6月11日の市場は大きく下落しました。
1日のダウ平均の下落幅としては、歴代で4番目の大きさだったようです。
この背景にあるのは、新型コロナウイルスの第2波の懸念だと報道されています。健康面でも経済的にも嫌なニュースです。
アメリカ全土の新規感染者数は毎日約2万人で伸びてもいなく減っているわけでもないですが、州によっては心配な増加傾向が続いている場所もあるようです。
この記事のポイント
- アメリカは4月で新規感染者数のピークをつけた。特に感染の中心地だったニューヨーク州の新規感染者数はかなり減少した。
- それでも最近のアメリカ全土での新規感染者数は毎日2万人で横ばいの状態が続いているのは、感染拡大している州があるため。
- まだ感染拡大第2波がきているとは断定する状況ではないものの、株価に影響を与え始めているなら注意して見る必要がある。第1波同様に新規感染者数のピークをつける前後で株価が底打ちする可能性もある。
第1波で感染の中心地だった州では収束しつつあるアメリカ
まず全米での新規感染者数ですが、4月をピークに減少し、最近は毎日2万人前後で横ばいの状態が続いています。以下グラフの青線は7日間の新規感染者数の平均値を表していますが、確かに4月がピークだったようです。
出典:worldometers
特に、今まで感染の中心地だったニューヨーク州では、新規感染者数の減少が鮮明です。
また、ニューヨーク州に次いで2番目に感染者数が多いニュージャージー州でも、減少傾向が今も続いているようです。
一部の州では感染が拡大
察しが良い人は上のグラフを見た時点で気づきますが、累計感染者数で1位と2位の州で新たな感染者が減少しているのに、全米では新規感染者数が横ばいで推移しているのは、その他に感染者が増えている州があるからです。
累計感染者数で3位のカリフォルニア州ではその傾向が鮮明です。
6位テキサス州と8位フロリダ州でも、少し気がかかりな新規感染者の増加傾向が見られます。
フロリダに関しては、早くも第2波のような感染の再拡大の傾向が見られます。既に第2波の感染者数は第1波を超えているようにも見えます。
感染拡大と株価下落リスク
こうした各州で起こっている地域的な感染拡大が、株価に悪い影響を与えている可能性があります。
先日、まだ市場が好調だった時に、私は今の相場でリスクになり得るのは以下の3つだと話をしましたが、その1つの感染拡大の懸念が少しずつ顔をのぞかせてきたのかも知れません。
米国株に投資する際に警戒するリスク
- (1)1年以内の新型コロナウイルスの感染拡大第2波
- (2)3-5年程度でインフレ率が上昇し、インフレを抑えるための金利上昇の影響を受けて株価下落。
- (3)3-5年程度(FRBの緩和策がなくなった後)で、アメリカ企業の社債バブルが弾けて景気悪化
過去のパンデミックが広まった傾向を見ると、多くの場合で感染の第2波がきているのも気になります。
歴史が繰り返されるなら、新型コロナウイルスの第2波が来る。
過去に世界的に流行したパンデミックの歴史が繰り返されるなら、高い確率で米国に第2波が来るようです。またパンデミック後の経済データを見ると、都市封鎖を厳しくしたほうがウイルス収束後の景気回復が早いことも教訓として知っておいたほうが良さそうです。
現状ではまだアメリカ全土では新規感染者数は横ばいで、まだ感染拡大の火種がくすぶっているだけの状況です。ただ、せっかちな市場は早くも感染拡大を織り込もうとしているようです。
下落した株を買いに行くにはまだ早い
もしも今後も感染の拡大と共に株価が下落するようなら、ワクチンの開発か、感染第2波のピークと共に株価が底打ちする可能性があります。感染第1波は4月初旬でしたが、株価の底値は3月末でした。
現時点ではまだ大きく下げたのは1日だけなので、様子を見たいと思います。たった数日だけで終わる下落なら、ほっておいても問題ないです。これから大きな株価の下落になるなら、まだ動くには早すぎると考えています。