この記事では、21年12月末時点でどんな資産にまだチャンスがあるかを探っていきます。
実は約2ヶ月ほど前に同じような記事を書いたのですが、その頃と大枠はそれほど変わっていません。
ただ、この時点で書く内容なので、2022年に何に投資したら良いかを意識して書き直しています。
2022年にはアメリカの景気拡大も勢いが鈍るはずで、株価にとってはマイナスの政策金利の引き上げも予定されていますが、それでもまだしばらくは米国株は上昇すると思います。
この記事のポイント
- 米国株:まだ上昇する余地はある。2022年に3回の利上げなら耐えられるが、利上げペースが早まると危うい。
- 新興国株:長期的には今の米国株よりもリターンは大きい。ただ、中国株はまだ下がる恐れがあるので投資タイミングが難しい。
- 米国債:今は投資しなくていい。2022年の利上げで、まだ売られる可能性がある。
- ゴールド:インフレが過熱するなら魅力的。ただし、もう少しだけ米国債が売られた後のほうが、投資しやすい。
- コモディティ:インフレが過熱するなら魅力的。ただし、2022年のどこかでインフレがピークをつけたなら、売ったほうがいい。
- 暗号資産:2022年前半までは上昇する可能性があると思っている。ただし、ピークをつけた後は大きく下落するので注意。
このうち、私が投資している割合が大きい、米国株・新興国株・暗号資産を中心に思うところを書いていきます。
まだ上昇の余地がある米国株
アメリカの経済を見ていると景気拡大のペースが落ちるように見えるのですが、それでも今はまだ米国株はいくらか上昇の余地があると思っています。
市場の投資家は2022年3月には中央銀行FRBの利上げも予想されていて、たしかに利上げは株価にはマイナスなのですが、それでも私はまだしばらく米国株は上昇すると思います。
>>【関連記事】市場の米利上げ予想、2022年3月が多数派に。
まだ、米国株が上がると考える理由ですが、まず1つ目に利上げの効果はすぐに現れるものではありません。
過去のアメリカを振り返ると、何度も利上げした後にようやく株価の大きな下落が始まっていて、1回利上げしただけで大きく下落して大きな低迷期を迎えたようなことは、私の知る限りありません。
>>【関連記事】最初の利上げから景気後退までの期間は、思っているよりも長い。
それにFRBも米国の景気が十分強いからこそ利上げをするので、まだ2022年もしばらくは米国株の投資で良いと思います。
特に、2021年末から2022年始での追加投資を考えている人にとっては、まだ米国株で良い気がします。
ただし、FRBの動きにはかなりの警戒して投資する必要がありそうです。
今の米国株は低金利を背景に最高値を更新し続けていますが、インフレの高止まりが止まらずFRBが予想以上のペースで利上げに踏み切るようなことになれば低金利の時代が終わり、米国株は大きく下落する恐れがあります。
買い場ばまだだがチャンスは広がりつつある新興国株
現時点に投資をするならまだ米国株だという話をしましたが、他の国の株はどうでしょうか。
長期的にな割高/割安だけ見れば、米国株は割高が進んでいる一方で、新興国株は米国株に比べればかなり割安な状態が続いています。
以下のグラフは、新興国株(VWO)の株価をS&P500で割って、新興国の株の割高さを図にしたものですが、今は過去15年をさかのぼって一番安い時期にあります。
しかし、割安だからと言って今すぐ上昇するわけではないのが、株の難しいところです。
例えば、新興国株の中心に位置する中国株は景気があまり良くない上に不動産市場の下落も起こっていて、もしもこの下落が長引けば大きなダメージにつながる可能性があります。
>>中国新築住宅、主要都市8割超で値下がり 11月(日本経済新聞、2021年12月15日)
参考までに、リーマンショック時のアメリカを調べてみると不動産の価格が下落し始めたのが2006年4月、景気後退入りしたのが2007年12月、株価が底値をつけたのが2009年3月です。
今の中国の不動産の下落がリーマンショックのような事態になるかどうかはまだわかりませんが、問題が長引けはこれから中国株は数年は下落する恐れもあります。
安くなっている中国株ですが、安値を買いに行く場合でも1-2年は株価が浮上しなくても耐えられる覚悟で臨む必要があるかもしれません。
暗号資産について
最後に暗号資産(ビットコインなど)についてですが、こちらは私の予想以上に苦戦が続いています。
実は2020年5月から、私はビットコインは2021年に1000万円を超えると思うと言ってきたのですが、それは実現しませんでした。
これについては、2021年も2013年や2017年と同じように年末にピークが来ると思っていたことが間違いだったかもしれません。
ビットコインは4年おきに価格の上がり方が緩やかになり、価格のピークまでにかかる日数も伸びている傾向があるのですが、この傾向が続くならビットコインの価格のピークは私が思ってた2021年12月ではなく、もっと後なのかもしれません。
例えば、2013年から2017年にかけては下図のようにビットコインが価格のピークをつけるまでの日数が約150日伸びているのですが、2017年から2021年にかけても150日伸びるならピークは2022年3月頃ということになります。
ビットコインはもう少し様子をみたいので、しばらく投資を継続させたいと思います。
さいごに
ここまでその資産にチャンスがあるかについて米国株、新興国株、暗号資産を中心に見ていきました。
現時点で追加投資をするなら、米国株が有望だと思います。
新興国は割安なので長期的なリターンは米国株よりも大きいと思いますが、まだ苦戦する可能性が高いので買うにはまだ早そうです、もしも買うなら、1-2年は低迷覚悟で買うと良いかもしれません。ただ、この我慢の時間は長期的には大きく報われると思います。
暗号資産は不確実性が大きいので、誰にもおすすめできるものではありません。新規で投資するなら、失っても痛くない金額でやるのが良さそうです。うまくいけば、そのリスクは2022年に市場平均を超えるリターンとなってくれるはずです。
すでに暗号資産を保有している人にとっては、2022年はどの局面で売り抜けるかを考える年になりそうです。2013年や2017年の年末のような急上昇する曲線を描いてくれれば最後のひと上げとわかりやすのですが、そうなってくれるかはまだわかりません。
暗号資産を売り抜けても困るのは、次の投資先です。まだ米国株が有望なら米国株ですが、無理せず日本円でも良いかもしれません。
幸運にも日本はインフレがそれほど進んでいない国なので、現金で持っていても価値(購買力)はそれほど減らずに済むと思います。