10年ぶりのタピオカブーム
2019年は10年ぶりのタピオカ人気で沸いています。一部の店舗やワゴンカーだけでなく、喫茶店やコンビニでも売られている、と思いきやよく見てみると「在庫切れのため販売中止」の文字が並んでいます。
これはいわゆるブームというやつですね。都内の女子大生に限れば86%がタピオカを飲んだというアンケート結果もあり、10代から60代の男女1700人に対するアンケートでも32%はタピオカ好きと回答しているほど、浸透しつつあります。
来年2020年あたりには、またブームの火は去ってしまうのかも知れませんが、ともあれ1度でもこうした世の中全体に広まるためには、「全人口の16%に支持される必要がある」という有名なマーケティング理論があります。
名前も有名なので聞いたことがある人もいるかも知れません。「キャズム理論」という理論です。
16%の人が買ったらブームに
詳細は他のサイトに任せるとして、ここでは理論のポイントだけ抑えることにします。
キャズム理論から得られる結論をこの記事向けにかなり簡素化して書くと、「世の中に広まる流行を作るためには、流行に敏感な16%の人の支持を得る必要がある。その16%の壁を突破すると、大多数の一般人68%にも流行が徐々に普及して、大きなブームをつくることができる」というものです。
割合 | |
---|---|
流行に敏感な人 | 16% |
一般人 | 68% |
ほとんど流行に乗らない人 | 16% |
本当のキャズム理論は、上のような3段階に分けるのではなく、流行の乗りやすさで5段階にわけますが、そこまで細かくしなくてもここでは結論が変わらないので、3段階で話を進めます。
※ちなみに一般人の割合が68%で、ピンと来た人は高校の数学で統計をちゃんと勉強した人です。一般人の割合が68%とは、正規分布で1σ(標準偏差)の誤差に収まる人の割合です。
上の3段階の人の割合は、実は学力偏差値と同じ考え方で算出されています。実は、学力偏差値60より大きい人は成績上位16%、偏差値40から60の人は真ん中の68%、偏差値40より小さい人は成績下位16%になるように偏差値は算出されるのですが、これと全く同じ計算方法で分類したのが、上の表になっています。
キャズム理論での流行に敏感な人とは、いわば「流行偏差値60以上の人」のような扱いの人です。そう言えば、昔の小中学校でも流行に敏感な人がどのクラスにも数人いましたよね。具体的には40人クラスで、6から7名の流行に敏感な人達が何かをやりだすと、残りの30人弱にもジワジワと浸透し、流行に乗らない頑なな人も6-7人にいるという理論です。
そして、2019年時点でのタピオカについていうと、10-60代で既に32%の支持があるので、恐らく実際に飲んだ人も16%以上いてブームになっているものと思われます。
株のブームは近いのか
さてさて、かなり長い前置きになりましたが、そろそろタイトルのテーマを回収したいと思います。
ここまでに、ブームを作るためには人口の16%の壁を突破する必要があることをお伝えしてきました。私は株に投資しているわけですが、一般の日本人も株で資産運用をするような株ブームが来るのかどうかを、これから見ていきたいと思います。
以下のサイトから日本人で株式投資をしている人を調べると2018年時点で、なんと12.6%だともあります。
この数字を初めて見た時、「お、なかなかいい数字。16%の壁を突破するまで、あと数%か」と思った私は、ちょっと甘かったかも知れません。
上のサイトは、3年に一度調査を行っているようなので、過去3回分の日本人で株の資産運用をしている人の割合を出してみました。(※日本株でも、海外株でも良いとしています。)
その結果がこちらです。
調査年度 | 株を投資している割合 |
---|---|
2018 | 12.6% |
2015 | 13.0% |
2012 | 13.5% |
なんと調査を繰り返す毎に投資をしている人の割合が減少していることが解りました。現時点の12.6%の株運用者は確かに、ブームの壁を破るまで残り数%ですが、過去数年の傾向を見る限り、そのブームは残念ながら遠ざかっていることがわかります。
一般の日本人が投資に乗り出すのは、まだまだ道が程遠いことがわかります。また、16%の壁が遠ざかっているというのは、投資をしている身からすると残念な結果ではあります。
また、海外株を投資する割合は年々増えているようですが、株で運用している人でも10人のうち数名と聞いたことがあります。米国株投資が一般の人が広まるには、残念ながら、まだまだほど遠いのが現状です。
ただ裏を返せば、2019年時点で米国株の投資をしている人は、実は日本では流行の先端にいるかも知れません。流行を作る人はいつも、まわりなんか気にしないで自分の道を進むといいます。
私は2013年に深い考えもなしに米国株を始めて後から良さに気づいたタイプなので「自分の道を進む人」ではないですが、周りでやっている人がいようといまいと、自分が信じたアメリカ株の投資する方はすごいなと思います。