注目度の高い アップルの決算が発表されたので、取り上げたいと思います。
ただし、(私の見る目がないのかもしれませんが)アップルの決算は他の大手ハイテク企業に比べると、悪い材料は比較的少なかったと思います。
アップルはグーグルやメタ(旧フェイスブック)などのように広告ビジネスが主体ではないので、景気の鈍化が敏感に業績に出るわけでもありません。また、2020年の新型コロナ流行から業績見通しの数字を出さなくなったので、マイクロソフトのような10-12月期の悲観的な材料も少なかったです。
ただ、それでも10-12月期に関しては不安なコメントもあるので、まだアップル株は買わなくて良さそうです。
この記事のポイント
- アップルの7-9月期は一株利益も売上も予想を超えた。今期はMacの業績が予想以上に好調だった。
- 7-9月期の懸念材料は、主力のiPhoneとサービスの売上が予想を下回った点。
- 10-12月期の不安材料は、7-9月期の売上成長(+8%)を下回るとのコメント。今期好調だったMacの売上も前年比マイナス成長のペースで推移している模様。
予想超えも低い成長率が続くアップル
アップルの7-9月期の業績を確認していきます。
- 一株利益:$1.29(予想$1.27)
- 売上:$90.15B(予想88.90B)
一株利益も売上もどちらも予想を超えたようです。ただ、もともとアナリストの予想が低かったために、予想超えの決算が出しやすかったとも言えます。
前年比は売上が+8%、営業利益が+8%、一株利益が+4%で、今までのアップルに比べると成長率はかなり低い状態が続いています。
単位B:10億ドル | 22Q4 | 前年比 |
---|---|---|
売上 | $90.1B | +8% |
営業利益 | $24.9B | +5% |
一株利益 | $1.29 | +4% |
過去の数四半期の売上と比べてみると、前回に比べると売上成長率が伸びてるのはわずかな改善点ですが、やはりアップルの業績としては少しさびしい数字です。
営業利益も低調な状態が続いています。
製品別ではMacが好調
製品別に売上成長率をみていくと、今回はMacが好調でした。
単位:10億ドル | 22Q4 | 構成比 | 前期比 |
---|---|---|---|
iPhone | $42.6B | 47% | +10% |
Mac | $11.5B | 13% | +25% |
iPad | $7.2B | 8% | -13% |
ウェアラブル | $9.7B | 11% | +10% |
サービス | $19.2B | 21% | +5% |
合計 | $90.1B | 100% | +8% |
ただ、Macの売上成長率の加速は6月末のMacbook Proと7月のMacbook Airの新製品の発売があったためで、恐らく好調は長続きしないと思われます。
後ほど触れますが、10-12月期に入ってからのMacの売上はこのまま行けば前年に届かないペース(マイナス成長のペース)のようです。
また、7-9月期に話を戻すと、主力のiPhoneとサービス売上がアナリスト予想に届かなかったのは少し気がかりでした。
- iPhone売上:$42.63B(予想$43.21B)
- サービス売上:$19.19B(予想$20.10B)
10-12月期も低調
冒頭でも触れたのように、最近のアップルは業績見通しを示さないので、10月-12月期にどのような業績を残すのかが分かりにくくなっています。
決算発表でCFOが話した数少ない情報によると、10-12月期の業績はまだ低迷が続く模様です。
- 10-12月期の売上成長率は7-9月期の8%を下回る。
- 10-12月期に入ってからのMac(PC)の売上は前年を下回るペース。
- サービス売上は10-12月期もプラス成長を維持するが、マクロ経済環境からのダメージを受けている。
これだけでは何とも言えませんが、恐らくアップルにとって苦しい時期はまだ脱しきれていないと思います。
株に強気になるのは最悪期を脱したと思えるようになった後で良いと思っているので、まだアップル株は買わなくていいと思っています。