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2020年コロナ不況、アメリカで最も短かった景気後退に。

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アメリカの景気後退(不況)は、新型コロナが世界的な広がりを見せた2020年3月から始まりました。

この景気後退がいつ終わったかについてアメリカは発表していませんでしたが、ついに「2020年4月で景気後退が終了していた」と正式に発表がありました。

たった2ヶ月の景気後退は、アメリカの経済史で一番短いものになりました。

この記事のポイント

  • 新型コロナウイルスで陥った不況は2020年3月に始まり、翌月4月には終わったと正式に発表があった。2ヶ月で終わった景気後退はアメリカ経済史で最も短いものになった。
  • 景気後退が終わったタイミングで投資をすれば安定して大きな利益が得られるが、今回もその通りになった。
  • 失業者がピークをつけたら景気後退の終わりのサインと見て投資を開始する方法は、今回も有効だった。

予想されていた短い景気後退


アメリカでは経済の専門家たちが集まる全米経済研究所(NBER)という団体が、景気後退(≒不況)が始まった時期と終わった時期を特定しています。

そして、コロナの不況は2020年3月に始まり、翌月4月には景気の底を打っていたとNBERは正式に発表しました。

冒頭でお話したように、わずか2ヶ月の景気後退はアメリカで最も短いものになりました。

これはある程度予想されていました。というのも、NBERは「20年3月に景気後退入りをした」と宣言した2020年6月の時点で、今回の不況が以前よりもかなり短いかも知れないと話していました。

しかしながら、たとえ以前までの不況よりも短かったとしても、前例のない規模の失業率と生産の悪化が経済全体に及んだことを考えば、この一連の出来事をリセッションとして指定することは正当化される。

(NBER声明文、太字は加筆)

そして、今回発表された2020年4月の景気後退終了をあわせて考えると、実際には景気後退入りを宣言した2020年6月には既に景気後退は脱していたことになります。

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景気後退の終わりで投資していた場合

さて、今回の景気後退の終わりが2020年4月だったと分かったら、投資家として何が嬉しいでしょうか。

もしも、2020年4月の時点からアメリカが景気後退を脱したことがわかり、米国株のS&P500に投資していたら、その後の約1年で+50%ほどのリターンを手にしていたはずです。

もしも20年5月にS&P500のETF(VOO)に1万ドル投資したら、21年6月には1.5万ドルに増えていた

問題は2020年4月にアメリカの景気後退が終わっていることをどうやって知れば良いかです。

公式の発表は景気後退が終わってから1-2年で発表されるので、それを待っていたら投資するタイミングを完全に逃してしまいます。

残念ながら、投資家は公式の発表を待たずに、自分で景気後退の判断をしなければなりません。

景気後退の終わりの判断の仕方については1年ほど前に以下の記事で書いたのですが、今回の景気後退でもこの方法がある程度有効だったようです。

たとえば、今回の景気後退は2020年4月に終わりましたが、月別に失業者数(新規失業保険の申請数)の変化を見てみると、ちょうど2020年4月に失業者はピークをつけて減少に転じていいて、タイミングは一致しています。

2020年4月にアメリカの新規失業者はピークをつけた

同じように過去の景気後退をさかのぼってみても、失業者のピークは景気後退の終わりの時期にほぼ一致します。

景気後退の終盤に失業者のピークが訪れる

出典:FRED

そもそも景気が底を打ったかどうかを決めているNBERもアメリカの雇用と生産が改善していることを確認して判断しているので、景気後退が終わるかどうかの判断に失業者数の変化を見るこの方法は理にかなっていると言えます。

さいごに


この記事では、NBERが2020年4月で景気後退が終わったと発表したことについて触れました。

しかし、投資家が景気後退後に安くなった株を買ってリターンを出すためには、NBERの公式発表を待っていては投資の機会を逃してしまいます。

いつ株に強気になって投資して良いのかを知るための判断材料として、失業者数がピークをつけたかどうかを見る方法は以前にもブログで紹介しましたが、今回コロナの景気後退でも当てはまったようです。

次に景気後退が訪れたときにも参考にしたいと思います。


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