中国の2019年10-12月期のGDP成長率が発表になりました。事前の予想通り前年比で6.0%成長をして、事なきをえました。
2019年は中国の不振が目立つ1年になりましたが、2019年通年でもGDP成長は6.1%成長を達成して、目標にしていた6.0-6.5%におさまっています。
この記事のポイント
- 2019年第4半期のGDP成長率は、予想通りの6.0%成長。
- 2019年通年では6.1%成長で、年間目標6-6.5%を達成。
- ただし、2018年6.6%成長からは大幅に鈍化。年間GDP成長率としては29年ぶりの低水準になった。
- やはり気になるのは、今後中国が緩やかに経済成長率を下げていく「ソフトランディング」を続けるのか、ハードランディングする恐れはないのか。
中国29年ぶりの低迷したGDP
既に上に書いた「この記事ポイント」で全て言ってしまった気がしますが、2019年の中国GDP成長率の結果を軽く触れておきます。
- 予想:2019年4Qの成長率6.0%(前年比)
- 結果:予想通り6.0%成長を達成。2019年通年でも6.1%成長で、目標値6-6.5%をクリア
まとめると、「2019年4半期は予想通り」、「2019年通年のGDP目標も達成」、でも「2018年の6.6%成長から大幅鈍化で29年ぶりの低迷」という感じです。
2020年のGDP目標値はまだ発表になっていませんが、2019年後半から中国は製造業を中心に景気が底打ちしている兆しがあるので、2019年のような大幅な鈍化はしないかもしれません。
アナリスト予想では「6%前後」という曖昧な目標になるのではないかと言われています。「6%前後」という言い方だと、5.6%-6.4%までを意味するのでしょうか。
2020年3月に発表されるので、こちらもチェックしてたいと思います。
中国の経済で気になるポイント
米国株に投資している身としては、中国の経済は特別注意して見なくても良い気はします。米中貿易戦争とか、アメリカと中国の安全保障だとか難しい話はいっぱいありますが、端的に米国株投資家として中国をみるポイントは1つだと思っています。
「中国の経済が急速に悪化(ハードランディング)することはあるのか」です。
中国の経済の急減速の可能性は、まったく煙のないところから言っている話ではありません。
世界の国では、生産年齢人口が減少に転じて数年後に大きな不景気に見舞われることがあります。そして、中国も既に2012年に生産年齢人口が減少に転じています。
以下の表を見てもらうとわかると通り、日本もアメリカもこの生産年齢人口が減少して数年後に、大きな金融危機に見舞われています。
国 | 生産年齢人口ピーク | 不景気 |
---|---|---|
日本 | 1989年 | 1991年(バブル崩壊) |
アメリカ | 2005年 | 2007年(サブプライム) |
中国 | 2012年 | – |
このデータ通りにいくと、中国も1度大きな景気の低迷があってもおかしくないです。
私が上のデータを知ったのは、2015年にチャイナ・ショックと呼ばれる中国株の下落の時です。それから中国は政府と中央銀行で、なんとか景気対策で景気が崩れるのを防いでいるように見えます。
このまま中国はショックを起こすことなく緩やかな景気減速(ソフトランディング)をすることができるのか、それとも世界を巻き込んで大きなショック(ハードランディング)を起こしてしまうのかは、この数年ずっと気になっています。