2020年後半からビットコインの価格は急上昇を始め、2021年1月現在は歴代最高値を毎日のように更新しています。
一部の人からは「既にバブルのピークは近い」との声が上がり、ビットコインの投資を始めようかと検討する人からは「価格が上昇しすぎて、もう高くて買えない」という声も聞こえ始めています。
ビットコインの価格がまもなくピークをつけるのかという問題の正解は、後になってみないとわかりません。
ただ、過去のビットコインの価格の動きを見ていると、次の2つが起こる可能性が高いと個人的には考えています。
1つ目は「たしかにビットコインのバブル崩壊は2021年に起こる可能性が高い」ということ、2つ目は「ただし、バブル崩壊が起こるとしても、それは今ではなく、2021年半ばから年末にかけて」だということです。
この記事のポイント
- 2021年1月現在のビットコインの価格はまだ上昇したばかりで、まだ価格上昇は半年以上続きそう。
- 過去のビットコインの価格急上昇の後には、80%以上の価格下落をともなうバブル崩壊が起こっていた。
- 2021年半ばから年末にかけて価格急上昇が続いた後、バブルが崩壊して1年程度かけて80%程度の価格下落が起こる可能性がある。
ビットコインの価格上昇はまだ続きそう
最近のビットコインの価格は急上昇していて、まもなく価格はピークをつけて急落するのではないかと見てる人が結構います。
これらの人たちが言う「急落」がどの程度のものかわかりませんが、30-40%くらいの下落なら確かにいつでも起こりうると思います。価格変動が大きいビットコインにとっては、これくらいの下落は珍しいものではないからです。
でも、この程度の下落が起こったとしても、少なくとも2021年半ばまで、長くて2021年末まではビットコインの価格は上昇しやすい展開が続くだろうと私は考えています。
以下の記事では、「希少なモノほど価格高い」という前提をおいて、ビットコインの価格を予想しました。その結果、2021年5月まではビットコインの予想価格は上がり続け、1ビットコイン10万ドル(1ビットコイン約1000万円)くらいまで価格が上がるという結果が出ています。
ビットコインの価格が2024年までに数倍に上昇する仕組み。
過去のデータを見る限り、ビットコインは今後数年は価格が上昇する可能性が高いと私は考えています。この記事では、ゴールドやシルバーなどの貴金属の価格モデル(式)をビットコインに適用して、過去のビットコインの価格がこのモデルで説明できることを見ていきます。
このビットコインの価格予想では、そんなに的はずれなモデルでもないようです。以下のグラフで予想価格をピンク色の線で表示していますが、実際の価格(濃い紫色)の動きにかなり似ています。
そして、これによれば2020年からのビットコインの上昇はまだ始まったばかりで、2021年5月の10万ドルを目指して予想価格が上昇しています。その道はまだ半ばです。
過去の2回の半減期と比べても上昇規模はまだ小さい
ビットコインがまだバブルのピークに達していないと考える根拠はまだあります。過去2回のバブルに比べて、今回のバブルはまだ規模が小さいのです。
今回のビットコインの価格は、ビットコインの新規発行量が減って希少価値が高まる「半減期」と言われるイベント後に起こっています。
今まで半減期は2012年、2016年、2020年の合計3回起こっていますが、過去2回はバブルとその崩壊を経験しているので、まずはその規模を確認したいと思います。
2012年半減期後の動き
2012年後半の半減期では12ヶ月で価格が+9500%上昇してピークをつけたあと、14ヶ月かけて-80%下落しています。
2016年半減期後の動き
2016年の半減期からは17ヶ月かけて+2100%上昇してピークをつけて、そこから13ヶ月かけて-75%下落しています。
この時ピークをつけた2017年年末のバブルでは、テレビで芸人達がビットコインの話を盛んにしていたので、覚えている人も多いかも知れません。
2020年半減期後の動き
さて、上のグラフで2020年から始まったビットコインの価格上昇の様子を見てみると、過去2回とくらべて明らかに期間も上昇規模も小さいことがわかります。
もしも過去と同じような道をたどるなら、あと半年から10ヶ月は価格の上昇が続いてもおかしくないので、まだまだビットコインの価格上昇は続くのではと思っています。
ただし、その場合には、ビットコインの予想価格を大きく上回って価格が上昇し、その後にバブルが崩壊して少なくとも1年程度の低迷期に入るのだと思います。
さいごに
「既にビットコインは2021年1月時点で、バブルのピークが来ているのではないか」という声がいくつか聞こえてきているので、過去のデータを使って、バブルのピークが近いかを確認していきました。
結論としては、過去2回のバブルのような価格上昇は始まってはいるものの、その規模はまだ過去のバブルほど大きくなっていないので、ピークはまだ来ていない可能性が高いです。
過去の価格と同じような動きをするなら、価格は2020年半ば〜年末にピークをつけ、その後1年以上のバブル崩壊による低迷期を迎えることになりそうです。
ただし、『過去の価格と同じような動きをするなら』という前提は、当たり前ですがあまり過信してはいけない前提です。投資の世界では、予想外のことが起こるのは、珍しくないからです。
バブルのピークはまだ来ないはずですが、いつ想定外のことが起こっても良いように、下落時の対応は事前に何度もシミュレーションする準備は必要だと思っています。