昨晩、私が住んでいる街は熱帯夜でした。8月に入ってから寝苦しい夜が続いていますが、この夏はパリで40度を超えるなど、世界的に暑さが猛威を奮っています。
きっと太陽と地球が仲良くなって、お互いに近づいているせいでしょう。昔、理科の時間に星と星は万有引力という力で引かれ合っていると聞いたことがあります。きっとその力のせいです。そう言えば、歳を重ねる毎に誰もが1年が短くなったと言っていますが、太陽と地球が近づいたと考えると説明がつきます。
・・・すみません、嘘です。適当なことを言いました。そろそろ本題に入りましょう。
世界中で異常な熱波に覆われている2019年ですが、投資家は肝を冷やしている人が結構いるかも知れません。昨日、8月5日の市場ではダウ平均はマイナス2.9%下落し、下落幅は2019年に入ってから最大の767ポイントでした。
アメリカの追加関税の発表に対して、中国が為替操作とも取られかねない人民元安で対抗する貿易戦争の激化が下落の原因です。アメリカも中国もお互いを攻撃していますが、それは自分達に跳ね返ってくるブーメランのような攻撃です。
ブーメランのような米中の攻撃
アメリカの追加関税発動は、当然ですがアメリカのさまざま企業に大きなダメージを受けます。あのアップルもiPhoneやMacを中国で主に生産して輸入しているため、9月1日から発動されるアメリカの関税はアップルにとってダメージを受けることになります。
また、中国の元安容認の姿勢は中国製品の輸出を促して、アメリカ製品の輸入を抑える効果がありますが、人民元が安くなることで中国国内に眠る資本を海外に流出して、金融が不安定になるリスクがあります。
中国政府は資本が海外に流出しないように規制をかけてはいますが、人民元の資産のままで持っていても価値が減ると人々が判断すれば、金(ゴールド)などの実物資産を含め、何かしらの方法で人民元ではない資産に資金を移していく動きは加速するでしょう。
投資家心理の冷え込みだけで、実体経済はまだ強い
ただし、1日に3%程度の下落はまだまだ年に何回か見られるレベルで珍しいものではありません。それに、2019年5-6月の米中貿易戦争で学びましたが、投資家心理で景気の見通しが暗くなったからと言って、消費者の購買意欲などの実体経済までが直ぐに悪化するわけではありません。
実際、5-6月の貿易戦争の過熱にも関わらず、2019年4-6月期のアメリカ企業の決算は力強い企業が実に多かったです。GDP速報で伝えられてた、個人消費も同様に力強かったです。
それを踏まえると、現状はまだまだ投資家心理が冷え込んでいるだけです。上で説明したブーメランのような攻撃が、実態経済にいつ頃から影響が出てくるのか、そのタイムラグに世界の中央銀行や政策担当者は目を光らせています