民間のADP社がまとめた2020年1月の雇用統計の結果が発表されました。
結果は、驚くほど良かったです。今月の雇用者数の増分は29.1万人と、12ヶ月ぶりの高水準になりました。
ADP社が独自に集計した雇用統計は、政府発表のものとは違って注目度は低いですが、2日後に控えた最も重要度が高い政府発表の雇用統計に向けてはずみが付く形になりました。
- 予想:15.7万人
- 結果:29.1万人で予想も前月も大幅に上回る。
- 前回値:20.2万人から19.9万人への下方修正。
グラフで見ると、今月の結果がいかに良かったかが分かります。雇用者の伸びは、この数ヶ月で急上昇しています。
データ出典:『ADP National Employment Report: Private Sector Employment Increased by 291,000 Jobs in January』
製造業もサービス業もほぼすべての業種で雇用増加
他の経済指標をでも2020年1月の状況が少しづつ入ってきていますが、どうも1月の米国はかなり景気が良かったようです。
出典:『ADP』
今までの数ヶ月は、鉱業だけでなく製造業も雇用がマイナスの状態が続いていたのですが、製造業の雇用が回復しています。
また、サービス業も全体的に好調でした。
出典:『ADP』
相変わらず強いのは「教育・ヘルスケア」で、1月は「レジャー・ホスピタリティ」も伸びています。レジャー・ホスピタリティはもしも新型肺炎が米国で流行すると急減速しそうですが、今のところは影響は全く見られません。
好調が続く1月の経済指標
さて、この記事を書いている2月6日時点で、発表になった米国経済指標の結果を見てみると、主要なものは全て前月よりも数値がよくなっているだけでなく、エコノミストの予想も超えています。
1月米経済指標 | 予想以上 | 予想未満 |
---|---|---|
前月以上 | ADP雇用統計 ISM製造業 ISM非製造業 ミシガン大消費信頼感 コンファレンスB消者信頼感 |
– |
前月未満 | – | – |
米国株は1月はやや調子を落としたのですが、実態の経済はかなり景気が良かったようです。
何もなければ景気がいい話に市場は安堵して、株の上昇は再び勢いを増すはずです。「何もなければ」というのは、新型コロナウイルスが米国で流行らなければという前提です。
新型肺炎の感染者数は中国を中心に世界各国で増えつつありますが、私はまだ現時点では、米国の経済が大きな規模のダメージ受けるほどの規模にはなっていないと思っています。が、油断は禁物です。
コロナウイルスが流行しようがしまいが、「経済指標から株を買っていい時期かどうかを判断して、決算書を見て銘柄を決める」という作業は何も変わらないです。
でも、私は年始のおみくじで凶を引いてしまい「生死をさまよった場合には、10のうち8,9は死ぬ」とかお告げが書かれていたので、できるだけ病が流行らないことを願っています。