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安全に投資できるチャンスが広がったデルタ航空【20年10-12月期決算】

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航空業界は新型コロナウイルスで最も打撃を受けた業界です。

すでにどの航空会社も業績は底を打って回復期に入っていたようなので、今後はコロナさえ収束すれば、業績はコロナ前の水準に戻っていくはずです。それを見越して航空株も2021年に上昇すると思っています。

ただ、どの航空会社を見ても、まだ大きな赤字を抱えていて、投資するには不安があると思います。「投資している最中に倒産して、株が紙切れになってしまわないの?」という疑問を持つのは投資家として健全です。

その点、この記事でふれるデルタ航空は最新の決算を見る限り、倒産のリスクは限りなくゼロになったと私は考えています。しかもコロナ前の株価に回復すると期待するなら、株価の上昇余地はまだ+50%もあります。

この記事ではデルタ航空の決算を振り返り、資金繰りの問題はほぼ解決されて、かなり安全に投資できるようになった点を確認していきます。

この記事のポイント

  • デルタ航空の2020年10-12月期の決算は利益が予想には届かなかったが、前期から業績は着実に回復していることが確認できた。
  • 業績回復とコストカットで、デルタ航空の手元の現金が減る速さはかなり小さくなった。今のペースなら現金がなくなるまで約4年も余裕がある状態になった。
  • コロナ直前まで株価が回復するなら、株価の上昇余地はまだ+50%もある。デルタ航空は比較的安全にリターンを期待できる投資になった。

予想に届かない決算でも、業績の改善が見られたデルタ航空


2020年10-12月デルタ航空の決算の売上を利益を振り返っていきます。今期は売上は良かったものの、一株利益では事前予想を下回る結果に沈んでしまいました。

  • 売上:39.7億ドルで、予想を3.8億ドル上回った。(前年比マイナス65.3%)
  • 一株利益:マイナス2.53ドルで、予想を0.08ドル下回った。(前年は+1.70ドル)

売上は依然として前年比でマイナス65%、しかも赤字で業績は決してよくありませんが、それでも過去の業績と比べると売上も利益も改善している様子が見て取れます。

業績の内訳を見てみると、アメリカの国内線とラテンアメリカへの国際線で売上の改善が見られていたことがわかります。

上の図の中で、特に重要なのはアメリカ国内線の回復です。売上規模を見てみると、かなり多くの割合をアメリカ国内線で稼いでいるので、今後もこの売上がどれだけ早く回復するかがデルタ航空の業績の鍵を握ります。

20Q3 売上 前年比
米国内路線 $2.23B -71%
大西洋路線 $0.16B -88%
ラテンアメリカ $0.23B -67%
太平洋路線 $0.08B -87%

そして、アメリカ国内線の回復の鍵を握るのは、アメリカでのコロナ収束です。いまだ収束どころか、拡大の拡大を止めることすらできていないのですが、2021年のどこかの時点でに新規感染者数が減少していけば、デルタ航空の業績の回復も加速するはずです。

アメリカのコロナ感染拡大は依然として続いている

出典:worldometers

倒産のリスクが限りなくなくなったデルタ航空

今回の決算を見る限り、デルタ航空の倒産リスクは限りなく小さくなったと思っています。

この決算では売上と利益以外にも、デルタ航空の「現金が減るスピード(キャッシュバーンレート)」という重要な数字が発表されました。この現金の減るスピードが大幅に改善された結果、このままのペースならデルタ航空の手元の現金がなくなるまでに1400日(約4年)という状態に入りました。

例えるなら、手元に4年分の生活費がある状態です。そんなに簡単には破産しなさそうだという感覚がわかると思います。

デルタ航空の現金に関する発表

  • 2020年10-12月の現金消費スピード(キャッシュバーンレート)は0.12億ドル/日だった。3月末比で90%減、7-9月期と比べても50%減の大幅削減に成功した。
  • 12月時点でデルタ航空の手元の現金は167億ドル。このペースなら、現金の枯渇する日まで1400日(約4年弱)余裕がある

さすがに4年以内にはコロナを克服して黒字化できるはずなので、航空業界の中ならデルタ航空は比較的安全に投資できると思います。(デルタ航空と同じくらい資金繰りが安定している米航空会社は、私が知る限りサウスウエスト航空くらいです)

しかも、未だにデルタ航空の株価はコロナ前よりも低く取引されているので、ゆっくりと業績の回復と株価の上昇を眺めることができます。

今のデルタ航空の株価は約40ドル、これがコロナ前の60ドルに戻るなら50%分の上昇余地があります。株価回復に2年かかったとしても、年間25%のリターンは悪くない投資です。


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