予想よりやや軟調なものの踏みとどまった消費者の景気
アメリカの経済指標には、消費者の景気が良いか悪いかを図る指標がいくつかあります。その1つで消費者に景気のアンケートをしてデータを取っているコンファレンスボード消費者景況感指数の10月分の結果が発表されたので、その内容を見ていきたいみたいと思います。
その結果ですが、予想よりもやや低調な景気になりました。大きく落ち込んだ前月よりは少し回復しました。
- 予想:128.0
- 結果:125.9で予想を下回る(前月125.1に比べ改善)
全体の傾向を眺めると、2018年下半期に見られた好調さはないものの、まだまだ景気後退が近づいているようには見えない健全な状態を保っていると言えそうです。
アメリカ経済における個人消費の重要性
アメリカのGDPの7割が個人消費が支えているので、消費者心理が悪化すると、個人消費者やアメリカ経済の今後が怪しくなってきます。つまり、消費者信頼感指数は、アメリカの心臓部と言っても良い個人消費を占う上で重要な位置をしめます。
上で、見たコンファレンスボード消費者信頼感指数は、アメリカの経済団体や労働組合で構成されるコンファレンスボード(全米産業審議会)という組織が、毎月5000世帯の消費者に景況感をアンケートして結果を数値化したものになっています。
直近の消費者景況間の推移
さて、その重要な位置をしめる消費者の景況感ですが、どの指標でも2019年7-8月まではとても強い数字が出ていました。19年8月のコンファレンスボードの調査でも、絶好調と言えるほど消費者の景況感も強かったです。
しかし、その様子は9月に入ってから、少し様子が変わり始めます。上のグラフでも8月から9月にかけて急落していました。
米景気を支えてきた消費者の景況感が悪化。9月米消費者信頼感指数。
そんな中、注目が集まった10月の消費者信頼感指数が発表されました。結果は既に見たように、予想よりは悪かったものの、急落した前の月よりも上昇したことで「踏みとどまった」という印象があります。
「踏みとどまった」といっても、この結果はひとまず安心材料となりそうです。この発表の翌日には、アメリカは景気刺激のために更に0.25%の政策金利引き下げを予定していて、「踏みとどまって」さえいれば、利下げの影響も受けて再びアメリカの消費が回復するチャンスはあるからです。
なので、予想よりは下がりましたが、まずは前月の急落が継続しなかったことが、この発表の良かった点だと言えそうです。