2021年1月からアメリカの新型コロナウイルスの感染拡大ペース落ち、2月には投資家の間でも景気回復が予想が強まっているのを感じます。
景気回復は本来なら嬉しいことですが、米国株の投資家は無邪気にこれを喜べない事情があります。
コロナの影響で業績が低迷していた企業は景気回復で株価の上昇が期待できますが、景気が強くなると今まであらゆる米国株全体を株高に押し上げていたFRBの金融緩和策が縮小されるとの心配から、株価が下がる要因もあります。
株価の上昇要因も下落要因もあって、どちらの綱引きが勝つのか見極めが難しい時期にいますが、2021年2月末時点でどういう考えからどの銘柄を保有しているかをこの記事に書き残しておこうと思います。
この記事のポイント
- 2021年の米国は「景気回復」「インフレ率の上昇」「長期金利の上昇」を予想している。
- 景気回復で恩恵を受けつつインフレにも比較的強い石油株・金鉱株、長期金利の上昇で金利利益が増える銀行株を普段より多めに保有している。
- 長期金利の上昇が行き過ぎた場合には割高な株ほど悪影響が出るので、できるだけ割安な銘柄を探して保有している。
なお、このブログを読んでいる人は、定期的にこの手の内容の記事を見ていると思います。たとえば、21年1月時点でも同じような記事を書いていました。
2021年1月時点の保有銘柄のねらい
現時点で保有している米国株の個別銘柄の狙いと、ゴールドやビットコインなどの米国株以外の資産を買っている狙いについて、このページでまとめて紹介します。
1月と2月で投資の考え方に大きな変化はありませんが、保有銘柄をいくつか変えています。
「割高な銘柄は手放す」という方針に従って、グーグルの親会社のアルファベットやアマゾンを売却し、まだ割安なアルトリア・グループを購入しています。また、インフレに強い銘柄としてエクソン・モービルとフリーポート・マクモランにも追加投資しています。
- 売った銘柄:アマゾン(AMZN)、アルファベット(GOOGL)、ジェンマブ(GMAB)、シーゲン(SGEN)
- 買った銘柄:アルトリア・グループ(MO)、エクソン・モービル(XOM)、フリーポート・マクモラン(FCX)、コモディティETF(GSG)
2021年に起こると思っていること
まず、保有銘柄の意図を説明する前に、2021年の市場と経済にどんな変化が起こると思っているかを書いておきます。
2021年に起こると思っていること
- (1).景気回復:コロナが収束に向かうにつれて景気回復。コロナで株価を下げていた銘柄の回復が見込める。(ホテル・航空・石油株)
- (2).インフレ率上昇:景気回復が進んでアメリカのインフレ率は上昇し、原油・銅・穀物などの価格が上昇。
- (3).アメリカの長期金利上昇:景気が強くなれば長期国債は売られる(長期金利は上昇する)。この影響で割高な株ほど大きく売られる。
基本的には、今後のアメリカはコロナが収束するにつれて景気は回復するはずなので、コロナでダメージを受けていた銘柄を中心に株価の回復を期待しています。
ただし、長期金利が上昇しすぎてしまうと株価が下がる方向に力が働くので、できるだけこの影響を受けないように既に割高な銘柄にはあまり手を出さないようにしています。
>>【詳細記事】市場の動きから金利上昇に強い銘柄を探していく。
保有銘柄の意図
株の保有は次のグループに分かれています。【コロナからの景気回復で恩恵を受ける銘柄】、【今後も安定して儲けが見込める企業】、【単純に割安だと思って保有してる銘柄】、そして【基本的に売らない超長期保有銘柄】です。
【コロナからの景気回復を期待する銘柄】は、この1-2年で投資を回収する予定で、上で書いた「2021年で起こること」をかなり意識して投資しています。
コロナからの景気回復で恩恵を受ける銘柄
- エクソンモービル(XOM,石油株)
- シェブロン(CVX、石油株)
- バンガード・エナジーETF(VDE、石油株)
- フリーポート・マクモラン(FCX、銅・金の金鉱株)
- コモディティETF(GSG、商品)
- JPモルガンチェース(JPM、銀行株)
- ウェルズ・ファーゴ(WFC、銀行株)
- バンガード金融ETF(VFH、金融株)
- デルタ航空(DAL、航空株)
2021年は景気回復を背景に、原油などあらゆるモノの値段が上がりやすい年になると思います。この恩恵を受けるために、石油株や金鉱株に投資しています。また、銅や穀物などの商品価格の上昇を見込んで、これらの複数の商品に一度に投資できるETF(GSG)も保有をはじめました。
また、2021年は景気が回復して長期金利が上昇すると思っていますが、もしも金利上昇が緩やかなら金利収入を得ている銀行にとっては利益が増えるチャンスです。そのような考えから、いくつかの銀行株に投資しています。
コロナ後の外出の需要回復を見越して投資しているのは、デルタ航空です。この企業は破綻の危機はほぼないと判断して投資しています。他に資金繰りの問題を克服できたと見える企業は、サウスウエスト航空(LUV)・マリオットホテル(MAR)・ハイアットホテルズ(H)などがありますが、これらの企業は2020年夏から投資してだいぶ上昇したので、既に売却しました。
今後安定して儲けが見込める企業
- フェイスブック(FB)
- アリババ(BABA)
- バーテックス・ファーマ(VRTX)
- トリアン・インシュアランス(TIG)
- バイオデリバリー・サイエンシズ(BDSI)
これらの企業は毎年のように安定して利益(正確にはフリーキャッシュフロー)を増やしてくれる点を気に入って、保有しています。
以下の記事でお話したように、私はフリーキャッシュフローを今後も毎年のように増やす企業こそ買うべき企業だと思って投資しています。その信念通りに買っているのが、これらの銘柄です。
個別株の投資で重要なたった2つのこと
とってもシンプルに考えるなら、個別株に投資で重要なことはたった2つしかありません。【何を買うのか】と【いつ買うか】だけです。この記事では、長期で個別株で資産形成したいと考えている投資家に向けて、どんな銘柄をどのタイミングで買っていけば良いかを考えていきます。
アルファベット、アップル、マイクロソフト、ビザ、マスターカード、アドビ、ネットフリックス、ジェンマブなども良い企業ですが、割高になったので売却しました。
例年になく米国株は割高に見えるので、コロナでも株価の回復が比較的早かったアマゾンやグーグルなどのGAFAM銘柄は、2021年前半で売却して現金比率を高めようと思います。
単純に割安だと思って保有してる銘柄
- アルトリア・グループ(MO)
- ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI)
- ロッキード・マーティン(LMT)
- ノースロップ・グラマン(NOC)
これらの銘柄は「いつ上昇するのかわからないけど割安に見えるので、保有しているもの」です。
特に、タバコ銘柄のアルトリア・グループとブリティッシュ・アメリカン・タバコは業績は安定しているのにかなり割安な上に高配当なので、長期的に保有できると思っています。
低迷中のタバコ銘柄に長期投資のチャンスが広がっている。
この記事では、多くの投資家の目線が短期的になっている中で、あえて長期投資でリターンを得るなら、どんな投資が選択肢にあがるか考えていきます。
基本的には売らない銘柄
- コカ・コーラ(KO)
- マクドナルド(MCD)
- P&G(PG)
- ジョンソン&ジョンソン(JNJ)
- ウォルト・ディズニー(DIS)
- 3M(MMM)
- ウォルマート(WMT)
- ノボ・ノルディスク(NVO)
大きな株安が起こっても、売らずに長期保有を考えているのは上記の銘柄です。もしも何年も株価を見れなくなるようなバカンスに行くとしても、保有を続けるほど信頼している銘柄です。
ビットコインの狙いについて
こちらの記事でビットコインの価格予想をしていますが、今のところ予想通りに上昇を続けているので、さらなる上昇を期待して、まだ売らずに保有を続けようと持っています。
今後の投資について
アメリカの長期金利上昇が続きそうなことをを考えると、2021年はあまり積極的に米国株に取り組もうとは思っていません。
今まで投資した米国株の利益を回収して現金を比率を高めたり、値動きの少ない生活必需品銘柄などに資金を移しつつ、米国株が下落してしまった場合のダメージを少なくしようとしています。
またビットコインについては、2021年内にどこまで価格が上がるかで対応を考えようと思います。
ビットコインの対応方針
- 2021年末の段階で損が出ていたら、売却して撤退。
- 2021年末でいくらか含み益が出ていたら、元本を回収して残りは長期的に放置。
- ビットコインの予想価格よりも2倍を超えて上昇したら、全て売却して税金を支払った後、再度投資機会を伺う。