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【米国株】アップルの企業分析【投資家からの評価を上げている注目銘柄】

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アップルを知らない人はほとんどいないでしょう。

でも、アップルが何に取り組んでいて、どうして株価が上がっているのかを明快に話せる人はそこまで多くありません。

この記事では「アップルのビジネス動向(定性)」と「近年の株価と業積の変化(定量)」の両面を見つつ、アップルの今の姿を追いかけます。

この記事のポイント

  • iPhone以外に収益源を作り出すことに成功しつつある。サービスとウェアラブルの売上が急成長中。
  • 特に、定額制サービス(サブスクリプション)は40%で成長。投資家は安定した収益を高く評価して、株価は急上昇している。
  • アップルはライバル企業が同様の製品・サービスを提供しても、高い値段で市場シェアを取れるブランド力を持つ。この競争力は長期的に株のリターンが見込める。

米国株を代表する銘柄:アップル


アップルは、iPhoneの大ヒットで世界のトップに躍り出た企業です。

ダウ、S&P500に採用されていて米国株を代表する銘柄になっているだけでなく、あの投資の神様と呼ばれたウォーレン・バフェットもアップル株を買っています。しかも、バフェットが最も多くの金額を投じている銘柄としても有名です。

(※2019年現在、バークシャー・ハサウェイは株資産の23%をアップル株で保有しています。)

アップルのビジネス動向

アップルはMacを売り始めた黎明期の時代から、大きな変革をいくつも乗り越えてきました。

近年は低迷するスマホ売上を背景に、iPhone依存の売上から脱却を図る動きが見られます。そして、その変革は成功しつつあります。

アップルの動向

  • iPhoneはアップルの50%以上の売上を占める主力製品。でも、世界のスマホ販売台数はピークを超えて減少していて、iPhone売上も2019年会計年度で14%減少する逆風が吹いた。
  • iPhone依存の売上を脱却するため、アップルは「製品を売る会社ではなくサービスを提供する会社に変わる」と宣言。
  • 音楽聴き放題サービスに加えて、2019年には雑誌・ゲーム・動画の3つの定額制サービス(サブスクリプション)を開始。
  • 2019年第4四半期でサブスクリプションは前年比40%で急成長し、アップルの脱iPhone化の変革は成功しつつある。ただし、サービスの企業となるためにはサービス売上成長率の加速が必要
  • また、2019年10月以降は価格を抑えたiPhoneの販売が好調で、売上成長が再びプラスになったのは良い傾向。

特に、iPhone以外の売上が急速に伸びて、収益が安定化している点が見られます。

  • Apple MusicはSpotifyを抜いて、全米で音楽ストリーミングサービスの有料会員数No1(詳細記事
  • Apple Pay、全米でモバイル決済の利用者数No1(詳細記事
  • 2019年にはワイヤレスイヤフォンAirPodsが大ヒットし、ワイヤレスイヤホン市場でシェアNo1に。アップルのウェアラブル製品の売上は1年間40%上昇。(詳細記事

iPhoneの売上比率は依然として50%超えで高いですが、次の収益源を次々と作り出している様子が伺えます。

ここまで、アップルのビジネスを動向を見てきましたが、以降では株リターンや業績のデータを見ていきます。

アップルとS&P500の10年間のリターン比較

まずは、アップルとS&P500リターンを2009年に10,000ドル投資して10年間運用した場合のリターン比較です。

アップルの圧倒的リターンが際立ちます。

ちなみに、このリターンの比較グラフは株ポートフォリオ検証ツールPortfolio Visualizerでデータを出しました。使えるようになると、調べたい銘柄の長期リターンが簡単にわかるのでオススメです。

>>【超便利】米国株ポートフォリオ検証ツールPortfolio Visualizerの使い方

売上構成

アップルの売上はiPhone(スマホ)、サービス(保証サービス、クラウドサービスiCould、サブスク、ApplePay決済)、Mac(パソコン)、ウェアラブル(時計、イヤフォン)、iPad(タブレット)からなります。

単位:100万ドル 2020 1Q 売上比率
iPhone 55,957 61%
Mac 7,160 8%
iPad 5,977 7%
ウェアラブル 10,010 11%
サービス 12,715 14%
合計 91,819 100%

この中で、成長著しいのはウェアラブル(特にイヤホン)とサービス(特にサブスクリプション)です。

右肩上がりなアップルの業績

アップルの売上と利益ですがきちんを右肩上がりに上昇しています。

また、基本的にはハードウェアを売っている会社ですが、営業利益率は24.6%と高水準です。

最近では、アップルは2012年から配当を出し始めていますが、 利回りはそれほど高くありません。高い収益性を背景に2012年より毎年配当を増やしています。

配当利回り 1.12%
増配年数 8年
PER 20.79

連続増配の調べ方はこちら:
>>【初心者向け】米国株投資の魅力、連続増配銘柄の調べ方。

盤石なアップルの経営

キャッシュフローを見る限り、アップルは完全に成熟企業のお金の回り方をしています。

少ない投資(投資キャッシュフロー)で、本業からの多くの現金(営業キャッシュフロー)を生み出しているので、手元の現金はどんどんリッチになっています。(フリーキャッシュフローが右肩上がりになっています)。

経営状態は十分すぎるくらい健全です。

アップル株をおすすめする理由

私は次に株を買うタイミングで、アップル株を購入しようと考えています。アップル株を購入する理由は以下です。

  • 強力なブランド力(経済的な堀)を持っているため
    iPhoneがベースにApple Musicをはじめ、クレジットカードのApple Cardなど、会員数を次々に増やす事ができている。Apple製品の中にユーザを囲うことが出来ている。
  • アップルの収益基盤が安定化したため
    iPhone以外で安定して稼げる収益を基盤を持ちはじめたことに、投資家が高い株でも買いたいと思うようになった。

アップルは他社に比べて、同程度の機能の製品でも高い値段で売ることができ、ライバルよりも優位に立てる状況になっています。ライバルに負けない強みを持つことを「経済的な濠をもつ」といい、濠を持つ企業は長年長期的にリターンを上げることで知られています。

また、アップルは急速に音楽・雑誌・ゲーム・動画などの定額制ビジネス(サブスクリプション・ビジネス)のユーザ数を増やしています。サブスクリプション・ビジネスを提供する企業の株は、上がりやすい傾向があることも、投資に前向きになる理由です。

直近の決算

最後に、直近の決算発表をまとめておきます。決算発表ごとに随時更新していく予定です。

まとめ

2019年の年初、世界的にスマホの売上がピークを迎えてiPhone頼みなアップルは苦境に立たされると、多くの投資家が考えていました。

しかし、ティム・クックCEOはプロダクトの企業からサービスの企業にアップルは生まれ変わると宣言して状況が変わり始めます。

次々と新しいサービスの提供を開始し、iPhone以外の収益源が育ち始めています。サービス化の流れは、今後もますます加速しそうです。

サービス化が進んだ先には、iPhoneも数年に1回買い替えるのではなく、毎月契約するサブスクリプションに移行すると思われます。

投資家は毎月数千円のサービスに加入すれば、最新型iPhoneを手に入れられて、全てのAppleのサービスが使えるApple Primeと呼ばれるサービスの提供をアップルに期待しています。

また、ティム・クックCEOもApple Primeの可能性を否定しませんでした。

iPhoneの販売がサブスクリプション化した時、アップルは真にサービスの企業になり、さらに収益基盤は盤石になると思います。


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