家の中を歩き回るスターウォーズのR2D2やソフトバンクのペッパーのようなものになるのでしょうか。
ブルームバークは2019年4月の報道で、Amazonが家庭用ロボットを開発していると第一報を伝えましたが、その家庭用ロボットはスマートスピーカーを搭載して家の中を車輪で歩き回るものになりそうだとの続報を伝えています。
- Amazonは家庭用のロボットを開発中。コードネームはVesta(ベスタ)。
- ロボットはAlexaを搭載していて、声で呼びかけると近づいてくる。Alexaの機能も持っている
- ロボットにはカメラも搭載していて、物体認識もできる様子
- ロボットの背丈は腰の高さほどになると、内部に詳しい人間が伝えている
- 今年リリースを予定しているが、大量生産の準備はできていないとのこと。
- アマゾンのジェフ・ベゾスCEOは、帰宅したら掃除機のルンバにテープでアマゾンエコーが備え付けられていたのを見て思いついた(とInstagramに投稿している)。
日本では、既に数年前からソフトバンクが提供しているペッパーが世の中にあります。ただし、ペッパーの使われ方といえば、ショッピングセンターの店舗案内やイベント案内などが中心で、好奇心旺盛な子供には受けがいいですが、大人にはあまり見向きされていない印象があります。
最初は物珍しさからペッパーに話しかける人も多かったですが、ペッパーのできることが限られれていることを知って見限るドライな大人が多いようです。
さて、そんな前例のある家庭用ロボットですが、アマゾンが同じようなロボットを開発して、勝機はあるのでしょうか。
実際に販売してみないとわかりませんが、日本よりアメリカのほうがうまく行く可能性は高いかも知れません。アメリカでは、日本よりもずっとスマートスピーカーも受け入れられており、なおかつAmazon Alexaでできることも文字通り桁違いに多いからです。
アメリカではスマートスピーカーが受け入れられている
前の記事で、人口の16%の利用者を超えるとブームの兆しが見えてくる「キャズム理論」の紹介をしました。16%の流行の敏感な人に受け入れられると、68%の一般人にも徐々に普及しはじめてブームが形成されるというものです。
参考記事:こちらの記事でキャズム理論について解説しています。10年ぶりのタピオカブームに学ぶ、資産運用が一般人に普及するまでの壁。
2019年2月の電通デジタルの調査では、残念ながら日本ではスマートスピーカーを所有している人口は6%にも満たないですが、アメリカでは成人の4分の1がスマートスピーカーを使っていると言われています。アメリカではキャズム理論の16%は既にクリアしています。
スマートスピーカーのAlexa搭載のロボットも受け入れられやすい文化が既に出来上がっている点は、日本とアメリカの違いでもあります。
日本以上に多機能なアメリカのAlexa
また、ペッパーの最大の難点として「使ってみたら思いの外できることが少なかった」というユーザからの指摘がありますが、この難題も今のアメリカなら乗り越えられる可能性があります。ロボットに搭載されるAlexaができることは、アメリカでは年々膨大な数に膨れ上がっているからです。
2018年12月に日本版Alexaに追加できる機能(スキル)の数は2,000を越えたとニュースになっていましたが、同じ頃アメリカのAlexaでは追加できる機能の数はその10倍の25,000を越えていました。
最後に、ロボットが受けれられるために、意外に重要なのはロボットの見た目や形状かもしれません。私が卒業した大学には、人に親しみやすいロボットのデザインを研究する研究室がありました。彼ら曰く、デザインによって人がロボットに接する回数やその満足度に大きな違いが現れるようです。
現時点ではどのようなデザインになるかは公開されていませんが、各要素がうまく噛み合えば1家に一台エコーロボットが備え付けられる時代も来るかも知れません。