アップルの前CEOスティーブ・ジョブズが闘病に専念するためにティム・クックにアップルのCEOを任せることを発表した後、アップル社内の会議で最後の最後で「ちょっと良いか」と周りの話を遮って、開発中の音声アシスタントSiriに向かって話しかけたと言います。
スティーブ・ジョブズが退陣する最後の最後で、気にかけていたのは音声アシスタントだったという逸話が残っています。
(ただし、2019年に音声アシスタントで世界をリードしているのはAmazon、グーグル、Baiduです。ジョブズはこれを悔しい思いをしながら、空から見ているのでしょうね。)
世界のスマートフォンの売上台数は既にピークに達して減少に転じていて、「スマホの次は何が来るんだ」と言われていますが、私はずっと「PCもスマホも残りながら、音声アシスタントが普及する世の中が来る」と思っています。
それはまだまだずっと先かもしれませんが、世の中のあらゆるものに音声アシスタントが搭載される将来は近づいているように思います。Amazonは25日、音声アシスタントのアレクサを搭載した新商品を多数発表しています。
この中でも特に目新しいのは、指輪型のEcho Loopとメガネ型のEcho Frameです。
しかし、 調べてみると私が期待していた製品とはちょっと違いました。
非常に惜しいEcho Loop
まず指輪型のEcho Loopですが、こちらの動画で使っている様子を見ることができます。まずは、動画を見ていただきたいと思います。
う〜ん、実に惜しい!!!
なにか物足りない感じがしませんでしたか?
もうひと工夫すれば、指輪型のデバイスはもっと良いものになるのに、そのひと手間が致命的に欠けています。
どこが惜しいかというと、指輪の特性を全く行かせていない点です。なぜ指につけるアイテムなのに、声だけでコントロールしようとしたのでしょうか。
せっかく、指輪型の製品を作るなら、絶対に取り入れるべき機能があります。
ジェスチャーです。ジェスチャーを使った操作は、直感的に操作しやすく、次の動画を見れば瞬時に「これ!使いたい!!」となるはずです。
こちらはRingという製品のクラウドファンディングで資金を集めるために作られてコンセプト動画です。
実際に作ったRingは指輪が太すぎてイマイチだったそうですが、指輪型の製品にするなら、目指すべきコンセプトは音声アシスタント+指のジェスチャー機能です。
もしも、声だけでコントロールさせたいなら、ワイヤレスイヤホンで十分です。もしくは声の指示を受けつけるだけなら、ネックレスでもいいでしょう。
本当はこういうユーザの使い心地良い製品を作らせたらアップル(とのその背後にいるデザインチーム)に任せたら右に出るものはいないのですが、今のアップルは野心的な製品を作らなくなり、Amazonはユーザ体験をデザインするセンスがいまいちです。
こちらも非常に惜しいEcho Frame
ちなみに同じ指摘はメガネ型デバイスのEcho Frameにも当てはまります。
こちらのコンセプト動画でも英語のアナウンスで紹介されていますが、このメガネ型Echoはカメラ機能もディスプレイ機能を備えていないようです。
であれば、なんのためのメガネ型Echoなのでしょう。メガネの形でデザインした意図は何のためだったのか、いまだ理解が追いつかないです。
新製品の中ではアレクサ搭載ワイヤレスイヤホンが一番オススメ
ちなみに、アップルのワイヤレスイヤホンAir PodsのようなEcho製品も今回Amazonは発表しています。もしも、音声アシスタント機能をつけるだけなら、これ一択で良かったのではないかと思います。
今回は、指輪型やメガネ型のEchoの新製品が出たと聞いたとき、思わず胸が高まりました。
指輪はRingのような指のジェスチャーに加えて音声アシスタントが使え、メガネ型デバイスはGoogle Glassのようなものを想像したからです。
しかし結局音声アシスタントのアレクサを搭載させるだけなら、実はワイヤレスイヤホンだけで良かったのではないかと思っています。