ビヨンドミート、売上前年比3倍を維持【2019年4Q決算】

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少し時間がたってしまいましたが、ビヨンドミートが2019年第4四半期の決算を発表しました。

ビヨンドミートは肉を使わないで、味も風味も本物の肉そっくりの代替肉(人工肉)を提供する会社です。

まだ日本では認知度が低いですが、マクドナルドやケンタッキーも実験的にビヨンドミートを使ったメニューの販売を試すなど、注目度が上がっています。

今期の決算は、収益と利益のアナリスト予想は超えましたが、純利益の赤字転落、弱いガイダンスの発表など良くない点も見られ、決算発表後の時間外取引で株価は6%売られました。

この記事のポイント

  • 2019年4Q決算は、調整後利益も収益もアナリストの予想を上回った。
  • 純利益は前期の黒字から赤字に転落。生産能力の拡大プロジェクトでコストがかかった。
  • 2020年売上ガイダンスは2019年比+64%から+71%と弱かった。2019年は2018年比で+238%だった。
  • 需要があっても、生産能力が追いつかない状況が続いていたが、2020年年初で年間7億ドル相当の生産能力まで拡大できた。2020年末には10億ドルまで拡大予定。(※2019年売上は約3億ドル)
  • マクドナルドやケンタッキーで、実験的にビヨンドミートを使ったメニューを試めすだけでなく、20年2月にはスターバックス・カナダへのメニュー提供が決まるなど、大手レストランチェーンと提携を拡大。

売上ガイダンスについては、記事の中ほどでも触れますが、新規レストランとの提携が進めば上振れする可能性があります。

ただし、最近実証実験を進めているレストランはマクドナルドやケンタッキーなど、大手企業が多く、本格的な提携に進むためにはどうしても代替肉の生産能力が課題になってきます。

2020年末には10億ドル相当の生産能力まで拡大できるとしていますが、この規模拡大が大手レストランとの本格提携の鍵を握っていそうです。

売上は前年比3倍のビヨンドミート

2019年4Qの決算の結果を確認していきます。

  • 調整後一株利益:0.1ドルで、予想の0ドルを上回る。
  • 収益:9848万ドルで、予想の8152万ドルを上回る。(前年比+212%増加)
  • ガイダンス:2020年度の売上予想は4.9億ドル〜5.1億ドル(2019年度比+64%〜+71%)

このビヨンドミートの魅力はなんと言っても、売上成長率の高さです。前期に比べたら、成長率は下がってしまいましたが、いまだに前年比+200%(前年比3倍)以上のペースで売上成長しています。

また、上場から収益・利益ともにアナリストを超えている点でも評価が高いです。

今回は純利益では予想を下回り、調整後の利益で予想を超えるというギリギリの状態でしたが、毎回予想を超えています。

決算期 調整後利益 収益
19Q4 $0.01(予想超え) $98.48M(予想超え)
19Q3 $0.06(予想超え) $91.96M(予想超え)
19Q2 $0.08(予想超え) $67.25M(予想超え)
19Q1 $-0.13(予想超え) $40.21M(予想超え)

ガイダンスはかなり保守的だったビヨンドミート

今期の売上が+200%超えで成長しているのに、2020年の売上ガイダンスが64%成長から71%成長にとどまっていて、肝を冷やした投資家もいるかも知れません。

決算の電話会議でゴールドマン・サックスのアナリストがCEOに質問をして確認していましたが、ビヨンドミートはかなり保守的な売上ガイダンスの算出をしているようです。

マクドナルドやケンタッキーのような試験的にメニューを提供している顧客からの売上はガイダンスに含めず、既に本格展開している企業からの売上だけでガイダンスを組んでいるとのことでした。実際には上振れする可能性が十分にありそうです。

(※決算時の説明は、本格的な商品提供が決まったカナダ・スターバックス等は売上ガイダンスに含め、実験的にメニュー提供しているマクドナルドやケンタッキーは売上ガイダンスに含めていないとのことでした。)

前年比200%超えの売上を続けるのはさすがに、そろろそ難しいのかも知れませんが、新規顧客を捕まえてガイダンスを上回る売上を期待したいです。

再び純損失に転落

次に、収益・利益などの主要な数字を追っていきます。

単位100万ドル 4Q19 4Q18 前期比
純収益 98.5 31.5 213%
売上総利益(粗利) 33.5 7.9 324%
売上総利益率 34% 25% 9%
営業利益 -0.9 -7.1
純利益 -0.5 -7.5

売上の急拡大につれて、前年と比べて利益率が改善している点もかなり高評価です。

たくさん出荷すればするほど、1つの人工肉を作るコストが下がっていく仕組み(規模の経済)が働いているためでしょう。

今期の決算書に書いてある前年比だけ見ていると、利益が改善しているように見えるのですが、1点注意が必要な箇所があります。

前期まで純利益が黒字だったのに、今期は赤字に転落している点です。

利益が圧迫された要因については、電話会議で「人工肉の生産能力の拡大プロジェクトでコストがかさんだ」と説明がありました。

大手レストランとの提携で売上上昇

ビヨンドミートはスーパーマーケットに商品を納入して収益をもらう小売店販売と、スターバックスなどに提供するレストラン販売の2つの販売チャネルがあります。

今期はレストラン販売での売上を大きく伸ばしたようです。

最近ビヨンドミートが発表した内容(以下、スライド)を見ても、かなり大手レストランチェーンとの提携を次々と進めていることがわかります。

直近に発表したビヨンドミートの提供先

  • スターバックス:カナダ全域で代替肉の朝食サンドイッチを提供(2020年2月)
  • マクドナルド:カナダでの人工肉の試験導入店舗を拡大(2020年1月)
  • ケンタッキー:米国での人工肉の試験導入を拡大(2020年1月)
  • サブウェイ:カナダで人工肉を提供する店舗拡大(2020年1月)
  • デニーズ:米国・カナダで人工肉を提供する店舗拡大(2020年1月)
  • ダンキン:米国全域で人工肉メニューを提供(2019年11月)

世界展開している大手レストランがずらりと並びます。

一方で、販売国を米国やカナダに絞っていたり、試験導入の段階にとどまっているのは、どうしてもビヨンドミートの代替肉の生産能力が十分ではないからでは、と思ってしまいます。

マクドナルドやケンタッキーなどの大手が実証実験の規模を拡大している点をを見ると、顧客の反応は良さそうだからです。

2020年末にはビヨンドミートは年間10億ドル相当の代替肉を生産できる能力を得るようですが、マクドナルドやケンタッキーなどの大手企業からGoサインが出るほどの供給を確保できるかが鍵を握りそうです。


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