先週はさまざまな企業で決算報告がありました。
米国株を牽引する企業の決算として、ここではアップルを見ていくことにします。
アップルの10-12月期業績は予想よりも良かったですが、いかんせん気になるのは成長率の低さです。今に始まったことではないですが、もう少しどうにかならないかなと思ってしまいます。
この記事のポイント
- 売上も一株利益も予想を上回る業績を記録した。10-12月期はiPhoneとMac(PC)の売上成長率が改善して、アップルとしては数四半期ぶりの売上前年比プラス成長に転じた。
- 中国での売上はマイナス13%と低迷したが、他の地域でこの不調を補った。
- ただ、まだ本格的な復調とはならず、1-3月ではiPhoneの売上成長率が再び前年並みにとどまり、アップル全体でも売上は前年並みの落ち着くとのコメントが発表された。
まずまずの10-12月期業績
アップルの10-12月期の業績が発表になりました。一株利益でも売上でも、アナリストの予想を超えたようで、この点は良かったと思います。
2024年度1Q | 実績 | 予想 | 予想超え |
---|---|---|---|
一株利益 | $2.18 | $2.10 | ◯ |
売上 | $119.58B | $117.91B | ◯ |
また、前回の決算まで続いていた売上のマイナス成長をプラスに転じることができた点も良かったと思います。
ちなみに、10-12月の売上では中国で前年比マイナス13%と大きく低迷しましたが、他の地域でカバーした形になっています。
単位:10億ドル | 24Q1 | 構成比 | 前期比 |
---|---|---|---|
アメリカ | $50.4B | 42% | +2% |
ヨーロッパ | $30.4B | 25% | +10% |
中国 | $20.8B | 17% | -13% |
日本 | $7.8B | 6% | +15% |
アジア太平洋 | $10.2B | 8% | +7% |
製品別売上
製品別に見ると、売上の半分以上を占めるiPhoneの売上成長率が上向き、そして不調が続いていたMac(PC)では売上成長率がプラスに転じています。
単位:10億ドル | 24Q1 | 構成比 | 前期比 |
---|---|---|---|
iPhone | $69.7B | 58% | +6% |
Mac | $7.8B | 7% | +1% |
iPad | $7.0B | 6% | -25% |
ウェアラブル | $12.0B | 10% | -11% |
サービス | $23.1B | 19% | +11% |
合計 | $119.6B | 100% | +2% |
上のグラフを見ていると、iPhoneは数四半期かけてじわじわと売上成長率を上げているので復調に向かっているのかと思いきや、そうでもないよです。
1-3月はiPhoneの売上成長率回復の勢いが失われて、前年並みにとどまるというコメントが発表されました。また、アップル全体としても売上は前年並みに戻ってしまうとのことです。
この発表はアップル株の復調を待っている投資家にとって、がっかりするものだったのではないかと思います。
売上成長率は1年前の決算から回復が続いているので、まずまず状況は悪くないのですが、どうにも復調ペースが上がってこないのがヤキモキします。
しかし、今に始まったことではないですが、やはり成長率の低さはこの企業で気になる点です。
売上前年比+2%や前年並みという成長では、米国株を引っ張る存在としては頼りないです。この数字だと、コカ・コーラやマクドナルドなどの老舗企業にも負けてしまいます。
米国市場での売上の伸びが前年比2%であることを見ても、単純にアップルの製品が成熟市場に入っていると見るべきなのだと思われます。
今のところアップルはマグニフィセント・セブンの一角として、去年からの株高を担っているはずなのですが、7つの企業の中では成長性よりも安定性が光る珍しいタイプの企業と言えそうです。