業ではありますが、どうしても成長率鈍化が気になる投資家は今のタイミングで一部の株の利益を確定させたりしても良いかも知れません。
一方で、安定して利益を得られる企業なので、長期保有を考えている投資家なら保有で問題ないとも思います。今後半年から1年程度は成長鈍化の時期が来るでしょうが、長期目線ではやはり良い企業だと思っています。
以下のアナリスト予想を見てみると、成長率は鈍化するものの10%後半の成長率をキープし続ける上に、予想PER(PE)も他の大手IT銘柄と比べてもそれほど高くないので、割高ではないと思っています。
私はこの記事を書いている時点で、フェイスブック株をいくらか保有しています。
そのまま持っている株すべてを長期保有し続けてもいいですが、他に投資のチャンスがあるなら一部を売ってそちらに資金を回しても良いかなとも思います。まだ対応を決めかねていますが、状況に応じて柔軟に対応を考えようと思います。