先日、世界中の通貨が安くなっている兆しがあるという記事を書きました。
S&P500が上昇した理由は、ドルの通貨安も要因か。
3月後半から4月の2週目までS&P500が上昇したのは、株高だけでなくドルの通貨安の影響があったかも知れません。ゴールドを基準に考えると、最近のドルはゴールドに対して下落、米国株も上昇しているもののゴールドに対しては上昇が緩やかになっています。
この記事の要点は、中央銀行と政府の大規模な景気刺激策で世の中にマネーが供給されて、通貨が安くなっている兆候が見られるというものでした。
もしもこの傾向が続くなら、投資用の資金を現金のまま保有していると価値が減ってしまいます。しばらく投資しない投資資金をどのように保持するかが課題としてあがってきます。
いろいろ考えましたが、投資資金を現金だけでもつのではなく「現金」、「ゴールド」、「新型コロナウイルスにも不況にも強い株(ディフェンシブ銘柄)」の3つにわけて保持しようと思います。
この記事のポイント
- 2020年に追加で買いたいと思っている銘柄は、ビザ・マスターカード・グーグル・フェイスブック。ただし、これらは新型コロナウイルスによる不景気の影響をまだこれからも受けるため、すぐには購入しない予定。
- しばらく待機が必要な投資資金は「現金」、「ゴールド」、「新型コロナウイルスにも不況にも強い株(ディフェンシブ銘柄)」に振り分ける。
- 景気が回復してくる頃にはディフェンシブ銘柄の旨味もなくなるので、そのタイミングで本来買いたかった銘柄に資金を移す。
2020年に買いたい銘柄
2020年でビザ・マスターカード・グーグル・フェイスブックの銘柄を買うタイミングを狙っていますが、まだまだその購入タイミングは来ていないと思っています。
ビザとマスターカードはクレジットカードの決済市場を2社で独占、同様にグーグルとフェイスブックはインターネット広告市場を2社で独占していて、長期的に高い利益率が見込める「経済的な濠」という特徴を持つ企業です。
経済的な濠については、もっと詳しく知りたい人はこちらで解説していますので、時間があるときに御覧ください。
経済的な濠とは何か。【バフェットも注目する投資の原則を解説】
バフェットも注目している「経済的な濠」とは何でしょうか。このブログの記事でも「経済的な濠」という単語は度々登場しており既に知っている方多いと思いますが、ここで改めてご紹介します。
ただし、2020年のビザ・マスターカード・グーグル・フェイスブックは、新型コロナウイルスをきっかけにした不景気の影響を受けて、長らく苦戦すると思われます。
2020年は新型コロナウイルスをきっかけに起こった不況で世界中で消費が低迷してるので、クレジットカード決済の金額が伸び悩んでいるようです。
また、あらゆる企業の業績が良くないので広告費を削る動きが出て、広告収入を収益の柱にしているグーグルやフェイスブックの業績も影響が出ると思われます。
なので、これらの企業は業績がしばらく低迷するので、まだ買うタイミングになっていないと考えています。
新型コロナウイルスの影響を受ける企業への投資は2020年4-6月期以降
ここで生まれる疑問は、新型コロナウイルスの影響を受けている企業はいつまで購入を待ったほうがいいのかです。
個人的にはどんなに早くても2020年4-6月決算が発表される7月までは待とうと思っています。
新型コロナウイルスが経済に与える影響は、4-6月期に最も大きくなるだろうと言われているからです。
たとえば、先日のジョンソン&ジョンソンの決算発表スライドでは、以下のように図解して新型コロナウイルスの影響を説明していましたが、ジョンソン&ジョンソンも4-6月期がもっとも大きな影響を受けると想定していました。
4-6月期の決算報告の結果を聴いてから投資を判断するなら、早くても2020年7月以降の投資になります。
投資資金は、現金・ゴールド・ディフェンシブ銘柄に分ける
多くの投資資金を数ヶ月から1年程度待機させるときに問題になるのは、記事の冒頭でもふれた投資資金を現金で置くことのリスクです。
このリスクをどう回避しようか考えていたのですが、「現金」、「ゴールド」、「新型コロナウイルスにも、不況にも強い銘柄」の3つに分散させようと思っています。
新型コロナウイルスにも不況にも強い銘柄は、具体的に次のような銘柄です。
投資資金の退避先として一時的に購入を検討している銘柄
- ウォルマート(WMT:スーパー)
- コストコ(COST:ディスカウントストア)
- ダラー・ゼネラル(DG:ディスカウントストア)
- ジョンソン&ジョンソン(JNJ:医薬品・日用品・医療機器の製造)
上にあげたスーパーや製薬業界ならば、新型コロナウイルスの影響が長引いてもダメージは少ないです。またこれらの企業は景気が悪くなっても、売上が安定しています。
通常、下落に強い銘柄ならマクドナルドなどが候補に上がってきますが、マクドナルドのレストラン店舗は新型コロナウイルスの影響を受けているはずなので、投資資金の退避先としては選びませんでした。
景気が浮上してくる頃にはスーパーや医薬品などのディフェンシブ株の旨みが消えますが、その頃には待望のビザ・マスターカード・グーグル・フェイスブックの業績が回復してくるはずです。
そのタイミングでゴールドやディフェンシブ株から買い替えて資金を移していこうと思います。
最後に
ちなみに世界中で新型コロナウイルスの影響が出ている今なら、新型コロナウイルスのワクチン開発会社に投資するのが、一番わかりやすくリターンが得られる方法かもしれません。
一応調べているのですが、以下のWHOの資料を見ている限り候補企業が多い上に、ほとんどのワクチン候補が臨床試験前の状態で優劣をつける情報が乏しく、絞りきれませんでした。
>>DRAFT landscape of COVID-19 candidate vaccines –11 April 2020(WHO)
もしも、製薬業界に詳しく、各企業のワクチンの試験の結果を精査できる投資家であれば、ワクチンをテーマに投資するのも良いと思います。
私には少々難しいので、わかりやすいビジネスを展開しているスーパー・ディスカウントストア、長年投資しているジョンソン&ジョンソンなどで良いかなと考えています。
2020年4月のどこかのタイミングはで、現金の一部を「金」や「ディフェンシブ銘柄」に振り分ける予定です。