[更新]アップル・ショック、その本質はiPhoneの販売不振と買換え周期の長期化。

  • yuta 
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アップルショックについて

少し前の話になりますが、2019年1月2日の市場がしまったあとの取引でアップルの株価が7.7%急落し話題になりました。アップルのティム・クックCEOが投資家向けにニュースレターを公開し、iPhoneの業績予想の下方修正を受けて、株価が反応したようです。

そもそも2018年11月の決算で発表された2019年度第1四半期のガイダンスは売上高890億〜930億ドルと、投資家の予想よりも弱気なものでしたが、今回の発表でそのガイダンスも下回る約840億ドルに引き下げました。

「ティム・クックからAppleの投資家への手紙」

売上現象の要因

売上予測を引き下げた要因について、要点だけまとめると以下になります。

  • 中華圏でのiPhoneの売上が予想に反して伸び悩んだため
  • iPhoneのアップグレード(買い替え)する人の数が伸び悩んだため
  • 中国圏での販売伸び悩み

    中国でのiPhone売上高減少は、米中が互いに輸入品に対して関税措置を掛け合ったこと(wikipediaでは米中貿易戦争という記事も上がっている現象)が見られた一時的要因と、景気サイクルから中国経済の不調が明らかになってきた2面があり、アップル以外の銘柄にも影響が及びそうなテーマが含まれています。中期的・長期的に下落局面を迎えるような展開もあるかもしれませんが、長期投資家としては下落に耐えつつ継続的に投資する、忍耐の問われることになりそうです。

    2019年1月30日追記:
    中国での2018年のスマートフォン出荷台数は前年比14%減の3億9600万台だったとcanalysは伝えています。中国では、2年連続の出荷数減で2013年以来5年ぶりの低い水準になったそうです。

    iPhone買い替え周期の長期化

    ティム・クックの発言でiPhoneの買い替えが想定よりも進まなかったことが売上予想を引き下げ要因になったとの話がありましたが、中国でのiPhone販売伸び悩みよりも、こちらのほうがアップルにとっては痛手かと思われます。

    具体的なデータはティム・クックから示されませんでしたが、2018年10月のウォール・ストリート・ジャーナルの以下の記事では、2年前は2.39年周期でスマホを買い替えていた一方で、それが2.89年に伸びており、近年のスマホの価格高騰につれて、買い替え周期が伸びたとしています。

    Upgrade? No Thanks. Americans Are Sticking With Their Old Phones

    iPhone依存のアップル

    アップルにとっては、iPhoneは売上の6割弱を占める大きなビジネスで、ここでつまずくことは小さくないダメージを負うことになります。また、iPhone以外の収益の柱を作るべく、2016年から2020年までの間に倍増させるという目標を立てているサービス事業もアップルの重要な一つの事業ではありますが、サービス内訳を確認するとアプリ配信「アップストア」や音楽配信「アップルミュージック」、アップル製品の延長保証「アップルケア」、モバイル決済「アップルペイ」など、基本的にiPhoneを前提としていることがわかり、やはりiPhone依存が高く、iPhoneの伸び悩みはサービスにも影響がでそうです。

    今後のアップルについて

    ただし、これでアップルが終わるかというとまだそれも違うと思っています。確かに、今のアップルにはスティーブジョブズ時代の革新性はすでになく、世の中に影響を与える製品・サービスを生み出す力は衰えています。その一方で、スマホに変わって人とコンピュータをつなぐ他のデバイスが世にないのも事実です。一時、EchoやGoogle Homeなどを始めとするスマートスピーカーが、スマホの次に来るデバイスかと思われた時期もありましたが、スピーカーも画面をつけるなどの発展を見せ、結局はスマホとスピーカーが統合される動きが世の中ではあり、この状況の中では携帯性をもつスマホがまだまだ優位なのは明らかです。

    また、私も15年以上Macを通じてアップルの製品に触れていますが、MacもiPhoneも今後も使い続けたいと思う独特の使いやすさがあり、他社製品に乗り換える気はあまりありません。マイクロソフトのオフィス製品と同じ状況ですね。マイクロソフト自体は90年代に一世を風靡した革新性はすでに無く、しばらく苦しい時代が続きましたが、みんな仕事ではワード・エクセル・パワポ(Office)を使い続けて、他のものに乗り換えられませんでしたし、マイクロソフトも存続し続けました。

    ちょっと脱線しますが、このOfficeは近年SaaSサービス(クラウドでの提供サービス)として打ち出して売り方を変えてからマイクロソフトは復活を果たし、2018年時価総額1位だったアップルを抜いて、再び1位になりました。私はアップルが取るべきこの状況の打開策として、マイクロソフトのOffice同様にiPhoneをサービス化すればいいのでは?と思っています。iPhoneのサービス化については以下2つの記事で詳しくお話します。

    次世代通信5Gで何が変わるのか。10年後はスマホを持たないサービス化の時代へ。

    スマホがサービス化する理由、そう結論づけるに至った考えの過程。

    まとめると、アップルは中国のiPhone売上鈍化とスマホ買い替え周期長期化によって、おそらく今後アップルは長期的に売上が落ちていくことが予想されます。しかし、一定のアップルユーザの買い替えに支えられて、一定水準で株価は下げ止まると思います。このトレンドはおそらく長く続くと思われるので、アップル株購入はまだ急がなくて良いです。