アップルのワイヤレス・イヤホンAirPodsがヒットしているようです。
昨年に比べて販売台数は去年の倍増で6000万台になる見通しだと言います。
アップルは会社としては、低迷するiPhoneの売上を補うために、動画・ゲーム・雑誌などの定額制サービスなどのサービス売上の拡大を目指しているところです。でも、決算をよく見るとワイヤレスイヤホンや時計など身につける製品(ウェアラブルデバイス)の売上がかなり好調です。
この記事のポイント
- 最新型AirPods proの好調もあり、アップルのワイヤレス・イヤホン販売台数は前年比倍増で6000万台になる予定。
- ウェアラブルデバイスの売上の成長率は、アップルの部門の中でトップ。
- 世の中にワイヤレス・イヤホンが急拡大している。GoogleやAmazonも新製品を2019年に発表した。
アップルAirPods、前年比倍増6000万台に
好調の要因は、2019年発売された最新ワイヤレス・イヤホンAirPods Proのようです。ノイズキャンセリング機能もつけて音質を改善するなど、高機能で高価格なハイエンドモデルを投入したのですが、生産が追いつかないほどヒットしています。
ブルームバーグの報道によると、アップルのワイヤレス・イヤホンの販売台数は前年比倍増の6,000万台にもなると言います。
増え続けるAppleのウェアラブル売上
この1年間アップルのウェアラブルデバイスの成長率はすこぶる好調でした。2019年後半にかけてウェアラブルデバイスの売上成長は加速しています。
売上高を見ると、ウェアラブルはiPhone、サービス、Macに次ぐ4位ですが、そう遠くない未来にMacの売上を抜いてアップルの中での売上3番手につけるはずです。
単位:100万ドル | 2019年第4四半期売上 |
---|---|
iPhone | 33,362 |
サービス | 12,511 |
Mac | 6,991 |
ウェアラブル | 6,520 |
iPad | 4,656 |
合計 | 64,040 |
ウェアラブル・デバイス部門のおよそ半分を占めるAirPodsの売上
AirPodsはモデルによって値段が違いますが、単価をざっくり2万円だとすると、年間6000万台売れているので、1.2兆円にもなります。ウェアラブル製品の売上は1年間でおよそ2.5兆円なので、ウェアラブルデバイス部門のおよそ半分がAirPodsでの売上になります。
アップルのウェアラブルデバイスの売上をAirPodsがかなり支えていることがわかります。
GoogleとAmazonもウェアラブルの流れに続く
さて、ワイヤレスイヤホンに流れがきていることは、ライバルのGoogleもアマゾンも気がついています。2019年にはGoogleもAmazonもこぞって、ワイヤスレイヤホンを発表しています。
Googleは10月15日のMade by Googleという新製品発表イベントの中で、ワイヤレスイヤホンPixel Buds2の発表をしています。
Googleのハードウェア戦略は順調に進行中。Made by Google 2019の新商品を一気に振り返り
Googleは10月15日に新製品の発表イベントMade by Google 2019を行いました。残念ながら日本ですぐに発売されるものは少ないものの面白いアイテムでいっぱいで、かなり興味がわきました。期待の意味を込めて、この記事でまとめて新商品やサービスを紹介したいと思います。
Amazonはワイヤレスイヤフォンと同時に、指輪型デバイスやメガネ型デバイスなどさまざまな製品を一緒に販売して、ウェアラブルデバイスの流れに乗ろうとしています。
Amazon、指輪型とメガネ型のEcho新製品を発表も、今ひとつ残念な理由
Amazonから指輪型やメガネ型のEchoの新製品が出たと聞いたとき、思わず胸が高まりました。指輪はRingのような指のジェスチャーに加えて音声アシスタントが使え、メガネ型デバイスはGoogle Glassのようなものを想像したからです。しかし、蓋を開けてみると想像していたものとはだいぶ異なりました。
人々に浸透しはじめたウェアラブルデバイス
かつて、アップルウォッチが2015年に発売されたの時、これからは「スマホの次はウェアラブル・デバイスの時代だ」と言われたことがありました。アップルウォッチは時計としては世界的にヒットしましたが、スマホの次を担えるほどのヒットにはなりませんでした。
2019年はワイヤレス・イヤホンが流行って、再びウェアラブル製品が注目されていますが、今の状況から見るにどうもウェアラブルデバイスは
スマホに置き換わるものにはならないだろうという気がしています。
スマホが出てきても、ビジネス文書作成・プログラミング・音楽映像作成でPCが使われ続けているように、次世代のデバイスが出てきても目的別に使い分ける世の中になる気がしています。
2019年に見えている目的別のデバイスの使い分けはこうです。
- ビジネス文書・音楽・映像・アプリ作成などのアウトプット目的 → PC
- webサイトみるインプット、SNSなどのコミュニケーション目的 → スマホ
- その他(健康データ収集、イヤホンや鍵などの周辺機器の操作) → ウェアラブルデバイス
うまくすれば、アップルはスマホとウェアラブル製品の2つで業界をリードする製品を長年維持できるかも知れません。
その他アップルの最新動向について
その他のアップルの最新ニュースとビジネス動向は、アップル企業分析ページでまとめています。詳しくはこちらをご覧ください。
【米国株】アップルの企業分析【投資家からの評価を上げている注目銘柄】
アップルという企業を知らない人はいないと思います。しかし、アップルが今何に取り組んでいて、なぜ株価が上がっているかを説明できる人は少ないでしょう。「アップルのビジネス動向(定性)」と「近年の株価と業積の変化(定量)」の両面を見つつ、アップルの今の姿を追いかけます。