ドイツ・ヨーロッパ製造業の底打ちは本物か否か【2020年1月PMI】

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やはりドイツとヨーロッパの製造業は最悪期を脱したようにも見えます。

ヨーロッパ企業への景気アンケートの調査結果(製造業PMI)を見ても、2019年9月で底を打って回復に向かっているように見えるからです。この回復基調が一時的な否かを知るには、まだしばらく時間が必要ですが、市場は比較的楽観的に捉えているようです。

この記事のポイント

  • ヨーロッパ製造業(特にドイツ)の製造業の景気の悪化は19年9月以降、和らぎつつある。
  • これが景気後退直前に見られる一時的な回復なのか、景気後退を回避したのかは不明だが、市場の心理は急速に回復している。

この数年を振り返ると、2018年から中国国内の景気が減速して、中国に大量の車を輸出していたドイツの製造業の景気が急減速していました。

ドイツの製造業の不振は、ドイツ・サービス業や近隣のEUの製造業にも影響して景気を冷やしていましたが、ドイツ製造業が本当に底打ちしたのなら、ドイツ・ヨーロッパの景気の減速にも歯止めがかかりそうです。

中国の景気の減速の上に、ヨーロッパと日本の景気が低迷した場合には、世界展開しているアメリカ企業の収益を悪化させる恐れがあると考えていましたが、このシナリオは修正しなければならなかいもしれません。

>>今後のアメリカを中心とした世界経済で起こる9つのこと。

2019年12月の景況感指数

企業の仕入れ担当者に景気のアンケートを集計した景気指数(PMI)は、一部、事前予想を下回るものもありましたが、概ね前月を超えて引き続き回復基調にあることが確認できました。

  • 製造業:ドイツは予想44.5を上回る45.2。EU全体は予想46.8を上回る47.8。
  • サービス業:ドイツは予想53を上回る54.2。EU全体は予想52.8を下回る52.2。

ドイツ製造業に底打ちの兆し

上のグラフの中でも、一番に注目すべきはドイツの製造業の底打ちです。PMIは50を下回ると景気の悪化を示すので、ドイツ製造業のPMI45.2はまだまだ景気の悪化から抜け出せてはいませんが、最悪期だった19年9月の41.7からはだいぶ回復しています。

景気後退前の一時的な回復か、景気後退回避か

ただし、ドイツの製造業の景気に底打ちの兆しが見えるからと言って、景気後退を回避したと判断するのはまだ早そうです。

厄介なことに、景気後退前には多くの場合で景気の一時的な回復が見られるからです。

アメリカの直近3回分の景気後退時のデータにはなってしまうのですが、3回とも景気後退の直前には一時的にGDP成長率が上昇しています。

景気後退までの期間 1990年GDP 2001年GDP 2008年GDP
12ヶ月前 0.8% 0.5% 0.9%
9ヶ月前 4.4% 2.5% 2.3%
6ヶ月前 1.5% -1.1% 2.2%
3ヶ月前 0.3% 2.4% 2.5%
景気後退 -3.6% -1.7% -2.3%

なので、今回ドイツ製造業の景気の底打ちが景気後退回避なのか、それとも景気後退直前に見られる一瞬の輝きなのかは、もう少し時間をかけて見守らないとわからなそうです。

ただ、市場は比較的楽観的に捉えているようです。機関投資家やアナリストが感じている今後6ヶ月の景気の強さを表すZEW景況指数は力強く急回復しています。

これを見る限り、市場はドイツは景気後退を回避しそうだと見ているのかもしれません。


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