昨日はアメリカのインフレを収まりつつあるという話をした後で、ケースシラー住宅価格指数の発表がありました。
残念ながら予想よりも住宅価格が上がってしまっていたのですが、その伸びにわずかに鈍化の兆しが見えているのは良い点でした。
一時期は価格の伸びが加速していたので心配していましたが、このまま行けばおそらく問題ないだろうと思います。
この記事のポイント
- ケースシラー住宅価格指数は7月分のデータが発表されたが、予想よりも上昇していた。
- しかし、前月比の伸びにはわずかに鈍化傾向が見られる。上昇する住宅ローン金利が価格上昇を抑えているのかもしれない。
- 7月にくらべて8月や9月は住宅ローンがさらに上昇しているので、住宅価格は伸びが鈍化することが予想される。
住宅価格は予想よりもやや伸びた
アメリカの住宅価格の動向がわかるケースシラー住宅価格指数の発表がありました。
このデータは発表が遅いので7月分のデータがようやく公開されたのですが、残念ながら住宅は予想よりも少し高い伸びを見せていたようです。
- 予想:前年比-0.15%
- 結果:前年比+0.10%
まず、良くなかった点から振り返ります。
2023年3月から前年比マイナスが続いていた続いていた、久々に前年比プラス圏に返り咲いてしまったようです。
2023年に入ってから住宅価格指数(伸びではなく価格指数そのもの)は2023年から上昇が続き、まもなく2022年につけた最高値を伺う展開になっています。
いくつかの安心材料も
しかし、2023年に回復を見せた住宅価格もわずかに価格の伸びが鈍化している傾向が見られます。
下の図を見ると前月比の伸びは少しずつですが、伸びは緩やかになっています。
ケースシラー住宅価格指数よりも先にデータが公開されている住宅価格指数(上図の青線)を見ても、前月比は緩やかに鈍化しているので、少しずつですが価格の伸びが収まるのではないかと期待しています。
住宅価格の伸びが収まる背景にあるのは、高い住宅ローン金利です。
7月の時点でも高かった住宅ローンは8月も9月も上昇を続けて、30年固定の住宅ローン金利は7.19%にまで上昇しています。
7月に住宅価格の伸びに少しだけブレーキがかかりましたが、8月も9月も高い住宅ローンを背景に伸びが鈍化していくのではないかと思います。
さいごに
7月のケースシラー住宅価格指数の伸びは前月比で年率+11%と高かったのですが、伸びの鈍化は見られました。
住宅ローンの金利が8月と9月で上昇していることを考えると、これからも住宅価格の伸びは鈍化すると見られます。
どれくらい鈍化すればいいかですが、2010年代の住宅価格の伸びは前年比5%程度だったことから、前月比年率でも5%前後に落ち着けば良いと思っています。
2ヶ月前の前月比13%(年率)から前月比11%まで低下しているので、住宅ローン金利の高さを考えたらそれほど時間がかからずに前月比も年率5%前後にまで落ち着く可能性はあると思います。