分散投資のやり方を掘り下げて考えてみる。

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もしも投資の授業があったとして、1学期の最初で習うことがあるとすれば「分散投資」だと思います。

どんなに将来有望な企業が1社あったとしても、自分の全ての財産をその1社の株に捧げるのはとてもリスクが高いです。その1社が急に倒産してしまった場合には、冗談ではなく「全てを失う」ことになります。

そうならないためには1つの株に集中投資しないで、複数の株や株以外の資産に振り分けて投資する分散投資はとても重要な考え方です。

ここまでの話であれば投資の初心者でもかなり知っている内容だと思うので、この記事の後半では投資を数年経験した人でも「ふ〜ん」と思ってもらえるように、安定したリターンを得るためにどんな分散の方法・考え方があるかを少しばかり掘り下げていきます。

やや長い記事になりますが、興味あるところだけかじって読んでもOKです。

いろいろある分散投資のやり方

  • 【時間の分散】購入するタイミングをずらして、割高な時に全ての投資資金を一気に使わないようにする。
  • 【銘柄の分散】銘柄数を多く持ち、個別企業の業績悪化に備える。
  • 【資産クラスの分散】株以外の資産にも分散して、株が不調な場合に備える。
  • 【シナリオの分散】新型コロナウイルスが再流行する場合に伸びる株、再流行しない場合に伸びる株のどちらにも投資して、どんな展開でも一部の株はリターンが得られる工夫をする。

分散投資をするとどうしても好調な株と不調な株がでてきて平均的なリターンに落ち着くので、急激な資産上昇がなくなるデメリットはありますが、うまく分散することで長年安定したリターンを手にすることができます。

時間の分散


最初に取り上げる分散の仕方は、1度に投資資金を使い切らないで複数回にわけて投資をする「時間分散」です。

せっかくの投資資金を一度の投資で全て使わず、複数回にわけて投資することで高値で株を掴んでしまうリスクを軽減することができます。

1回目の投資の後に株価が下落して「しまった!高い価格で株を買ってしまった」と思っても、2回目以降の投資では安くなった株を買うことができるメリットがあります。

そもそもですが、サラリーマンで投資している人は意識しなくても時間分散を実践しているしている場合が多いと思います。

サラリーマンは毎月の収入がだいたい決まっているので、「毎月一定額を投資に回す」などのルールを決めていれば、自然と毎月1回の投資タイミングができ、時間分散の投資ができているはずです。

銘柄の分散


「分散投資」といった場合には、通常は複数の銘柄に分けて投資する「銘柄の分散」を意味します。

複数の銘柄に投資する目的は、ある銘柄で大きく株価下落をした場合でも、資産全体に及ぶダメージを和らげるためです。

「何銘柄くらいに分散させれば良いか」を気にする人もいますが、銘柄数は10〜20くらいあれば良いと思います。

10〜20の数字に特に根拠はないですが、10銘柄に分散していれば株価がゼロになっても資産全体の10%の下落で済むからです。20銘柄なら、1社倒産のダメージは5%で大したダメージを受けなくて済みます。

ただし、個別銘柄を買って分散投資をする場合、銘柄数を増やす取引のたびに手数料が取られて非効率になるので、分散しすぎには注意しましょう。

さて、ここまでは「基本中の基本」の話ばかりだったので、ここから少しだけ分散の話を掘り下げていきます。

インデックス投資はかなり優秀な商品

そもそもですが、株で安定したリターンを得たいなら株式インデックスを購入するだけで良いと思います。

S&P500などの株式インデックスに連動する商品(VOO,SPY,IVVなど)を買えば1回の米国の500社に一気に投資できるので取引手数料も安上がりです。もっと幅広く3500社以上の米国株に投資できるVTIなどもあります。

また、時価総額が大きいほど保有比率を増やす仕組みを採用しているS&P500などのインデックスは、株価の変動に対してリターンが大きくなるように理論的に設計*されているので、株の下落幅を抑えつつ、リターンを狙うことができます。

(*現代ポートフォリオ理論をかじると、S&P500などのインデックスが変動を抑えつつ高いリターンを目指すように設計されていることがよくわかります。)

地域分散という考え方

また銘柄の分散に近いですが、複数の国の株に分けて投資するという考え方もあります。

今でこそ日本人投資家の間でも「海外株なら米国株」や「S&P500やナスダックの動きに連動する商品(ETF)を買っておけば正解」のような考え方が広まっていますが、それは2010年代の米国株が好調だったからこそ広まった考え方です。

それ以前の2000年代を振り返ると、当時はBRICs(ブラジル・ロシア・インド・中国)やその他の新興国の株のリターンが先進国を圧倒していて、「S&P500のインデックス一択でOK」という人はいませんでした。

2000年代は新興国株が大きなリターンを出した

この背景にあるのは、2000年代は「先進国がITバブル崩壊やリーマンショックの2度の危機を迎えた一方で、新興国はグローバル化の恩恵を受けた時代」、2010年代は「歴史的な金融緩和が米国の株高を引き起こした」という時代の流れです。

時代の流れを意識して、投資する国の分散を行うのも良い分散の仕方だと思います。

資産クラスの分散


株式インデックスなら効率的に投資ができると言いましたが、インデックスでも大きく資産が下落してしまう場合は残念ながらあります。

特に景気が悪化している場合には、ほとんどの銘柄が下落します。このような場面では、どんな株を持っていてもダメなものはダメです。

あらゆる株が下落する景気後退期をどう乗り切るのかを考え始めると、景気が悪化に向かう局面では株以外の資産にも分散させる発想に至ります。株以外の代表的な資産クラスの具体例は国債などの債権や、ゴールドなどの商品です。

国債やゴールドでどのように景気後退の株下落に備えるかは以下の記事にまとめましたが、結論を一言でいうとインフレを伴わない景気低迷なら国債に分散投資し、インフレを伴う景気悪化ではゴールドへの分散投資が有効です。

インフレが進むかどうかわからない場合には、国債にもゴールドにも分散投資させてもOKです。実際に、私はこの方法で2020年前半のコロナショックのダメージを小さく済ませることができました。

2020年前半は国債とゴールドへの投資で、下落幅を小さく抑えるができた

資産クラスの分散の注意点は、できる限り景気悪化している時だけ株以外の資産に分散させるようにすることです。

長期的には株のリターンが一番大きいので、景気拡大時でも国債やゴールドを持っていると株100%のポートフォリオにリターンで見劣りしてしまいます。

長期的には株のリターンが一番大きい

シナリオの分散


最後に紹介する分散の方法は、今後の市場の動きが見通せない時に私がよくやる方法です。

今後の展開で2つのシナリオを想定して、そのどちらのシナリオにも投資をするというやり方です。わかりにくいと思うので、具体例をあげます。

株価が底をつけるか・2番底を試すか

2020年3月にコロナショックで下がった株が反発する動きが見られた時、2つのシナリオを考えました。

  • 【底打ちシナリオ】2020年3月で株価が底値になり、今後は上昇するシナリオ
  • 【2番底シナリオ】2020年3月末で株価は一時的に上昇したあと、さらに大きく株が下がるシナリオ

この2つのシナリオのうちどちらを決めつけないで、【底打ちシナリオ】だった場合を考えて余裕資金の一部で投資しつつ、【2番底シナリオ】だった場合にも備えて、資金を一部温存します。

この他にも、「今後アメリカでインフレになる場合に備えてゴールドを保有」しつつ、「低インフレ&低金利で株に有利な環境が続く場合に備えて、米国株にも並行して投資」などもやっています。

「新型コロナウイルスが秋・冬に再流行する場合に備えて、コロナに強いハイテク銘柄を保有残しつつ」、「コロナの再流行が来ない場合にも備えて、コロナで打撃を受けた株の回復を見込んで買い進める」など、今後の展開がどっちに転んでも良いようにいくつかシナリオを想定して投資しています。

さいごに

この記事では、分散投資のやり方・アイディアについて掘り下げていきました。

1発で大当たりを狙う集中投資のような高いリターンは分散投資では望めませんが、じっくりと時間をかけて資産形成をするなら分散投資は必須の技術だと思います。

投資をはじめた頃は、時間と銘柄の分散くらいしか意識していなかったのですが、色んな分散があることを投資しながら学んだので、まとめて紹介しました。


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