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フェイスブック、好決算。2020年デジタル広告が急回復した理由【20年7-9月期決算】

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先日フェイスブックの7-9月期の決算が発表されましたが、収益・利益・ユーザ数の伸びどれをとっても予想以上の好決算でした。

フェイスブックに限らず、デジタル広告(インターネット広告)で儲ける企業はどこも7-9月は好調です。

新型コロナウイルスで人々が今まで以上にネットにつながっている時間が長くなっている上に、「オンライン販売を拡大させたい」「実店舗が再開して顧客を呼び戻したい」と考える顧客企業がデジタル広告を増やし始めたことで、4-6月には低迷していた業績が急回復しているように見えます。

ただし、フェイスブックは7-9月期こそ好調でしたが、今後は少し成長率は少し鈍化するかも知れません。稼ぎ頭の北米のユーザ数が10-12月で減少する恐れがあると発表したことに投資家は警戒感を示して、決算発表後に株価は下がってしまいました。

この記事のポイント

  • フェイスブックの7-9月決算は、収益・利益・ユーザ数・ユーザ単価のどれもアナリストの事前予想を超えた。
  • しかし、決算は発表後に株価が下落した。2020年10-12月で北米のアクティブユーザ数は横ばいか、わずかに減少に転じると発表したことが下落の原因。今後の成長率鈍化が懸念材料。
  • フェイスブックに限らず、米国企業のデジタル広告ビジネスの好調が続いている。4-6月期はコロナの景気低迷で広告収入も減ったが、消費者も企業もオンラインを重視している2020年は業績回復が早かった。

2020年4-6月期決算


7-9月のフェイスブックは、事前の予想よりもずっと良い好決算でした。

  • 一株利益:2.71ドルで、予想を0.80ドル上回る。
  • 収益:214.7億ドルで、予想を16.7億ドル上回る(前年比+21.6%)。
  • デイリーアクティブ・ユーザ:18.2億人(予想は17.9億人)
  • マンスリーアクティブ・ユーザ:27.4億人(予想は27.0億人)
  • ユーザ単価:$7.89(予想は$7.32)

上の全ての項目で、事前の予想を上回る結果を出しています。

単位B:10億ドル 20Q3 前年比
収益 $21.2B +22%
営業収益 $8.0B +12%
純利益 $7.8B +29%
一株利益 2.71 +28%

フェイスブックは前回の決算発表で「業績に回復の兆しが見られる」と言っていましたが、今期はその言葉通り低迷した前期からの回復が見られます。

7-9月に好調だったデジタル広告


同じ日にグーグルの親会社のアルファベットの決算発表もありましたが、グーグルも7-9月期は予想以上に検討していました。この両社を見ていると、デジタル広告はコロナからの回復が早いようです。

参考記事:

もともと私は広告ビジネスは景気に左右されやすいので、フェイスブックもグーグルも2020年は低調な決算が続くのかなと思っていました。

しかし、2020年は買い物一つとっても多くの消費者が実店舗からオンラインに移りました。人々が普段よりも長い時間ネットを使っていることを背景に、企業はオンライン販売の拡大や再開した店舗に来てもらうためにデジタル広告の支出を増やしているようにも見えます。

グーグルとフェイスブックだけでなく、スナップチャットの決算や、アマゾンで広告ビジネスを扱っている部門の売上を見ても、2020年7-9月はかなり好調が続いています。

2020年冬の時期の新型コロナウイルスの再流行で米国株が下がるような場合、デジタル広告はコロナからの業績回復が早いという知識を持っているかどうかで、投資の行動が変わる気がします。

今後、新型コロナウイルスの再流行が来てもデジタル業績の回復は早いなら、グーグルやフェイスブックの株は売らないで保有を続けても問題なさそうです。

もしも株価が下がった場合でも、3〜6ヶ月で業績が回復軌道に乗ることを見越して、安くなった株を買いに行けるはずです。

決算発表後に下落したフェイスブック株


さて、ここまでフェイスブックやデジタル広告の好調ぶりを伝えてきましたが、今期好調だったフェイスブックでも決算発表後に株価を下げています。

原因は、フェイスブックは10-12月で北米のアクティブユーザがわずかに減少するかも知れないと発表したことで、今後の売上成長に暗雲が立ち込めたためです。

決算発表後に下落したフェイスブック株

10-12月期で北米のアクティブユーザ数が伸び悩んでも、北米はユーザ単価の引き上げが比較的順調にいっている地域なので、もう成長できないわけではありません。また、フェイスブックは大手のハイテク企業の中ではそれほど割高ではないので、まだ株価の伸びしろもあると思います。

フェイスブックの北米でのユーザ一人あたりの収益

でも、デジタル広告が伸びている時代背景に乗りたいなら、稼ぎ頭の北米売上にブレーキがかかり始めているフェイスブックよりも、今はグーグル(アルファベット株)のほうが良いかも知れません。


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