3月中旬にアメリカでは銀行の預金が大きく引き出される動きが見られました。
FRBや財務省が週末も休まずに矢継ぎ早に対応策を打ち出した理由がわかる内容になっていますので、ここで触れておきたいと思います。
この記事のポイント
- シリコンバレーバンクが破綻した週の銀行の預金データが公開された。
- 小規模な銀行は過去に例をみないほど大規模な預金が引き出された。
- 中小の銀行の預金引き出しが落ち着くまでは、定期的に預金流出が続いていないかデータを確認するの良いかも知れない。
このブログは少し短めにはなりますが、銀行の預金流出を自分で調べたい人向けにその情報源を共有する意味でも書いています。
私が注目しているのは小規模な銀行の預金額です。信用不安が起こった場合には小規模な銀行から預金が引き出されるはずなので、その動きを見るには良いと思います。
FRBから小規模銀行だけにかぎらず、あらゆるデータを見たい人は以下で調べられますので、参考にしてください。
>>FEDERAL RESERVE statistical release(FRB)
小規模銀行で大規模な預金引き出し
シリコンバレーバンクが破綻した週に、銀行の預金がどれだけ引き出されたかのデータがFRBから公開されました。
少し驚くような内容だったのは、小規模な銀行の預金額の変化です。
シリコンバレーバンクの危機が訪れてから預金を引き出す動きが殺到したのか、3月15日までの1週間で(小規模な銀行の中では)過去最大規模の預金が引き出されたようです。
出典:FRED
今回の3月15日週では、サブプライムローン問題やリーマンショックの頃を大きく上回る預金が減少が起こっています。
財務省のイエレン長官やFRBは今回の件ではかなり迅速に動いていましたが、小規模な銀行で過去に見なかった大規模な預金減少が起こっていたことを当時の当局者は知っていたのかも知れません。
それなら、必死になって迅速に銀行救済に動いた理由もうなづけます。
今後のデータについて
投資家としては、3月中旬に見られた銀行の信用不安が収束に向かっているのか、今も続いているのかが気になるところです。
今回見てきた小規模な銀行の預金データは1週間くらい遅れて発表されるので、このデータで短期投資がタイムリーに状況を把握するには使えませんが、中長期の投資家が問題の進展を確認するには参考になる気がしています。
今後もしばらくの間は、小規模な銀行の預金データをチェックしてみようと思います。