投資をする上で、高度な数学が必要かと言われたら、たぶん不要だと思います。
だからといって雰囲気で投資をするもの違うと思いますが、コンピュータでの自動売買プログラムを組み込むような話でないのなら、基本的に投資は数学というよりも歴史的な数字を知っていたり、算数に近い計算ができれば問題ないと思っています。
今回から複数回に渡る記事は、米国株投資をする上でわずかながらに存在する、知っておいたほうがいい数字の知識と、使えたほうが便利な計算式について触れたいと思います。
米国株投資向け数字・数式
- (1)1日の最大下落率(本記事)
- (2)大恐慌下の最大下落率
- (3)市場平均リターン
- (4)72と115の法則と使い方
それでは、さっそく初回の本編に進んで行きます。
米国株投資向け数字の知識編
(1)ダウ平均の1日での最大下落率-22%
マイナス22%。ダウ平均の1日での最大下落率です。
投資をする際のこの数字の使い方としては、「たとえダウやS&P500などのインデックスに連動する比較的安定した米国株投資をしていても、自分の資産は眠っている間に20%で下落することもある」という心構えを持っておくと良いと思います。
例えば、1,000万円米国株に投資している人なら220万円。5,000万円投資している人なら1,100万円は一晩で消えることもあるんだという腹積もりを心の中のどこかで準備しておけば、いざという時に、
「まあ、そんな日もありますよね」
と一旦冷静になれます。
ちなみに、このダウ史上最悪の日は1987年10月19日月曜日で、ブラックマンデーと呼ばれて歴史に名を残しています。この日の主要な指数を見てみると、ダウ平均が22.6%の下落、S&P500も20.4%下げた一方、ナスダック指数は11.3%に踏みとどまっています。
「あれ。ハイテク株は影響が限定的だったのか」と思いきや、そうではないです。
実はナスダックは一番深刻に売りが殺到していて、売値が買値を大幅に下回った結果、上場株2200種のうち約200種は値がつかない状態でした。例えばMicrosoftは取引開始たったの54分でその日の取引を打ち切るなど、ナスダック市場は取引時間を大幅に短縮してこの日を終えています。
ちなみに、ブラックマンデー以外の1日のダウ平均の最大下落率も載せておきます。(出典:Wikipedia)
ここで注目なのは、1929年、1987年、2008年とやたらとこの3つの年が多いことです。それぞれ、世界大恐慌、ブラックマンデー、リーマンショックが起こった年ですが、株価の大幅下落は稲妻のように1回の大きな衝撃が走るのではなく、大地震のように前震や余震を伴って何度も来る点が注意です。
順位 | 日付 | 下落率 |
---|---|---|
1 | 1987-10-19 | -22.61 |
2 | 1929-10-28 | -12.82 |
3 | 1929-10-29 | -11.73 |
4 | 1929-11-06 | -9.92 |
5 | 1899-12-18 | -8.72 |
6 | 1932-08-12 | -8.40 |
7 | 1907-03-14 | -8.29 |
8 | 1987-10-26 | -8.04 |
9 | 2008-10-15 | -7.87 |
10 | 1933-07-21 | -7.84 |
11 | 1937-10-18 | -7.75 |
12 | 2008-12-01 | -7.70 |
13 | 2008-10-09 | -7.33 |
14 | 1917-02-01 | -7.24 |
15 | 1997-10-27 | -7.18 |
16 | 1932-10-05 | -7.15 |
17 | 2001-09-17 | -7.13 |
18 | 1931-09-24 | -7.07 |
18 | 1933-07-20 | -7.07 |
20 | 1914-07-30 | -6.91 |
今回の記事では、ダウの1日の最大下落率について振れました。
20%下落って、恐ろしいですよね。
上に書いたような20%下落の数字の捉え方は自由ですが、投資に慣れてきて、自分なら割とうまくやっていけると過信が出てきたときほど、こういう過去の数字に恐怖して身を引き締めるのもいいと思います。
では次回の記事では、不況時の最大下落率について振れていく予定です。