最近の米国株は割高だと思っています。
まだ、「バブルではない」とかいう話は聞きますし、私もバブルではないとは思いますが、高くてなかなか買いづらい水準であることは確かだと思っています。
この記事のポイント
- 米国株は米国債に比べて割高感が増している。
- 超過CAPEレシオというデータで見てみると、利上げに耐えきれなくなって弱気相場入りした2018年や、世界金融危機の景気後退入り前(2007年)と同程度の割高な水準
投資先に困る現状
数日前のブログで、今の時期に投資できるものが本当に少ないという話をしました。
それは米国株についても言えます。
このブログのタイトルに「米国株投資」とつけていますが、この記事を書いている時点で私はこの米国株に投資していません。
理由は米国株が割高であると感じるためです。
割高ならすぐに下がるわけでもないし、むしろ株式市場に勢いがあるなら割高でもどんどんと買われることも多いのですが、いずれどこかで行き過ぎの修正がかかるはずです。
また、行き過ぎが度合いが強ければ強いほど、修正の規模は大きくなります。現時点でどの程度の行き過ぎが起こっているかを確認したいと思います。
株の割高水準
ここでは株の割高の尺度として、10年米国債と比べた時のS&P500の割高/割安さ(超過CAPE利回り)を見ていきます。
このグラフは下に行くほど株が割高(国債安)、上にいくほど株安(国債高)になっていることを示します。
現時点ではグラフは下の方(株が割高)に位置していて、なおかつ2018年6月や2007年6月と同低度の水準にきていることも確認できます。
2018年6月や2007年6月の時点の後の米国株に何があったのかを思いつくでしょうか。何も見ないで、答えがわかる人はかなり米国株に精通していると言えます。
まず、2018年6月以降のS&P500のチャートが以下です。
2018年6月はFRBによって利上げが行われていた時期で、利上げに耐えきれずに10月についにピークを付けて年末にかけて20%ほど株価が下落しました。
また、2007年6月は利上げこそ停止していましたが、今のように高い金利を据え置いたままの状態が続いていました。
その後、10月に株価はピークをつけ、12月には景気後退入り、翌年3月にはベア・スターンズ破綻、9月にリーマンショックへと向かっていきます。
今の米国株はこれらのイベントが後に起こった時と同低度の水準にまで割高になっていることは、どうしても気になります。
先ほども言ったように割高だからすぐに株の下落が来るわけではなく、2018年も2007年も数ヶ月は上昇が詩た後にピークをつけています。
また、2000年のITバブルのように超過CAPE利回りがマイナスになるまで振り切ってから株が下落するケースもあるので、まだまだ株高は続く可能性もあります。
ただ、今の段階でも割と大きめな調整をどこかで経験することになるだろうなと思います。
しばらく前に、バフェット氏のバークシャーの現金が過去最高の水準にまで積み上がったというニュースを聞きましたが、あまり株に積極的ではないのは頷けます、