不透明な景気の中、強気派が増えているゴールド
金(ゴールド)への投資は配当金もない上に、株よりも少し値動きが大きいので少しやっかいなのですが、それでも先行き不透明な経済の中で、金への投資に強気な姿勢を見せる人々が増えています。
そんな中で米大手銀行のシティは、2011年に付けたゴールドの最高値1921.17ドルを今後1-2年以内に超えて、2,000ドルに到達すると予測しています。
1-2年以内にゴールドは2000ドルに到達か
シティ銀行のアナリストは、金の価格が長期的に強気に推移し、1-2年で2000ドルを超えて史上最高値を更新する予想をしています。
金に強気な理由としてシティが上げているのは次の3つです。
- 現時点で低水準な金利が今後さらに長期的に低下すること
- 米中の貿易の緊張の影響を受けた世界的な景気後退のリスク
- 地政学的不和の高まり
また、アメリカの政策金利については、最終的にはゼロになると見ているようです。金利がそこまで低水準になれば、もともとゼロ金利の金の価値が相対的に上がることになります。
個人的には、金に投資したタイミングが悪く、この1週間は毎日のように値を下げていたので、こうしたゴールド投資への楽観論が聞こえるというのは、ちょっとした安心材料にはなります。気休め程度でも、耳心地は良いです。
投資家マーク・モビアスも金投資を推奨
モビアス・キャピタル・パートナーズを経営するマーク・モビアスも、金に強気な投資家のうちの1人です。
2019年には世界中の中央銀行が金融緩和を再開した年になっていますが、マーク・モビアスによると、この傾向は今後も長期的に続くと予想しています。
モビアスによれば、今後は金利引下げだけでなく、世界的に紙幣を大量に市場に注入する政策が取られることを予想していて、紙幣の価値が下がるため、金が有望な投資先だと見ているようです。
「実物の有形資産の需要が出てくるだろう。それには金も含まれる。金は資産としてだけではなく通貨としても役割を果たし得るからだ」とブルームバーグのインタビューで語っています。
金を投資する際には10%程度に抑える
さらに、モビアス氏は「投資家はポートフォリオの10%程度を金現物で保有すべき」とのアドバイスをしています。
さらっと大事なことを言っていますが、10%というのは割と妥当なラインだと私も思っています。
これから金がどんどん上がると思っていても、30%や40%と金の保有を増やしていくと、金の特徴である大きな価格変動のせいで、資産全体の評価額の変動が大きくなってしまうからです。
また、金は株よりも変動が大きい割に、リターンは株のほうが大きいです。なので、通常はそこまで意識して金を組み込む必要すらないと思われます。ただ、今の景気の状況はゴールドが買われやすい環境ができあがりつつあるので、投資の旨味はありそうです。
なので、ゴールドの値上がりのチャンスを取りに行くなら、資産の安定性を考慮に入れて10%程度ゴールドを組み込んだ上で、半年から1年に1回10%の保有率に調整するためのリバランスを行って、金の価格変動の波を抑えるのが良いかなと思っています。