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2023年半ばから見られたアメリカ住宅価格の伸びは止まった。

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久々に住宅価格指数を見ていきたいと思います。

2023年半ばに一時期急な伸びを見せていたアメリカの住宅価格指数ですが、最近は伸びが緩やかになってきた印象があります。

住宅価格の伸びは山あり谷ありですが、大きな傾向としてはインフレは再燃していないという認識です。

この記事のポイント

  • ケースシラー住宅価格指数は予想を上回る伸びだったが、最近数ヶ月の前月比は着実に鈍化している。
  • 同指数は2023年半ばに前月比年率10%を超えるペースで伸びていたのでインフレ再燃も心配していたが、現時点ではそのリスクは小さい。
  • この傾向は消費者やPCEデフレータには遅れて反映されるはず。一時的に高い物価の伸びはあるかもしれないが、全体としてはまだインフレは再燃していない。

ケースシラー住宅価格指数

ケースシラー住宅価格指数の12月の結果が発表されました。

  • 予想:5.9%
  • 結果:6.1%
  • 前回:5.4%

結果を見ると予想よりも上回ってしまっているのですが、それほど悪い内容ではないと思います。

上のデータは前年比のデータです。2023年半ばに住宅価格が高い伸びを示した期間が含まれてしまっているので数字は高いですが、最近数ヶ月の前月比の伸びはちゃんと低下しています。

上の前月比の伸びのグラフを見ると、コロナ前を下回る水準にまで戻ってきています。12月は予想よりも伸びが高かったですが、それでもインフレは鈍化傾向にあると言えます。

賃貸価格も伸びていない

消費者物価指数(CPI)やPCEデフレータなどのインフレ指標では、住宅価格よりも賃貸価格に左右される傾向があるので、せっかくですので最近の賃貸価格の傾向も確認しておきたいと思います。

上のグラフはZillowという会社が調べているアメリカの賃貸価格の伸び(前年比)を黄色線、一方で消費者物価指数の住居費の項目の伸び(前年比)を青線で示したものです。

このグラフの黄色線のZillow賃貸価格を見てみると、上で見てきた住宅価格とは違って2023年に大きな伸びは見られずに安定していました。

また、黄色のZillow賃貸価格指数を追いかけるように、消費者物価の「住居費」も低下している傾向が見られます。

最新の1月の消費者物価のデータでは「住居費」は大きな伸びを示してインフレ再燃も頭をよぎる嫌な結果でしたが、やはり大きな傾向としてはインフレはまだ鈍化傾向にあるのだと思います。

>>利下げ予想がさらに後退した1月のアメリカ消費者物価

アメリカ経済は思いの外強いことは私も実感しています。しかし、だからと言ってインフレの再燃を心配する段階にはまだないだろうと感じる住宅価格指数でした。


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