昨日は10-12月期で予想以上にアメリカGDPが成長していることが発表されたり、さまざまな企業で良い決算が報告されたりと悪くない1日でした。
GDPについては後日触れますが、この記事ではアップルの決算について書いていきたいと思います。
この記事のポイント
- アップルの2021年10-12月期決算は売上も一株利益も予想を上回る好業績だった。IT企業の業績低下が心配された今期に結果を残した。
- S&P500で大きな割合を占めるアップルとマイクロソフトが好調だったことは米国株指数にとってわずかながらに追い風。
- ティム・クックCEOは1-3月期も底堅い成長をすること、サプライチェーンの問題は改善に向かう見通しを示した。
好調だったアップルの2021年10-12月期
アップルの2022年第1四半期(2021年10-12月期)は、売上も一株利益も事前のアナリスト予想を超えるなど悪くない結果でした。
- 売上:$123.9B(前年比+11%、予想118.6B)
- 一株利益:$2.10(前年比+25%、予想$1.89)
次の売上高の推移を見ると確かに成長率は緩やかにはなっているのですが、思ったほど伸びは鈍化しなかったようです。
次の営業利益のグラフを見ても、稼ぐ時の今期にしっかりと利益を積み上げられたことがわかります。
ちなみに上のグラフを見てもわかるように、今期のアップルは売上も利益も四半期で過去最高を記録しています。
幅広い製品で好調が続く
前回の決算では主力製品のiPhoneの売上が予想に届かなかったなど残念な結果が見られましたが、今期はiPhoneを含め幅広い製品で予想を超える成績を残したようです。
アップルには以下の5つの製品カテゴリがありますが、iPad以外のすべてのカテゴリで予想を超える業績を残しました。
- iPhone:スマートフォン
- Mac:ノートPCとデスクトップPC
- iPad:タブレット端末
- ウェアラブル&ホーム:AppleWatch(腕時計)、AirPods(ワイヤレスイヤホン)など
- サービス:iCould(クラウドサービス)、AppleMusic(音楽)、AppleNews(雑誌)、AppleArcade(ゲーム)、AppleTV+(動画)、ApplePay(電子決済)、AppleCare(製品保証)など
単位:10億ドル | 22Q1 | 構成比 | 前期比 |
---|---|---|---|
iPhone | $71.6B | 58% | +9% |
Mac | $10.9B | 9% | +25% |
iPad | $7.2B | 6% | -14% |
ウェアラブル | $14.7B | 12% | +13% |
サービス | $19.5B | 16% | +24% |
合計 | $123.9B | 100% | +11% |
製品カテゴリ別に売上成長率を追いかけていくと、今期特に好調だったのはMacでした。
ただし、売上規模も考えると今期の成長に最も貢献したのはサービスのようです。この一年間の売上成長率を見ると派手さはありませんが、底堅く推移しています。
投資家に安心感を与えた決算
今期のアップルですが、投資家に安心感を与える決算だったと思います。
先に発表されたネットフリックスの決算では2022年の業績見通しが低く、決算発表後に株価を約20%分も下げた銘柄もあったので、「今期のIT企業の決算は大丈夫なのだろうか」という不安が投資家の中に広がっていました。
しかし、先日発表されたマイクロソフトの決算に続きアップルの決算も悪くなかったので、市場の投資家はほっと一安心していると思います。
また今回の決算でアップルのティム・クックCEOが1-3月期の業績についてコメントしていましたが、次の決算もそれほど悪くないものになりそうです。「1-3月期は前年同期比で底堅い成長が期待している」「サプライチェーンの問題があることを期待している」と発言しているので、次の決算も悪くはないはずです。
こうしたCEOの発言を見ても、投資家にとって安心材料がいくつか見られたアップルの決算だったと思います。
最も今の米国株での一番の心配材料はインフレを抑えるための金融政策がどうなるかなので、個別の企業の業績がいくら良くても焼け石に水かもしれませんが、良い決算に越したことはないはずです。