さて、このブログはオーストラリア株ブログではないのですが、最近気になっている国の一つがオーストラリアです。
オーストラリアは1991年を最後に28年も景気後退期を経験していない稀にみる安定した成長国家なのですが、2019年6月4日には3年ぶりに政策金利の引き下げを発表するなど、ここに来て雲行きが怪しくなっています。
さらに中国への輸出依存度も高い国でもあるので、米中の貿易戦争が加熱して中国の景気が悪くなると、その影響を受ける国の1つでもあります。今がオーストラリアにとって泣きっ面に蜂状態にあります。
アジア通貨危機がタイから始まったり、EU債権問題でギリシャが問題になったり、危機は思わぬところから火がつく恐れがあるので、オーストラリアも一応気にかけてウォッチしています。
そのオーストラリアが政策金利を1.25%に引き下げた翌日の2019年6月5日、第1四半期のGDP成長率が発表になったので、その内容を見てみました。
ほぼ予想通りの前年比1.8%成長で、金融危機後最低水準
結果を一言でいうと、予想通り悪かったですね。GDP成長率は前年比1.8%成長ですが、これはオーストラリアの長期平均3.5%をたいぶ下回る数字になりました。金融危機後で最低水準です。
オーストラリア経済の失速は、消費支出が原因と言われています。家計の返済負担率が過去最高にまで膨れていている一方で、シドニーとメルボルンで住宅価格が下落しはじめ、消費者の資産が目減りしているので消費に消極的になっています。また、賃金の伸び悩みも家計所得を圧迫して需要に打撃を与えているようです。
RBCのエコノミスト、スーリン・オン氏によると、オーストラリア経済の弱い状況は今年いっぱい続く公算が大きいそうです。
米国株メインで投資している私の個人的で勝手な意見では、今年いっぱいで弱い経済状態が終わってくれるなら安心ですが、少なくとも今年いっぱい持ちこたえてもらいたい思いで眺めています。
別の記事で書いたように、私は次のアメリカの利下げでわりとまとまった額の米国株を売る予定ですが、先にオーストラリアなど世界のどこかの国で経済危機の火がついてしまって世界経済に暗い影を落とし、米国FRBの利下げが後追いする展開になると、利下げ時には既に株価が下落している展開がありえるからです。
オーストラリアについては、今後もゆるくチャックしたいと思います。
最後に脱線
ちなみに、ここからは完全に脱線話なのですが、オーストラリアの金利って思っていたよりもかなり低いなと感じました。2019年6月4日に金利1.25%に引き下げたと聞いた時に、オーストラリアではないどこか別の国の話か、はたまたヨーロッパの「オーストリア」と聞き間違えたか、すら感じました。
というのも、2007年頃私はFXをやっていてオーストラリアドルにも投資したことがあるのですが、その時の金利は確か7〜8%あり、当時は高金利の通貨として大変人気がありました。
それが今や1.25%だとは。2007年当時は「金利が7%だと仮定して、複利で運用したら30年後には…」と皮算用していましたが、ここまで金利が下がってしまったら投資プランは総崩れですね。為替の投資はやはり難しいですね。