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少なくともあと1年程度は米国株が有利な環境は続きそうだと考える根拠。

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最近、株をはじめた人から「米国株は上昇が止まっているようだけど、まもなくピークをつけて下落しないかな?去年は上昇していたのに、もっと早くから投資していれば良かった」と相談されることがありました。

とても割高になっている売上成長率の高い小型株(ハイテク・グロース株)の値動きはわかりませんが、世界的な大手企業が名を連ねるS&P500などに株式指数に投資しているなら、今年はまだ大丈夫だと私は思っています。

株をはじめたばかりの人には「2021年は景気が良いから、米国株はまだ上昇する可能性がある」とだけ、簡単に理由を説明しました。

しかし、このブログを読んでいる人は数年以上投資を経験している人も多いので、もう少しだけ詳しく米国株に投資を続けて問題ない理由を書いておきたいと思います。

この記事のポイント

  • 2020年3月23日以降の株高の背景には、米国債に比べたら米国株のほうが割安で資金が流れやすい投資環境があった。
  • 2021年3月時点でもまだ米国債よりも米国株のほうがいくらか割安が続いている。株のほうが割安な状態は、恐らくあと1年程度(2022年頃まで)は続く。

2020年3月から米国株が上昇した背景のおさらい


まだ株に投資して良い理由を説明するために、2020年3月23日に底を打った米国株がどうして1年間も上昇を続けたのかを振り返っておきます。

2020年の米国株の上昇の背景には、金融緩和の影響で圧倒的に割高になった米国債の存在がありました。

大規模な金融緩和を打ち出した2020年3月以降の1年間は、割高でほとんど利益がでない米国債に比べたら米国株のほうが魅力的だったので、直近1年間ほど米国株の上昇が続きました。

2020年に米国株が上昇した理由の詳細記事:

米国株が米国債に比べてどれだけ割安になっているかを調べるグラフ(超過CAPE利回りのグラフ)を見てみると、2020年3月に急上昇して株が国債に比べて急に割安になったことがわかります。

S&P500の超過CAPE利回りグラフ

出典:MacroMicro

「超過CAPE利回り」はあまり聞き慣れない言葉かもしれません。詳細はこちらの記事で書いています。

少なくともあと1年程度は米国株が有利な環境が続きそうな根拠


さきほど米国株が米国債に比べてどれだけ割安なのかを確認するために、超過CAPE利回りのグラフを使いました。

このグラフをじっくり眺めると、過去の大きな株価下落が起こった株の割高な状態になるまでには、もうあと1〜2年程度余裕があることがわかります。

2018年の株価急落やリーマンショックの水準まではあと1年程度

以下のグラフを見ていると、政策金利引き上げが続いて株価が下落した2018年の時(米国株が国債に比べて割高になった時)には、超過CAPE利回りは1.5%でした。(また、偶然かもしれませんがリーマンショック前の2007年も約1.5%でした)

S&P500の超過CAPE利回り

2020年3月現在の超過CAPE利回りは3.0%なので、まだ1.5%まではだいぶ余裕があります。

超過CAPE利回りの下落は1年で約1.5〜2%ほどなので、まだ1年くらいは株が有利な環境が続くのではないかと思います。(例外は2009年で1年間に4%ほど下落しました)

2018年の株価急落やリーマンショックの水準まではあと1年程度

そして、2021年の米国株は一部ではバブルのような値動きもありますが、もしもS&P500全体がバブルのような値動きに発展する場合には、下落まで2年程度の時間的余裕があるかも知れません。

2000年のITバブルの時には米国株が大きく買われて、超過CAPE利回りがマイナス1.5%になるまで株の割高が進みました。

S&P500の超過CAPE利回り

2000年のITバブルと同じ程度まで株が割高になるためには、恐らくあと2年程度は株高/国債安が進む必要がありそうだと思っています。


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