閣僚級の貿易協議を控えて、対立を深める米中。ブラックリスト追加にビザ発給制限も。

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対立を深める米中

どうしたんでしょうかね。アメリカも中国も10月7日から次官レベルで貿易交渉をしているというのに、毎日互いに避難をしあっていて、日に日に緊張感が増しています。

両国ともプライドが高くて負けず嫌いで、とても似た性格をしていると思うのですが、N極同士だと反発し合う磁石のようなものなのでしょうか。

この24時間以内だけでも、ずいぶんと多くのことが起こっています。米中協議の本番とも言える閣僚級の会談は10月10日から開始予定だと言うのに、それを前に対立の溝が深まっています。

  • アメリカ:中国政府のウイグル自治区への人権侵害を理由に、中国の監視カメラ企業を含む28社のエンティティリスト入りを発表。米企業はこのリストに掲載された中国企業とは米政府の許可なしに取引できなくなった。
  • 中国:内政干渉だとして米国のエンティティリスト追加を非難。米国への報復を示唆。
  • アメリカ:ウイグル自治区のイスラム教徒拘束に関わった中国当局者へのビザ発給を制限。
  • アメリカ:トランプ政権が、米政府の年金基金の運用で中国株の保有制限を検討しているとブルームバーグが報じる。

こうした展開以前にも会ったような気がします。

6月の半ば頃に、米中の要人が会談をしている最中、トランプ政権と中国が毎日のように避難しあっていましたが、その時も、机の上ではニコニコと笑みを浮かべながら握手をしつつ、机の下では互いを蹴り合っているような展開でした。

対立の原因は、埋まらない交渉の溝か

これだけアメリカが次官レベルの交渉中に動いてくるのは、おそらく米中貿易協議でのアメリカ側の要望を中国が飲む気がないからでしょう。

アメリカは「中国政府の中国企業への多額の補助金制度の廃止」と「アメリカ企業の知的財産の侵害」の2点について、中国に改革を行うように交渉をしていますが、中国はそれを話合う気がないと言います。

詳細はこちら:米中いまだ溝埋まらずも、トランプ大統領は大きな進展の可能性を示唆。

こうした中国の対応に対して、アメリカは揺さぶりをかけに来ているように思えます。その揺さぶりのおかげで日に日に緊張感は高まっていますが、まだ交渉が進展していることを示す知らせは入ってきていません。

貿易戦争激化は米リセッションの原因に

ただの政治的な対立であれば、このブログに載せないような内容なのですが、困ったことに米中がこれ以上対立して貿易戦争が激化すると米中の景気に悪影響が出てきてしまいます。

最近、資産運用会社のPIMCOは、貿易戦争が原因でアメリカは景気後退(リセッション)になる恐れもありますと、改めて警告しています。

PIMCOのローマン氏、貿易戦争が米リセッションの原因にと警告(ブルームバーグ)

ここでいう景気後退とは、もちろん景気拡大のペースが減速することではなく、GDP成長率がマイナスになるまで落ち込むことを言います。

今のアメリカはGDP+2.0%で堅調に景気が拡大しているとの見方ですが、貿易戦争が激しくなれば、堅調な景気を支えてきた消費者の心理が冷え込んでGDPに悪影響がでるとPIMCOは考えているようです。