相変わらず昨日も米国株は大きく下げました。
ただし、近々一時的に下げ止まる局面が来るかもしれません。
昨日の記事でも書いたように米国株はまだまだ35%ほど下落してもおかしくないと思っていますが、このままずっと下げが数ヶ月続くとも思っていません。
2022年の年始からそうだったように、米国株はこれからも「小さな反発をしながら大きく下がる」という展開が続くと思っていますが、その小さな反発はそろそろ見られるかもしれません。
この記事のポイント
- 米国株指数S&P500の恐怖指数VIXは2022年に30を超えると下落に転じて、株価も下げ止まった。今は30前後まで上昇している。
- 10年米国債の実質金利は30年ものの実質金利を上回ったことはない。既に両者は十分差が縮まったので、これからは10年実質金利の伸びが鈍化して、株価も下げ止まるかもしれない。
S&P500とVIXの関係
近々、米国株が一時的に下げ止まるかもしれない理由をこれから2つ書いていきます。
1つは、米国株指数S&P500と恐怖指数VIXと関係です。
2022年のS&P500は大きな下落をした後に小幅な反発をして下落してきましたが、下落から上昇に転じる前にいずれも恐怖指数VIXが30以上でピークをつけています。
VIXがピークをつけた直後にS&P500は底を打って、小幅な反発をするという流れになっています。
そして、この記事をかいている9月24日現在はVIXは29.91まで上昇しています。
もしも2022年のS&P500とVIXの関係が続くなら、そろそろVIXはピークをつけてS&P500は小幅な反発をする可能性があります。
S&P500と実質金利の関係
もう一つ、米国株が一時的に下げ止まるかもしれない理由は、アメリカの10年国債利回りの動きです。
2022年の米国株の動きとして、10年国債利回りの実質金利とS&P500がちょうど反対の動きをしていることがあげられます。
例えば、次のグラフは10年国債の実質金利を上下反転させたグラフ(白線)とS&P500の値動きを重ねたものですが、2つの動きはかなり似通っています。
最近、このブログでは「10年実質金利が急上昇していたのでS&P500も下がるだろう」と言ってきたのですが、この10年実質金利の急上昇はまもなく(一時的にでも)止まるか、緩やかになるだろうと思っています。
その根拠ですが、10年実質金利と30年実質金利の関係にあります。
10年実質金利は30年実質金利を超えたことはありません。両者は肉薄することはあっても、常に10年実質金利のほうが小さい値を保ってきました。
そして、最近の10年実質金利の上昇で、10年と30年の実質金利の差がかなり縮まりました。
もしも、今までの通り10年国債の実質金利が30年実質金利を超えることがないなら、既に10年実質金利の伸びしろはほとんどないことになります。
10年実質金利の上昇が止まれば、株価がそろそろ下落を止めてもおかしくないはずなのです。
さいごに
この記事では、そろそろ短期的には下落が一段落して、小さな反発をする頃かもしれないと考える理由を書いていきました。
私の根拠は2022年のVIXと実質金利ですが、過去の値動きとこれからの株価の動きがかならずしも一致するとは限らないので、残念ながら株価は上昇に転じないでズルズルと下落を続ける恐れもあります。
また、もしも反発しても大きな下落の中の小反発になると私は思っているので、つぎの上昇で株を積極的に買いに行くのはまだ早いと思っています。
強いていうなら、米国株が下がることにかけて売りポジションを取ってきた投資家が利益確定をするタイミングが訪れるかもしれないの相場になると思います。