年初の記事でも書いたとおり、デルタ航空の株は2022年は有望だと思っています。
今後数年間大きな成長が見込める上に、それほど割高ではないからです。
そんなデルタ航空の21年第4四半期決算(10-12月期)が発表されたので、確認していきます。結果も今後の業績見通しも悪くなかったようです。
この記事のポイント
- デルタ航空の2021年10-12月期は売上も一株利益も予想を上回る好調だった。
- 北米や南米は既にコロナ前の8割まで売上が回復。ヨーロッパ便も回復傾向が見られた。
- 2024年までに2019年の利益にまで回復すると見通しを示した。今後3年間は急速な利益成長が見込めるため、投資価値がある。
予想より良かった2021年10-12月期
2022年10-12月期のデルタ空港の業績は良かったです。売上も一株利益も予想を上回る内容でした。
- 売上:$9.47B(予想$9.29B、前年比139%)
- 調整後一株利益:0.22ドル(予想0.15ドル)
以下にデルタ航空の売上を四半期ごとにグラフにしてみましたが、順調にコロナ前の状態に向かって回復しているようです。
2019年10-12月期と比べて、76%まで復活しています。
ただ、売上のわりには営業利益が伸びていないのは少し気になります。
決算発表を聞いてみると「2021年の最後の2週間は新型コロナウイルスのオミクロン株で業務が混乱し、税引前で8000万ドルの利益が影響を受けた」と言っていたので、これがなければもう少し利益は大きかったようです。
ヨーロッパ路線の回復傾向が続く
路線別の売上を見ていると、既に米国内路線とラテンアメリカはコロナ前に比べてマイナス約20%のところまで回復しています。
21Q4 | 売上(B:10億) | 2019年比 |
---|---|---|
米国内路線 | $5.95B | -22% |
ヨーロッパ路線 | $0.62B | -53% |
ラテンアメリカ | $0.56B | -20% |
アジア太平洋路線 | $0.11B | -81% |
また、ヨーロッパ路線はまだ2019年の売上の半分ほどしか回復していませんが、以下の図をみるとこの数ヶ月は最も回復著しい路線なので、今後に期待が持てます。
ちなみに、アジア便はほとんど回復していませんが、売上規模が小さいので全体に与える影響は小さいはずです。
今後のデルタ航空の業績について
決算発表では色々と気になる情報がいくつか聞こえたので、以下にまとめました。
- 決算発表までの過去7日間で、オミクロン株などの影響でキャンセルしたフライトは全体の1%のみにとどまった。
- デルタ航空の医療チームは、アメリカでのオミクロン株の感染者数は数日でピークを迎えて急減すると予想。社員の感染者数を見る限り、既にその傾向が見られている。
- 2021年の最初の60日間は赤字が出るが、2月のプレジデントデーの週末頃から需要が回復し3月単月は黒字になる。1-3月期は2022年唯一の赤字の決算になる見通し。
- 2024年までに2019年の業績を上回る予定
アメリカでのオミクロン株による感染拡大があと数日でピークを迎えるというのは、興味深い話です。
上でも見たようにオミクロン株が流行しているときでもフライトはキャンセルせずに飛び続けられるので売上は落ちませんが、業務が混乱して損失が拡大することがわかっているので、感染が落ち着いた後の利益回復に期待がかかります。
投資家としてはいち早く利益がもとに戻って欲しいところですが、デルタ航空の見通しではコロナ前の利益に戻るのは2024年頃を見込んでいて、やや時間がかかるようです。
しかし、それでも現時点の利益が小さいので、今後3年間は急速な利益成長が見込めます。
以下の図のように、2024年に無事にコロナ前の一株利益($7.31)を上回れば、その頃にはPE(PERのこと)は約5倍にまで下がっている計算になるので、デルタ航空は今はお買い得だと思います。