コロナが収束したら景気が回復して、「ホテル・航空・レジャーなどの株が上昇する」、「景気が良くなって石油株や銀行株も上昇が見込める」という話は今までたくさんしてきました。
私が考える2021年まだ投資できるテーマ【2021年1月版】
2021年1月時点で、米国株は割高にみえるものがかなり多くなっていますが、現時点でまだ伸びしろがある分野もわずかにあります。私がまだ投資できると思っている分野は石油、航空、ホテル、銀行、タバコ、軍需産業です。これらのまだ投資できる分野について書いていきます。
この記事ではコロナ収束して景気回復が起こった後には、何が待っているのかを考えてきます。
基本的には私はまだ1年程度は米国株に強気です。ただし、確度が低い予想なのですが、米国株は2022年後半以降にピークをつけて、2023年にアメリカは次の景気後退(不況)を経験するかもしれないとも思っています。
前回のリーマンショックからコロナショックまでの景気拡大は10年続きましたが、次の景気拡大は3年程度の比較的短いものになると予想しています。
この記事のポイント
- 今後の景気の浮き沈みを考える基準は、いつFRBの金利引き上げが行われるか。2021年の米国はまだ失業者がまだ多いので、2022年以降になるはず。
- 過去のデータをもとに考えると、利上げが続いてから半年から1年後に株価が下がっているので、米国株のピークは2022年後半から2023年と予想。
- 株が下落してからしばらくして2023年頃、アメリカは次の不況に入るかも知れないと予想。
株価のピークは2022年頃だと思っているので、「暴落が来そうだから、すぐに投資から手を引いたほうが良い」と言っているのではありません。
ただ上記のシナリオ進行中に突発的なイベントが発生すれば、思いがけず時計の針が大きく進むこともありえます。今後1-2年は警戒しながらの投資が続きそうです。
今後の想定されるシナリオと時期
今後のアメリカが「不景気からの脱出」、「景気の過熱を抑えるために金利引き上げ」、「株価下落」、「次の不況へ」という過去によく見られた景気の浮き沈みのパターンを経験するなら、以下のような時期で起こると思っています。
- 2021年半ば:アメリカ景気回復が勢いづく
- 2022年半ば:FRBが金利引き上げ開始
- 2022年後半〜2023年半ば:金利上昇してから半年から1年後に、米国株はピークをつけて下落を始める
- 2023年後半から2024年:株価ピークの数カ月後、アメリカは不況に突入
この中でもとりわけ重要なのは「いつアメリカ中央銀行FRBが金利引き上げ(利上げ)するか」です。
基本的には利上げを起点にして、今後の株価下落や景気後退の時期がおおよそ決まってくると思われます。
利上げは2022年以降
2021年2月現在のFRBはまだアメリカの景気を支えるために、異例なほど金利を低く抑えています。
以下の記事でも書いたように、直近の経済指標を見る限りはアメリカは完全雇用にはまだ遠く、景気を冷ますことになる金利引き上げを2021年内にはしないと思われます。
今のアメリカ経済を数字で振り返り、今後の投資を考える【2021年1月版】
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利上げのタイミングは早くても2022年半ば以降だと、個人的には思っています。
2021年後半からアメリカの景気がコロナから立ち直り始めて、1年もすれば利上げができる時期になるはずです。
利上げ後の半年から1年で株価に悪影響
FRBが景気の過熱を抑えるための利上げが始まったとしても、すぐに株価下落は始まりません。
以下の記事で調べたように、2000年のITバブルの時では利上げ開始から7ヶ月は株価上昇が続きました。
今後のハイテクバブルに備えて、2000年のITバブルの値動きを振り返る
2020年はまだバブルではありませんが、今後1-2年かけてバブルになる可能性も否定できません。その場合に一番状況が近いのは2000年のITバブルです。この記事では、今後やってくるかも知れないハイテク株のバブルに備えて、ITバブルの動きを振り返ります。
利上げが2022年半ばに始まったとしたら、それから半年から1年は株価の上昇が続くとすると、株価のピークは2022年後半から2023年半ばだと思われます。
この記事ではずっと次の景気後退の話をしていますが、株価下落が2022年後半以降に始まるなら、少なくともまだ1年以上は株価上昇が続くことになります。
なので、今すぐ大きな株価下落が始まると考えているわけではないです。
株価後の景気後退
過去の景気後退では、株価がピークをつけて数ヶ月してから景気後退に入ります。
もしも2022年後半から2023年半ばに米国株がピークをつけるなら、その数カ月後に次の不況(景気後退)に入りそうです。
リーマンショックからコロナショックまでに景気が拡大する時期は10年ありましたが、次は恐らく3年の比較的短い時間で次の景気後退がやってくると思っています。
今後注視していくこと
ここまでの話は「2022年半ばの利上げ開始予想」を起点にして考えているので、利上げ開始がずれるようなら、その後の株価ピークや不況の時期の予想もずれることになります。
利上げ時期は例えば、次のようなことが起これば簡単にずれます。
- 予想以上に、インフレ率が上昇する場合:利上げ開始が早くなる。
- 予想以上に、コロナの景気悪化が長引きする場合:利上げ開始が遅くなる。
また、最近はヘッジファンドがビットコインに投資したり、米国企業が余った資金でビットコインを購入する動きがありますが、こうした動きが広まってくると米国株とビットコインの連動性が強まってしまい、景気サイクルに関係なく米国株が不安定な動きをすることがあるかも知れません。(まだこの可能性は高くないと思っています)
私は2021年にもビットコインのバブルが弾けると思っているので、もしも米国株がビットコインと連動を強めてしまうと、予想よりも米国株の下落が早くなるかも知れないとも思っています。
2021年ビットコインのバブルは崩壊するかも知れないが、今すぐではない。
この記事では過去のビットコインの価格から見えてくる2つのことを書いていきます。1つ目は「たしかにビットコインのバブル崩壊は2021年に起こる可能性が高い」ということ、2つ目は「ただし、バブル崩壊が起こるとしても、それは年初ではなく、2021年半ばから年末にかけて」だということです。
米国株のバブルが弾けるとしても1年以上は時間があると思っていますが、想定以上のインフレや景気悪化、他の資産のバブルが弾けることなどが起これば、2022年を待たずに米国株が下落に転じることもあるので、警戒しつつ投資を続けていきたいと思います。