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【新型ウイルス】焦点はいつ収束するか。成長率の引き下げ予想相次ぐ

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新型コロナウイルスのニュースが連日続いています。

私は相変わらず「長期的に見たら、新型コロナウイルスは米経済に大きな影響を与えない」と思っていますが、心配性な米国株市場は一時的な5-10%ほどの調整なら、いつでも起きそうな状態にある気がしています。

新型コロナウイルスの流行してから、世界の経済の専門家たちは2020年中国の成長率予想を引き下げ始めました。このまま悲観的な予想が多数派になると、一時的に米国株にも影響が出そうです。

この記事のポイント

  • 経済の専門家たちは、新型コロナウイルスを理由に中国の2020年成長率予想を引き下げはじめた。
  • 長期的には影響は限定的でも、短期的には経済が減速という見方が出てきた。
  • 争点はいつ収束するか。S&Pの予想は3月。バイロンウィーンが目安にしているのは4-5月。これらを過ぎると、新型ウイルスの影響は想定以上に大きなものになる。

SARS超えをした新型コロナウイルス

この記事を書いている2月10日時点で、株式市場にはまだ大きな混乱はありません。1日に1-2%下落するような日はありますが、まだ年に何回もあるような下落率です。

新型ウイルスは大した影響を与えないという認識があるようですが、新型ウイルスの影響は最初に思っていたものより、やや大きなものになる恐れも出てきています。

新型ウイルスの経済への影響の予想は、2003年のSARSの流行を参考にすることが多いのですが、SARSが猛威を奮った8ヶ月間の感染者数や死者数を、たった2ヶ月で超えたからです。

感染者数比較

感染者数(A) 死者(B) 推定致死率(B÷A)
新型コロナウイルス(2/9時点) 40,171人 908人 2%
SARS 8,273人 774人 9%
インフルエンザ 10億人/年 約25-50万/年 0.025-0.05%

※最新のデータはこちらのトラッキングサイトでご確認下さい。

中国と世界経済、一時的に落ち込む可能性

新型ウイルスの流行から2ヶ月が経って、世界の経済の専門家も経済へ影響を試算し始めています。S&Pは新型ウイルスの影響で、2020年の中国の成長率の予想を5.7%から5.0%に引き下げると発表しました。

S&Pの予想

  • 2020年の中国の成長率予想を、5.7%から5.0%に引き下げた。
  • ただし、2021年は前年の低迷からの反動で5.6%から6.4%に引き上げ。
  • 2020-2021年通算では従来どおりの成長率予想。長期的には影響はないが、短期で成長率が落ち込む。
  • 予想は3月までにウイルスを封じ込められることが前提。

また、イギリスの調査会社のキャピタル・エコノミクスの予想はもっと悲観的です。新型肺炎の影響で、2020年1-3月期の世界経済は2009年以来のマイナス成長になるといいます。

新型肺炎で1~3月、世界マイナス成長も 英調査会社(日経新聞)

長期的にはS&Pが言うように影響は少ないのかもしれませんが、短期的に世界の経済を減速させるという予想が増えているように感じます。

問題はいつ収束するか

1月に中国で新型肺炎の流行が加速化した時、米国株市場はまだ楽観的でした。この記事を書いている2月10日時点でも、まだ私も米国株市場もどちらかと言えば、楽観的だと感じています。

ただ、気をつけたいのは、人々の楽観が悲観に変わる展開です。

レイ・ダリオは大規模な災害だったとしても、最初は「大したことはないや」と過小評価された後に、今度は次第に現実以上に恐ろしいものだと過大評価される傾向があると言います。

レイ・ダリオ(1/30の発言)

  • 一般的には災害は最初は過小評価され、そして状況が進むと過大評価される。
  • 何が実際に起っているのか、何が資産価格に織り込まれているのかに注意を向けなければならない。

楽観が悲観に変わる時には、株の一時的な下落が起こる可能性があるかなと考えてしまいます。

また、レイ・ダリオが言うように「何が実際に起こっているか」を知るためには、今回の場合は感染者数(いつ収束するか)を見ることになりそうです。

この「いつ収束するか」の目安としては、バイロンウィーンが今後3ヶ月(4-5月)という言葉を残しています。

バイロンウィーン(1/31の発言)

  • ウイルスの影響が深刻になる前から、株価は調整がおこっておかしくない状態だった。今の調整はむしろ健全。
  • 今後3ヶ月で解決できるなら、今年の株式市場は大丈夫。

先程みたS&Pの予想では3月までに収束すれば新型ウイルスの経済への影響は年内で収まるというものでした。また、バイロンウィーンの予想では4-5月までに収束できれば年内の米国株は大丈夫と言っています。

これらの基準を目安に、「いつ収束するのか」に引き続き注目していきたいと思います。


参考記事:【新型コロナウイルス】世界中の患者数をトラッキングするwebサイト


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