コストコは投資対象として、かなり良い企業です。
売上と利益は毎年のように安定して上昇し、その株価は右肩上がりです。S&P500と投資のリターンを比較しても、この10年間はコストコが圧勝しているようです。
最近発表されたコストコの2020年9-11月決算も見てみましたが、この決算も絶好調でした。この記事では、コストコの決算を振り返って、その好調ぶりと好調の要因を見ていきたいと思います。
この記事のポイント
- 売上・利益ともにアナリストの予想を大きく上回る好決算だった。好調だった前期よりも、売上も利益も成長率が加速した。
- 好調な要因は、アメリカでの新型コロナウイルスの感染拡大で買い物需要が増えたため。なお感染拡大が続いていることから、2020年12月-2021年2月期も業績は好調だと思われる。
- 少し気がかりなのは、コストコの評価が高く、コロナ収束後にどの程度売上・利益が落ちるかが株価にあまり反映されていないように見えること。
もしも、この株に難点があるとすれば、既に結構この株は割高なことです。
コストコは着実に業績を伸ばすので、かなり好きなタイプの企業です。今は割高で投資をするタイミングではないと思っていますが、「今後安くなったら購入したいリスト」の中に忍ばせて、定期的にウォッチしたいと思います。
好調だったコストコ
2021年第1四半期(2020年9-11月期)のコストコの決算は、とても好調でした。
一株利益も収益も、アナリスト予想を軽く超えて堅調ぶりをアピールするような決算になっています。
- 売上:432億ドルで、予想を9.4億ドル上回る(前年比+16.6%)。
- 一株利益:$2.29で、予想を0.25ドル上回る。
- 既存店売上成長率:+17%
- オンライン販売成長率:+86.4%
コストコは前期も好調だったのですが、今期は売上・利益ともに前年比を見てみると、成長率が加速しています。
既存店舗・オンラインともに好調
コストコの好調・不調を見る上でとても重要な既存店舗の売上成長率を確認してみても、絶好調な数字を叩き出しています。
既存店舗の売上成長率は前期は+13.6%で絶好調だったと振り返っていましたが、今期はそれすら上回る前年比+17%でした。
また、新型コロナウイルスが流行してからオンライン売上が好調です。前期の前年比+91%ほどではありませんが、今期も好調を維持しました。
ここまで見る限り、かなり向かうところ敵なしのような強さを発揮しています。
好調な要因はアメリカでのコロナ感染拡大
コストコの好調な要因はとてもシンプルですが、新型コロナの拡大で商品の需要が増えているためです。
決算発表では、消費者がコロナで家庭内での消費を増やしていることを度々コメントしていました。
決算発表でのコメント
- 新型コロナの感染拡大が影響して、今期も食品、雑貨、健康・美容補助器具など家庭内の消費が好調だった。対照的に旅行事業やフードコートの売上は不調だったが、好調な製品が売上をカバーした。
- 感染拡大が著しい地域では、消毒スプレー、紙製品の売上の急増が見られた。
- 需要が伸びている製品の中には、在庫確保が追いつかないものもある。前年比で+50%、+100%で売上が伸びても、入荷すればさらに売れる商品すらある。
- オンラインでは特に食品が成長のエンジンになっている。今期は前年比で300%をオンライン食品で売り上げた。
202年12月中旬の現在でも、アメリカは新型コロナウイルスの感染拡大が収まっていません。12月16日の新規感染者数はわずか1日で約25万人にもなっています。
コストコの次の決算の20年12月-2月の業績までは、恐らく新型コロナの影響を受けて、コストコは好決算を出すと思われます。
コロナ収束後は恐らく成長率が下がるはず
気になるのは2021年3-5月期、2021年6-8月期と次第にコロナの収束が見られた時に、コストコの業績がどう変化するかです。
今期は一株利益が前年比で30%を超える成長をしていましたが、アナリスト予想では来年以降は一桁台に下がるようです。
現時点のコストコの割高度(予想PER:37)は、一桁台の利益成長率では維持できないと思っているので、今後1-2年のどこかのタイミングで株が売られて割高感が解消されれば、買いに行こうかと思っています。