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米市場の金利予想、2022年7月には利上げされる確率は40%

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今週、アメリカの金融政策を決める会議FOMCが終わってから、国債も株も値動きがいつもよりも大きくなっている気がします。

今回のFOMC後には、「2023年に2回分利上げされるFOMCメンバー予想したことに市場の投資家が驚いている」とか、「2022年末にも政策金利が上がるかもしれないという考えが中央銀行FRBの主要メンバーから出てきて、市場に動揺が見られる」という声もメディアで聞きました。

こういった話の中でふと思ったのですが、市場の予想では一体いつ頃、アメリカの政策金利は引き上げられると思っているのでしょうか。

この記事を書いている6月19日時点で金利の先物市場の様子を調べてみましたが、意外にも2021年7月にも1回以上の利上げがあるという予想が40%近くもありました。

この記事のポイント

  • 金利先物市場の投資家の予想では、2022年7月に政策金利が少なくとも1回上がると予想する確率は37%にも登る。
  • 実はかなり前からこうした予想は市場で見られていた。今から2ヶ月前の4月の時点でも同程度の確率で、金利引下げが予想されていた。

市場は既に2022年の政策金利引き上げ予想も視野に入れ始めている


歴史を振り返ってみると、政策金利の引き上げはさまざまな景気後退(≒不況)の引き金になってきました。

このブログでも金融緩和の縮小として債権の購入を減らしてもまだ気にしなくていいのですが、政策金利が引き上げられたら、さすがに米国株の保有比率を下げることを検討し始めなければならないと言って注目をしています。

>>【関連記事】米金融政策に変更なし。6月のFOMC後も投資スタンスはしばらく変わらず。

金融政策を決めるFRBの発表だけ追いかけていると、FRBはまだ2023年に政策金利の引き上げがあると考えているようですが、市場はFRB予想よりも早く2022年夏から金利引き上げがあるかもしれないと警戒しているようです。

CMEのサイトから市場の金利予想を調べると、2022年7月のFOMCまでに少なくとも1回利上げされるとの予想は37%もありました。

利上げがあるかもしれない確率が40%弱というのは、そこそこ高い確率です。何か1つイベントが起これば、過半数を超えて多数派になるところまで来ています。

いずれにしろ、FRBの予想よりも早い時期に利上げがある可能性を、市場は追っているようです。

「2022年7月の利上げ予想40%」は数ヶ月前から見られた

同時に今回CMEのサイト気になるデータも見つけたのですが、「2022年7月までに1回以上利上げされる確率」が40%前後まで上昇したのは今回が初めてではないようです。

2021年4月の段階でも、「2022年7月までに1回以上利上げされる確率」は同じく40%程度まで上昇していました。

すると冒頭に話した「2023年に2回分利上げされるFOMCメンバー予想したことに市場の投資家が驚いている」とか、「2022年末にも政策金利が上がるかもしれないという考えが中央銀行FRBの主要メンバーから出てきて、市場に動揺が見られる」という投資情報サイトでよく話される話は、少し怪しくなってきます。

そもそも市場は4月の時点から、市場の40%が「2022年7月頃には利上げするのでは?」と思っていたのなら、FRBが市場の予想よりもだいぶ遅い2023年の利上げ予想をしたところで、それほど驚かないだろうと思います。

私も今年2021年の2月に書いた記事で、「2022年半ば:FRBが金利引き上げ開始」と予想していたので、6月のFOMCで2023年の利上げ予想が出たところで、「ずいぶんとゆっくりだな」としか思いませんでした。

※金利引き上げ時期を予想した記事(2021年2月14日)

ただ、6月のFOMCの結果を受けて、市場の金利予想が前倒しされたことは確かです。

それで市場が動いているようにも見えるので、FRBが何を発表したかだけではなく、FRBの発表を受けて市場の金利予想がどう変化したかを追いかける必要も出てきたのだろうと思います

CME Fed WatchツールはWebブラウザのお気に入りに登録して、毎月1回くらいの頻度でアクセスしておいたほうが良いかもしれません。

※上記サイトを使った市場の金利予想の調べ方はこちらの記事で解説しています。


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