なんだか、中国の景気が宜しくないようです。
米中の貿易協議で発動している関税の影響は、アメリカでは直接影響する製造業の見通しが悪化している程度で消費は健全ですが、中国では製造業も消費も成長が鈍化し始めています。
そんな中、中国の李首相は今後は6%のGDP成長率維持も困難になるとの認識を示しています。
- 中国李首相、今後の6%のGDP成長率は維持困難になる発言
- 中国、鉱工業生産指数は17年ぶりに低水準
- 中国、小売成長率も下げ止まらずに悪化
景気低迷が深刻化する順番はドイツ、ヨーロッパ全体、日本、中国、アメリカだと私は思っています。
2019年は米中の貿易戦争のゴタゴタでだいぶ景気サイクルの時計の針が早まったようにも思うのですが、景気の数字を見ている限り「〇〇年ぶりの低水準」が一番目立っているのは、ドイツと中国です。
当初、貿易戦争が原因でアメリカも2020年から2021年にも景気後退入りするかとも言われていましたが、アメリカ以外のヨーロッパ、日本、中国の景気が低迷し、その影響を受けて世界展開しているアメリカ企業の不振から、数年以内にアメリカも景気が減速する展開もあるのかなという気がしています。
中国首相が今後の6%台の経済成長の維持は困難と発言
中国の李首相は、世界の減速や自国主義な貿易の影響を受けて、今後6%のGDP成長率を維持することは難しくなると発言しています。
It’s ‘very difficult’ for China’s economy to maintain 6% growth, says Premier Li Keqiang(CNBC)
2019年のGDP6−6.5%成長率の達成が困難だという趣旨ではなく、2020年以降の話をしていると思われますが、よろしくない状況には変わりないです。
2019年上半期のGDP成長率は6.3%だったので、年間成長目標の6-6.5%は維持すると思われますが、30年ぶりに低水準だった上半期の成長率を2019年下半期ではさらに下回る可能性が高いです。
モルガン・スタンレーによれば、2019年の中国の経済成長率は6〜6.5%のGDP成長率目標の下限に近い水準になると言います。
中国鉱工業生産指数は17年ぶりの低水準
中国の製造業の景気を図る、8月の鉱工業生産指数は2002年以来の17年ぶりの低水準でした。
中国小売売上も下げ止まらず
小売売上高も下げ止まらず、低水準です。
アメリカでは中国との貿易戦争が直接影響する製造業が低調気味で、非製造業は成長が拡大していますが、そのような動きは中国には見られないです。
貿易戦争の影響が既に製造業だけでなく、中国の消費にも影響が出ているのか、それとも別の要因があるのかもしれませんが、成長スピードの鈍化はアメリカよりも中国のほうが顕著にみえます。
中国の政府は、8月に製造業や消費が低迷していることを知ってた、もしくは感じていた可能性があります。このタイミングで、貿易交渉で中国が米国に歩み寄りを見せるのも納得ができる内容です。