3月9日、米国株は大幅に下落しました。ダウは2,000ポイント以上下落して、1日の下落幅として史上最大を記録しました。
2020年2月につけた最高値からは19%下落したことになります。
ここまでしっかりと下がってくれると、悲観的な話ではなく、投資家としては嬉しい知らせにも聞こえます。株が安く変えるチャンスが広がりはじめたからです。
この記事では、今すぐ株を買うべきだと言っているわけではありません。しかし、最高値を記録し続けた2020年1月や2月に感じていた割高感は、薄れてきた印象があります。
アメリカの新型コロナウイルスの感染者数の増加はまだ始まったばかりで、展開次第では景気後退に突入して更に下げる展開も可能性もあると思っているので、まだ私は株を買いませんが、株価に少しづつ魅力が出てきたように感じます。
この記事のポイント
- 2020年3月9日のダウは1日の下げ幅の最大記録を更新。下落率でも歴代11位だった。
- 2020年2月の最高値からの下落率は19%になった。下落前に広がっていた割高感がわずかに薄れてきた。
- 今後まだアメリカでの新型コロナウイルスの感染者数が拡大しそうなこと、展開次第では景気後退もありえると考えているので、株はまだ買わないが、株価にわずかに魅力が出てきた。
1日の下落幅は歴代最高を記録
2020年3月9日のダウは、1日の下落幅として歴代最高を記録しました。
ダウ歴代の下落幅
歴代順位 | 日付 | ダウ下落幅 |
---|---|---|
1位 | 2020-03-09 | −2013.76 |
2位 | 2020-02-27 | −1190.95 |
3位 | 2018-02-05 | −1175.21 |
4位 | 2018-02-08 | −1032.89 |
5位 | 2020-02-24 | −1031.61 |
すごいですね。長いダウの歴史の中でも、2,000ポイントを超える下落幅は他に圧倒的大差をつける1位でした。2位の下落幅にダブルスコアをつけています。
1日の下落率でも歴代11位
ただし、もともとダウは2020年2月まで歴代最高値を更新していたので、下落前の株価が高かったことが下落幅を大きくした原因になっています。
なので、「下落率」で再度ランキングを確認すると、3月9日は歴代11位の規模だったことがわかります。11位でもかなり大きな下落ですが、まだまだ上には上がいることを思い知ります。
ダウ歴代の下落率
歴代順位 | 日付 | ダウ下落率 |
---|---|---|
1位 | 1987-10-19 | −22.61% |
2位 | 1929-10-28 | −12.82% |
3位 | 1929-10-29 | −11.73% |
4位 | 1929-11-06 | −9.92% |
5位 | 1899-12-18 | −8.72% |
6位 | 1932-08-12 | −8.40% |
7位 | 1907-03-14 | −8.29% |
8位 | 1987-10-26 | −8.04% |
9位 | 2008-10-15 | −7.87% |
10位 | 1933-07-21 | −7.84% |
11位 | 2020-03-09 | −7.79% |
ちなみに、1987年に記録した1位22%の下落率はブラックマンデーと呼ばれて、語り継がれている日です。たった1日で22%の下落とは、さすが歴史に名を残すだけのことはあります。
魅力が増し始めた米国株
これだけの下落をしたというのは、株式投資家なら喜ばないといけないかも知れません。下落後には、株が今までよりも安く変えるチャンスが広がるからです。
まだ米国株が最高値を更新していた2月19日、米国株は割高かなと感じて「今株を買っても、あまりリターンを生まない」と言う趣旨の記事を書いていました。
>>2020年、これからの米国株への追加投資を控えるべき理由
この時感じていた割高感は、やや解消され始めているように思います。
2020年のダウは最高値から19%下落しました。いま株を買っておけば、今後この最高値を更新した場合に、23%のリターンを得られます。
(注意:19%下落した後、もとの株価に戻るために必要な上昇率は、19%ではなく23%です)
さらに、取らぬ狸の皮算用を重ねて、最高値を更新が3年以内に起こると考えると、今株を買えば年率7%以上のリターンが得られます。
これは特別良い数字ではありませんが、悪くない数字です。大きく株価を下げたことで、わずかに米国株も魅力が出始めてきたように思います。
個人的には購入タイミングはまだ先
株は約20%下落して、たしかに米国株に再び魅力が出始めてきましたが、私はまだしばらくは株を買うつもりありません。
まだ株を買わない理由は次の2点です。
まだ株を買わない理由
- 今後アメリカでさらに感染者数が拡大して、市場が混乱する可能性がまだあるため。
- 今後の展開次第では、景気後退があり得ると考えているため
2点目の「景気後退があるかもしれない」というのは、先日書いた以下の記事でも触れた通りです。
>>新型コロナウイルスの下落で、私が米国株を買い増しない理由
逆にいうと、この2つの条件がクリアすれば、株を買い増ししようと思っています。つまり、アメリカがGDPマイナス成長に落ち込む低迷を経験し、アメリカでの新型コロナウイルスが収束に向かえば、購入を再開します。でも、それはまだ先になりそうです。
あとで振り返った時に、実は3月9日が底値で、買い増しをせずに株の上昇を逃してしまったとしても、それはしょうがないと思っています。
今回の相場でも幸い資産は致命的なダメージを負っていないので、資産を守れただけでも良しとします。