アメリカでは2021年3月から本格的な景気回復が始まりました。
少し前を振り返ると2020年11月にファイザーが新型コロナウイルスに90%有効なワクチンを開発したと発表した時にも、世の中がパッと明るくなる兆しを感じました。
そして、今はその頃に思い描いた明るい未来がやってきています。
状況が少しずつ変化してきているので、投資もそれに合わせて少し変えなければならない思い、私も「アメリカの景気回復期待の恩恵を受ける銘柄」を少しずつ減らし、「景気のピークを過ぎた後でも耐えうる銘柄」に変更しつつあります。
そろそろアメリカの好景気のピーク後を見越した銘柄を検討したいと思います。
そろそろどこかのタイミングで保有している銘柄を変えていかないといけないと思っています。今までアメリカの景気回復を見越してた銘柄を多く持っていましたが、その景気回復は既に始まったので、これから変化していく経済に対応しないといけないと考え始めました。
上記の記事で投資の方向性は大雑把に書きましたが、この記事では2021年5月時点でどういう考えからどの銘柄を保有しているかをより具体的に書いていきます。
この記事のポイント
- 2021年3月以降の米国は「景気回復」「インフレ率の上昇」「長期金利の上昇」を予想している。
- 景気回復で恩恵を受けつつインフレにも比較的強い石油株・金鉱株、長期金利の上昇で金利利益が増える銀行株を普段より多めに保有している。
- 長期金利の上昇が行き過ぎた場合には割高な株ほど悪影響が出るので、できるだけ割安な銘柄を探して保有している。
なお、このブログを読んでいる人は、定期的にこの手の内容の記事を見ていると思います。たとえば、21年2月時点でも同じような記事を書いていました。
2021年2月時点の保有銘柄のねらい
現時点で保有している米国株の個別銘柄の狙いと、ゴールドやビットコインなどの米国株以外の資産を買っている狙いについて、このページでまとめて紹介します。
2月からの変更点は、景気回復初期に恩恵を受けやすい銀行株や小型株の保有を減らしたこと、業績回復の期待先行で既にかなり上昇していた航空株を売却したことです。
その代わり、景気拡大がピークをつけても売上が落ちにくいタバコ銘柄のアルトリア(MO)とブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI)、割安だと判断したフェイスブック(FB)、最悪期を脱したと思われるボーイング(BA)を購入しています。
- 2月以降に売った銘柄:JPモルガン・チェース(JPM)、バンガード金融ETF(VFH)、バイオデリバリー(BDSI)、バーテックス(VRTX)
- 2月以降に買った銘柄:アルトリア・グループ(MO)、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI)、フェイスブック(FB)、ボーイング(BA)、IBM
2021年に起こると思っていること
まず、保有銘柄の意図を説明する前に、2021年の今後にどんな変化が起こると思っているかを書いておきます。
2021年に起こると思っていること
- (1).コロナからの景気回復:2021年は世界で力強い景気回復が起こる。ただし、翌年以降の経済成長率は緩やかになる。
- (2).インフレ率上昇:アメリカのインフレ率は上昇し、原油・穀物・金属などの価格が上昇。
- (3).アメリカの長期金利上昇:景気が強くなれば長期国債は売られる(長期金利は上昇する)。この影響で割高な株ほど大きく売られる。
(3)の長期金利は既に2月と3月に上昇が見られて、株式市場が大きく下がる場面がありましたが、年内に同じような下落はまだ起こりうると思っています。
長期金利が上昇すると割高な株ほど下落しやすくなるので、できるだけ割高な銘柄にはあまり手を出さないようにしています。
>>【詳細記事】市場の動きから金利上昇に強い銘柄を探していく。
保有銘柄の意図
株の保有はいくつかのグループに分かれています。【コロナからの景気回復で恩恵を受ける銘柄】、【景気回復がピーク後を過ぎても利益を伸ばす企業】、【単純に割安だと思って保有してる銘柄】、そして【基本的に売らない超長期保有銘柄】です。
【コロナからの景気回復を期待する銘柄】については、以下の銘柄に投資しています。
コロナからの景気回復で恩恵を受ける銘柄
- エクソンモービル(XOM,石油株)
- シェブロン(CVX、石油株)
- バンガード・エナジーETF(VDE、石油株)
- フリーポート・マクモラン(FCX、銅・金の金鉱株)
- コモディティETF(GSG、商品)
- ウェルズ・ファーゴ(WFC、銀行株)
- トリアン・インシュアランス(TIG、保険株)
アメリカの景気回復のピークはまもなく来ますが、世界はワクチンの接種が遅れているので、まだこれから本格的な景気回復がやってきます。世界のエネルギー需要の増加で原油価格の上昇が見込める石油株を中心に投資しています。
また、アメリカでインフレが進むなら、石油株も恩恵を受けるはずです。またインフレに備えて鉱山株やコモディティETF(原油・金属・穀物などのあらゆるモノ)にも投資しています。
アメリカの長期金利が上昇するなら金利収入が増えるはずの銀行にも注目してウェルズ・ファーゴにも投資しています。ただ、銀行株が伸びるのは景気回復前半だと思っているので、既に株価が上昇したJPモルガンチェースや金融株ETFは売却しました。
景気回復のピークが近いか、すでにピークは過ぎたと考えられる場合には、これらの株の保有を減らすつもりです。
景気回復がピーク後を過ぎても利益を伸ばす企業
- アルトリア・グループ(MO)
- ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI)
- ロッキード・マーティン(LMT)
- ノースロップ・グラマン(NOC)
タバコ業界や軍需産業なら、今後アメリカの景気がピークを過ぎても業績に大きく影響しません。
特に、タバコ銘柄のアルトリア・グループとブリティッシュ・アメリカン・タバコは業績は安定しているのにかなり割安な上に高配当なので、長期的に保有できると思っています。
低迷中のタバコ銘柄に長期投資のチャンスが広がっている。
この記事では、多くの投資家の目線が短期的になっている中で、あえて長期投資でリターンを得るなら、どんな投資が選択肢にあがるか考えていきます。
単純に割安だと思って保有してる銘柄
- フェイスブック(FB)
- アリババ(BABA)
- アイビーエム(IBM)
- ボーイング(BA)
これらの銘柄は、比較的割安に見えるので保有しているものです。
フェイスブックとアリババは毎年しっかりと利益を増やしているので長期投資にも向いている銘柄です。
ボーイングは長く続いた低迷期を脱したと思ったので保有しています。一方で、IBMはまだ低迷期を脱したとは言い難いですが、2021年末に不採算な部門を切り離した後に成長路線にさえ戻れるなら割安だと思っています。
基本的には売らない銘柄
- コカ・コーラ(KO)
- マクドナルド(MCD)
- P&G(PG)
- ジョンソン&ジョンソン(JNJ)
- ウォルト・ディズニー(DIS)
- 3M(MMM)
- ウォルマート(WMT)
- ノボ・ノルディスク(NVO)
大きな株安が起こっても、売らずに長期保有を考えているのは上記の銘柄です。もしも何年も株価を見れなくなるようなバカンスに行くとしても、保有を続けるほど信頼している銘柄です。
ビットコインの狙いについて
こちらの記事でビットコインの価格予想をしていますが、今のところ予想した価格よりも下回っているものの上昇は続けているので、まだ売らずに保有を続けようと持っています。
今後の投資について
2020年からの株高を支えてきた大規模な金融緩和が今後どこかで縮小することを考えると、2021年はあまり積極的に米国株に取り組もうとは思いません。
今まで投資した米国株の利益を回収して現金を比率を高めたり、値動きの少ない生活必需品銘柄などに資金を移しつつ、米国株が下落してしまった場合のダメージを少なくしようとしています。
またビットコインについては、2021年内にどこまで価格が上がるかで対応を考えようと思います。
ビットコインの対応方針
- 2021年末の段階で損が出ていたら、売却して撤退。
- 2021年末で含み益が出ていたら、元本を回収して残りは長期的に放置。
- ビットコインの予想価格よりも2倍を超えて上昇したら、全て売却して税金を支払った後、再度投資機会を伺う。