2023年1-3月期のアマゾンの決算が発表されました。
1月から3月までの業績は予想されたほど悪くなかったと思います。ただ、アマゾンはクラウドサービスのAWSについて少し悲観的な発言が見られたことも影響したのか、決算発表後の株価の伸びは抑えられています。
この記事のポイント
- アマゾンの2023年1-3月期は予想されたほど悪い業績ではなかった。
- しかし、4月に入ってからクラウドサービスAWSの成長率が5%分鈍化したことが決算発表で伝えられると、決算発表直後の株価上昇のほとんどは失われた。
予想ほど悪くなかったアマゾンの業績
アマゾンの2023年1-3月期の業績は思っていたほど悪くなかったと思います。
- 一株利益:$0.31
- 売上:$127.4B(予想$124.5B)※Bは10億
まず、売上は前年比+9%でアマゾンの成長率としてはかなり控えめですが、それでもアナリスト予想は超えました。
また、前回の決算でアマゾンが発表していた1-3月期の売上見通しは前年比+4%から+8%だったので、それに比べたら今回の+9%成長は思ったほど悪くなかった決算になったと思います。
また、営業利益も復調しています。
さえない4月のAWS売上
ここまで見てきたように1-3月期の業績は悪くなかったので、決算発表直後には株価は急上昇しました。
ところがしばらくすると、株価は下がっています。
株価が下がっている時間帯から推測すると、どうも決算発表の場での発言に気がかりな点があったようです。
投資家が何を懸念したのかははっきりとはわかりませんが、個人的に気になったのはAWS(クラウドサービス)の売上が4月になって低迷しているというCFOの発言です。
予想された通り、1-3月期は厳しい経済状況に対応するように顧客はクラウドサービスの支出を抑える最適な方法を引き続き検討しています。この動きは4-6月期に入っても継続されており、4月の売上成長率は1-3月期よりも約500ペーシスポイント(5%分)低くなっています。
アマゾンのクラウドサービスAWSは業界でトップのシェアを誇りますが、その成長率は低下傾向にあります。2023年1-3月には前年比で16%にまで成長率が鈍化しています。
CFOの話によれば4月に入ってからさらにAWSの成長が5%分も鈍化したようで、それならば4月は前年比で約+11%までに落ち込んだことになります。
アマゾンの利益の多くはAWSが生み出しているので、投資家にとっては耳が痛い知らせになったようです。
というわけで、1-3月期の業績は悪くなかったのですが、利益の源泉になっているAWSが4月に低迷していることが伝えられて株価は伸び悩んだのかなと思います。
AWSは長期的には成長は見込めますが、今はアメリカ経済の下方圧力がかかっているようです。