5月も半ばになり、そろそろ4-6月期も折り返し地点が近づいています。
アメリカの景気後退がやってくるには来るには、まだしばらく時間がかかりそうだと言う話を最近のブログでしてきました。
一方で、3月に引火した銀行の破綻の問題はもう少しだけ長続きしそうな気配もしています。ここでは最近の市場を見ながら考えたことを、2つ3つ書いていきます。
この記事のポイント
- アメリカの景気後退はまだこなそう。景気後退になるには失業率が増加する必要があるがそれが見られない。
- アメリカの景気後退以外に気をつけておくのは、恐らく銀行。
- 銀行株はまだ反発せず、また預金も一時期ほどではないがズルズルと減っているのは、銀行破綻がまだ続きそうな予感をさせる。
アメリカのリセッションはまだ先
アメリカは景気後退に向かってはいるものの、その速度はだいぶゆっくりな印象です。
アメリカが景気後退にならずに持ちこたえている大きな要因は、失業率がなかなか上がらないことです。
過去20年くらいは、新規の失業保険申請件数が35万くらいに増えるとリセッションに突入しているのですが、まだ現時点でまだ26万人程度です。今のペースだと35万人を超えるまでにあと4-5ヶ月かかるというのは昨日の記事でも書きました。
>>アメリカの新規失業保険申請件数が増加傾向。このペースなら10月にリセッション入りか。
まだ時間的な猶予があるので、投資家の関心はまだまだリセッション以外のものに向かいそうです。
当面はまだ銀行の破綻に警戒か
当面、気にかけないといけないのはやはり銀行なのかもしれません。
銀行が立て続けに数社破綻した3月頃に比べると、今は状況は少し落ち着いているようにも見えますが、まだ不安材料は多いです。
S&P500やナスダック総合指数などの株式指数を見ているとなかなか気づかないのですが、銀行の株価は3月の急落以降もまだ反発できていません。
この様子だと、株式投資家は銀行の危機が去ったとは思っていないようです。
5月3日週までのアメリカの銀行の預金総額を見てみても、一時的の急低下ほどではないですが、今も預金の減少は続いていることが確認できます。
このような銀行株の反発が見られないこと、預金はまだ減少が続いていることを見ていると、銀行の混乱はまだ続くのだろうなと考えてしまいます。
恐らくどこかの銀行が破綻の危機になっても、どこか別の銀行や政府が救済をしながら対応するのでしょう。
そうして銀行に緊張感が走るほどに企業への貸出が厳しくなって、しだいに企業も苦しくなって人員削減が増えてリセッションに入っていく気もします。