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下げ止まらないヨーロッパの景気。企業の景況感は右肩下がりに悪化。【2019年10月PMI】

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ヨーロッパ景気は良くないですね。今に始まったことではないのですが、下げ止まっていない印象があります。

企業の購買役員に景気が良いか悪いかアンケートした結果をまとめたドイツとヨーロッパの景況指数(PMI)が発表されました。50を超えれば景気が上向いている実感があり、50を下回れば景気が下向きになっていると感じていることを意味する数字なのですが、製造業は50を遥かに下回っています。

  • ドイツ製造業PMI:42.0の予想を下回る41.9。
  • ヨーロッパ製造業PMI:46.0の予想を下回る45.7。

製造業以外の企業ではなんとか50を超えているものの、見ての通り軒並み予想を下回る数字が発表されています。

  • ドイツ非製造業PMI:52.0の予想を下回る51.2。
  • ヨーロッパ非製造業PMI:51.9の予想を下回る51.8。

グラフを見ても、景況感は右肩下がりです。

低迷の理由は、貿易摩擦とイギリスEU離脱

理由は、ドイツとイギリスの低迷だと思います。工業国のドイツは世界的な貿易の減速を受けて、イギリスのEU離脱が決まらないことで企業の投資が全然進まず、EU全体で景気が減速しています。ドイツは世界の主要国の中で、GDPに占める輸出の割合が特に大きいので、輸出の低迷から製造業がダメージを追っている印象です。

前の記事で、韓国の輸出はわずかに復調の兆しがあると書いたのですが、ドイツに関して言えばそのような兆しは感じられません。

工業国のドイツと、EU離脱の真っ只中にいるイギリスの2つの大国が低迷すれば、ヨーロッパ全体としても必然的に調子を落としてしまいます。

ドイツ、ヨーロッパが景気後退に向け1歩リード

世界各国の景気が悪くなる順番はだいぶ前からドイツ、ヨーロッパ、日本、中国、アメリカと言ってきたのですが、その順番に変更はなさそうです。

詳細はこちら:今後のアメリカを中心とした世界経済で起こる9つのこと。

特に、ドイツは2019年第3四半期にもかなりの確率でGDPマイナス成長になり、景気後退入りすると見られています。世界中の国の経済指標をみても、ドイツが目立って悪いです。

ドイツの著名な研究所2つが、2019年3Qでのドイツ景気後退入りを予測。

ドイツに続きそうなのは、ヨーロッパの国々ですが、景気後退するとしてもまだ年内は持ちこたえそうな気配があります。ただ来年あたり、ヨーロッパと日本がつまずくようだと、いよいよ世界の経済大国の中国やアメリカにも火の粉が飛んできそうです。

アメリカが火傷で食い止められるか、火事になるかは、ヨーロッパ、日本、中国の景気次第だと思います。アメリカには世界中に展開しているグローバル企業が多いので、世界の景気が「踏みとどまるか」「ズルズルと悪化するか」の大きな流れは、把握しておいたほうが良さそうです。


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